「音楽業界は信用してない。でも、君たちのことは信じたいよ」
この後も、アニバーサリーに相応しいシーンが次々と実現した。最初のアンコールでは、the pillowsの存在を世に広めた名曲「ストレンジ カメレオン」「ハイブリッド レインボウ」を披露。「俺たちみたいな偏屈なバンドが、横浜アリーナのステージに立って、こんなにたくさんの人がアニーバサリーを祝ってくれるなんて、不思議だ。俺は音楽業界を信用していない。でも、君たちのことは信じたいよ」という山中の言葉も印象的だった。
ここでメンバーはステージから去るが、鳴りやまないコールに応えて再び登場し、海外での人気のきっかけとなったアニメ「フリクリ」のテーマソング「Ride on shooting star」、「アクエリアス」のCMでカバーされ話題となっている「Funny Bunny」を演奏。大きな感動と心地よい興奮を生み出した。さらに3度目のアンコールでは、「若者だった自分を救ってくれたもの、そして、50代になったバンドを今でも救ってくれているもの。それは、普遍的なものだ。新しいも古いも無い世界、それがロックンロールだ!」(山中)と「Locomotion, more! more!」を放ち、この記念すべきライブはエンディングを迎えた。
30年の軌跡を辿りながら、いまなお進化を続ける現在の姿を見せつけたthe pillows。
山中さわおの原案による映画「王様になれ」、そして、初の横浜アリーナ公演によって、30周年イヤーは一区切りとなる。しかし、言うまでもないことだが、the pillowsはさらなる未来に向かって進んでいくはず。大きな節目の時期を経て、彼らがどんなロックミュージックを響かせてくれるのか、いまから楽しみでしょうがない。
text_TOMOYUKI MORI
Photo_RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER),SHINGO TAMAI
Edit_ADO ISHINO(E inc.)
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