伊藤暁里 (vo,gt)樺山太地 (gt)大堀晃生 (ba,cho)小林希(dr)の4人で編成されているTaiko Super Kicks(タイコスーパーキックス)。都内を中心に活動しており、人々の日常に限りなく寄り添ったいい意味で平坦で馴染みやすいバンドである。2012年、同じ大学出身だといい、メンバー内には曲と同じようになんだか平和で和やかな空気が流れている。そんな日常感のあるTaiko Super Kicksのルーツに注目する。
情景の浮かぶような音楽、嫌味のないフラットさが魅力の平熱4人組バンド
情景のうかぶようなミュージックを展開する彼ら。なんだか私たちのありふれた日常が歌に表れたようで、非常になじみ深いものだ。激しく熱意がこもっているというわけではない彼らの音楽にはフラット感を感じるものがある。平熱感は彼らも意識しているようで、日本のロックとは反した平らで静かな、感性を使って聴くような奥深い音楽だ。フェスでお客さんと一体となるような音楽とは真逆の、1:1で向き合って感じ合う、そんな特別感のあるものだ。どこかエモーショナルな曲調はロマンも感じさせ、ずっと聴いていたくなるような心地よさも含んでいる。安定したドラムのビートに落ち着きのあるベース。さらにギターとボーカルのとろけるようなサウンドが乗っかり、このような体に馴染む音楽となっているのだ。
メンバーの日常がそのまま曲に…感じたものをダイレクトに掬い取る
ギターボーカルの伊藤は1年間アメリカに留学していたといい、バンド結成当初はその影響からかアメリカの情景が思い浮かぶようなガレージ感のある音楽を作っていたそうだ。彼らの感性や感情、生活がそのまま曲に直結しているようだ。それが効いている側に何かを思い浮かばせるような流れにつながっている。ライブ活動を始め、1年経ったくらいに初めてのミニアルバム「霊感」を発売。これを出し、今後はもう少し平静な音楽を作るようにしようと決めたようだ。いろいろな曲に挑戦し、日常に寄り添いつつ、飽きさせないような魅力的な音楽を展開して行っている。個性のある伊藤の声は頭の中で広がるような幅の広さを持っている。そこにフラットな楽器たちの音色が重なりマッチ。とても聴きやすい曲が多い。何か作業する際にBGM代わりに聞くのも良いのではないだろうか。
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