速水もこみち主演ドラマの主題歌に抜擢!新人シンガー川口レイジの魅力に迫る。
2019年7月にメジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの川口レイジ。2月にリリースされるファーストシングル『I’m a slave for you』の収録曲2曲が速水もこみち主演ドラマの主題歌とエンディングに抜擢され、いま大きな注目を集めている新人アーティストの一人です。
彼の楽曲の特徴は、様々なクリエイターたちと「コライト(共作)」すること。国内外のプロデューサー・ソングライターたちと共に曲を作り上げることで、世界の音楽シーンとリンクした新鮮なポップミュージックを生み出しているのです。世界のトップアーティストたちから信頼を得る川口レイジの魅力を、これまでのキャリアと作品、そして世界の音楽トレンドを通して紹介していきます。
失意の中で出会った音楽。川口レイジのルーツ。
川口レイジが音楽活動を始めたのは高校生の頃。それまでは、父親の影響で剣道や野球に勤しむスポーツ少年でした。特に野球では大きな才能を発揮し、名門野球部がある高校に入学。そこでピッチャーとして練習を続けていました。しかし、高校一年生の時に腰の怪我でスポーツの道を断念。そしてほぼ同時期に父親を事故で亡くしてしまいます。打ち込んでいた野球も家族も失い、失意の中の川口を救ったのは、父の部屋にあったギターでした。そこから自らギターを弾くようになり、様々な楽曲をカバーしていくうちに出会ったのが玉置浩二の音楽でした。包みこむような歌声や切なくも力強いメロディと言葉は、喪失感を抱えていた彼の背中を押し、本格的に音楽活動に取り組むようになります。
そして川口は高校卒業後には路上ライブを開始。また音楽活動をしていた高校時代の友人からヒントを得て、カバー曲を動画サイトにアップし始めます。やがて、透明感のあるクールな歌声が口コミで広まっていき、ソニーの新人発掘部門と契約。深い悲しみの中で出会ったギターと玉置浩二が、彼を音楽の道へと進ませるきっかけになったのです。
ロサンゼルスで学んだ「コライト」
ソニーの新人発掘部門との契約がきっかけで本格的に楽曲制作に取り組んだ川口は、ライブを重ねるうちに大きな課題を感じていきます。それは、「ライブでのエンターテインメント性」です。音楽活動を始めて以来ギターとピアノの弾き語り主体で演奏していた彼にとって、ポップでグルーヴィな空気感を生み出すことは難しいことでした。
そんな川口の転機になったのは、ロサンゼルスへでの音楽制作でした。彼はポップミュージックの中心地であるアメリカで、様々なソングライターやプロデューサーと共にワールドスタンダードなポップスの作り方を学ぶことを試みたのです。
そこで学んだのは、ミュージシャンやソングライターたちが集まって作るコライト。日本では普通、シンガーソングライターは一人で作詞作曲をするものだと思われがちです。しかし今や世界のシンガーソングライターは、共作が当たり前。例えば2018年にグラミー賞を受賞したブルーノ・マーズの「That’s What I Like」は8人のソングライターの手によって作られたものです。
アメリカだけでなくイギリスや韓国ではすでにコライトがスタンダードになっており、そこから世界的なヒットソングが生まれているのです。
そんな最先端のポップミュージックの制作現場を経験した川口は、そこでソングライティングのセンスを磨くだけでなく、シンガーとしての資質にも気づいていきます。
他の人たちが、鼻歌で考えるメロディのレベルの高さに驚いたり、それでメロディセンスが磨かれていったりする部分ももちろんあったし。あと、意外と僕は夏っぽいメロディが向いているのだなということにも気づかされました。
(Real Sound 川口レイジ 「Like I do」インタビュー より )
そうした試行錯誤と発見の中で生まれた楽曲が2018年にリリースされた「R.O.C.K.M.E」でした。
「R.O.C.K.M.E」
この作品はアメリカのシンガーソングライター、マーティ・ジェームスと共作したもの。マーティは2017年にラテン系アーティスト、ルイス・フォンシとダーティ・ヤンキーのヒットソング「Despacito」のソングライターとして参加。
「Despacito」
この楽曲はジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたバージョンが18週連続全米No.1ヒットを記録し、ミュージックビデオが60億回以上再生されている、グローバルなヒットソングです。
この「R.O.C.K.M.E」も、世界のポップミュージックのスタンダードにも通じる楽曲。エレクトロビートとラテン風味のギター、そしてコーラスだけでトラックが構成され、そこに英語詞のメロディとラップが入ってくるR&Bソングです。このシンプルかつ音の空間とリズムが強調されたトラックと川口の力強くクールな歌声は、明らかにJ-POPという枠組みを超えたものでした。
のちに「R.O.C.K.M.E」はグラミー賞を受賞したアーティストDave Audeによってリミックスされたバージョンも発表。
「R.O.C.K.M.E ft.Marty James」(Dave Aude Remix)
メロディの持つラテン感や夏らしさを強調するかのように、トロピカルハウスの意匠を取り入れたR&Bナンバーに生まれ変わりました。このようにリミックスによって既存の曲をより洗練される手法も、世界のポップスのスタンダード。YouTubeに公開されたミュージックビデオは40万回以上再生され、英語でのコメントも目立っています。
このように世界のポップミュージックのフォーマットに則りながら、国を超えクリエイターたちと楽曲を作り上げることで、川口レイジはアーティストとして成長を遂げたのです。
コライトが日本のポップスを変える。グローバルスタンダードなデビュー作『Departure』。
「R.O.C.K.M.E」のリリースからおよそ1年後、川口レイジは2019年7月にアルバム『Departure』をリリース。
『Departure』
このアルバムでは西野カナやLittle Glee Monsterの楽曲を手がけるCarlos K.やグラミー賞にもノミネートされソロプロジェクトPOP研究会の活動でも知られるstarRo、中島美嘉やちゃんみなの楽曲を手がけるRyosuke “Dr.R” Sakaiなど国内のトップクリエイターと共に楽曲を制作。様々な音楽ジャンルを吸収し、バラードからポップナンバーまで幅広いアプローチの楽曲が収録されています。
「Summers Still Burning」で躍動感のあるエレクトロビートの中で甘く伸びやかな歌声を響かせ、ピアノバラード「falling down」では透明感のあるエモーショナルな歌声を、そしてファンクナンバー「Night Divin’」では妖しく優しい声と、あらゆるジャンルの楽曲を歌いこなしてしまうのが川口の魅力です。
「Summers Still Burning」
本人曰く「この作品はスタート地点」とのことですが、彼の変幻自在の歌声と、あらゆるジャンルのソングライターたちとコライトしていくプロデューサー的なセンスは、これからの日本のポップミュージックのあり方を変えうる可能性を感じさせるもの。
川口レイジのグローバルスタンダードなソングライティングから生まれる、新しい音楽たちにこれからも注目です。
【リリース情報】
1st single「I’m a slave for you」
2020年2月12日(水)発売
※「I’m a slave for you」」:1月31日(金)先行配信
※「STOP」2月7日(金)先行配信
初回生産限定盤 [CD+DVD] BVCL1055-6 1,600円(tax out)
通常盤 [CD] BVCL1057 1,300円(tax out)
[CD]
1.「I’m a slave for you」(ドラマ「この男は人生最大の過ちです」主題歌)
co-writing Yui Mugino, Ryosuke”Dr.R”Sakai
2.「STOP」(ドラマ「この男は人生最大の過ちです」エンディングテーマ)
co-writing Carlos K.
3.「MOVIE」
co-writing Iain Farquharson, Jeff Miyahara, Jez Ashurst
4.「Be mine」
co-writing Avena Savage, Junichi Hoshino
5. 「I’m a slave for you」(instrumental)
[DVD]
1. I’m a slave for you – music video
2. I’m a slave for you – behind the scene
3. Like I do [the scene]
4. Summers Still Burning [the scene]
5. falling down [the scene]
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