フジロックに出演が決定したバンド、Red Hot Chilli Pipers
今熱いバンドRed Hot Chilli pipers。話題に火がついたのは1回目の出演者発表のときでした。
名前、編成、ジャンル、どこを切り取っても他のインストバンドとは一味も二味も違う彼ら。レッチリファンを手のひらで躍らせたバンドは、今回初出演となるフジロックでどんな躍らせ方を見せてくれるのでしょうか。
今年で23回目を迎えるフジロック。待望の第1弾の出演者発表で、Red Hot Chilli Pipersの名前がツイッターでトレンド入りをしました。
しかし違和感を覚える人が続出。
どうしてサマソニでヘッドライナーを務めるアーティストがこんなに小さく発表なんだ?
それもそのはず。アナウンスされていた彼らの名前は”Red Hot Chilli Pipers”。読み方はレッドホットチリパイパーズ。
アメリカのロックバンド、Red Hot Chili Peppersと限りなく名前が似ています。
このことは海外でも話題にあがり、Red Hot Chili Peppersのライブが格安で行われるのを知ったイギリスの男性が、レッチリの大ファンである恋人のためにチケットを取って北アイルランドまで行ったところ、出演するのはPeppersではなくPipersだったというアメリカンジョークのような珍事まで存在しています。
このミスがすごい、と言いたくなってしまうネーミングですが、Red Hot Chilli Pipersがフジロックに出演するのは名前をもじった洒落ではなく、実力があるからです。
バグパイプを取り入れた変態的インストバンドRed Hot Chilli Pipers
Red Hot Chilli Pipersはバグパイプを取り入れたインストバンドです。
楽器編成は、エレキギター、ベース、ドラム、パーカッション、マーチングドラム、シンセサイザー、トロンボーンと様々な楽器を取り入れており、メンバー編成もその都度で変化させて演奏しているようです。
演奏からはSPECIAL OTHERSのホリデイ感溢れる心地よさと、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRAの持つ魂を揺さぶられる熱さを足して取って割ったような印象を受けました。
民族楽器×バンドといった一見相性の悪そうな組み合わせですが、これが功を奏し、塩×バニラのような相乗効果を発揮して一筋縄ではいかない変態性をつくりだしています。そんな彼らを唯一無二のバンドへと導いた楽器がバグパイプです。
ではそのバグパイプとは一体どんな楽器なのか?
バグパイプとはスコットランドで有名な民族楽器。発祥はスコットランドではありませんが、スコットランドでは日常的に愛用されていることからバグパイプ=スコットランドのイメージが出来上がりました。英語で書くとbagpipeと綴られる通り、鞄と菅を合体させた楽器です。スコットランドの民族衣装のキルトと呼ばれるスカートを履いて演奏されることが多いです。
上に向かってパイプが3本伸びており、なかば武器のような厳つい外見で、エネルギッシュに奏でられるメロディーと、コロコロとした取っつきやすい可愛らしさを含んだ音色が特徴的です。
大きな音が出ることもあり、バグパイプの演奏者、パイパーは兵隊という側面も持っていました。
楽器を持って戦地に乗り込み、兵士の士気を高めるために演奏していたようです。
バグパイプの勇ましさはバンドロゴ を見ると一目瞭然かもしれません。
燃えているバグパイプが彼らのライブアクトの熱量を示しているように感じます。フジロックでも観客を巻き込んだ熱い演奏で楽しませてくれそうです。
フジロックの予習ならコレ!オススメの楽曲3選
Everybody Dance Now
彼らの個性を最大限に活かした曲がC+C Music Factory、”Gonna make You Sweat (Everybody Dance Now)”のカバーでしょう。
バグパイプの演奏によりアレンジされた”Gonna make You Sweat (Everybody Dance Now)”は楽曲既存のスタイリッシュさにバグパイプの戯けた音色が乗っかって、かなりポップで耳馴染みが良いです。
またシンセサイザーとバグパイプが同じ土俵で演奏される違和感も独自性があり見所、聞き所になっています。
Wake Me Up
aviciiのWake Me Upのカバーも人気です。
昨年、28歳の若さでこの世を去ったavicii。彼の残した楽曲は形を変えながら今もなお沢山の人に愛されています。
他の楽曲ではなかなか感じ取れなかったバグパイプの音色の美しさにハッとします。表情を変化させて楽曲のイメージに寄り添えるのもバグパイプの魅力のひとつでしょう。
100 chilli pipers
100Pipersというウイスキーが元ネタと思われる楽曲。
民族音楽ならではの楽しげな雰囲気が伝わってきます。イントロのギターカッティング、欲しいところで的確に鳴らしてくれるスネアドラム、バグパイパーのパフォーマンス。どこを切り取っても愉快で身体が揺れてしまいます。
晴れた空の下、アルコールを飲みながらこの曲を聴いて踊ったらどれだけ楽しいことでしょうか。
フジロックでRed Hot Chilli Pipersはどんなアクトを見せてくれるのか?
Red Hot Chilli Pipersと野外ライブの相性の良さはピカイチです。
“100 Chilli Pipers”なんて、野外フェスのために制作された楽曲では?と思ってしまうほど、絶妙な親和性があります。
レッチリと勘違いした人がステージに集い、予想を裏切られたもののライブアクトの楽しさとフジロックの高揚感で、間違えたことすらどうでも良くなって、子どものように踊る。
これ以上にエキサイティングで痛快な景色はありません。
音楽を愛する人たちが、自身の音楽で世界をひっくり返す瞬間は何よりもかっこよく、パンクロック的で胸を打たれます。
名前もややこしく、人数もやたらと多い、一筋縄では括れないバンド、Red Hot Chilli Pipers。
間違われやすいバンドだからこそ、突き抜けた個性と、楽しそうに演奏する姿にどハマりしてしまうこと間違いなしです。
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