池袋パルコ本館7F、パルコミュージアムで絶賛開催中の『大ラジカセ展』。カセットテープやラジカセ人気が再燃しつつある昨今、さっそく行ったよー!という方も多いのではないでしょうか。残る会期はあと3日間。監修者である松崎順一さんナビゲートのもと、知っておくとさらに『大ラジカセ展』を楽しめる!お話を伺いました。
Photo_Shunsuke Shiga
Text_Kenta Baba
大ラジカセ展の見どころは?展示の一部をご紹介します。
一体、『大ラジカセ展』は何がスゴいのか。実際目の当たりにしていただくのが一番なので、行く楽しみを奪ってしまわないさじ加減で展示内容をご紹介します。
まつざき・じゅんいち
デザインアンダーグラウンド主宰・家電蒐集家・Retrofitter。
幼少期より「秋葉少年」としてラジオの製作・電子工作・アマチュア無線などを趣味に家電と親しむ。2003年に「デザインアンダーグラウンド」設立。現代のプロダクツが失った物が過去にあるとの認識で、レトロフィッターとして日々廃棄された家電を発掘し、日本のみならず世界へ古い家電を蒐集しまわり現代に蘇らせている。
巨大メインビジュアルがお出迎え。
入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、壁面いっぱいに拡大されたラジカセのメインビジュアル。
松崎さん:「こちらは1980年にSANYOが発売した『MRX920』です。海外でも人気を誇った、ビックスケールラジカセになります」
メインビジュアルに採用した『MRX920』はボタンの説明などが「すべて日本語表記になっている」のがポイント。ここからはじまるラジカセワールドは、そのすべてが「メイドインジャパン」であることをここで胸に刻んでおきましょう。
日本初=世界初のラジカセお披露目
実は、世界ではじめて「ラジカセ」を開発し、商品化したのは、日本のメーカーなのです ※1 。まだ、ラジカセ、という言葉もなかった1968年のお話。今回の展示は、そこからはじまります。
5000台のなかから選りすぐった100台。めくるめくラジカセワールドへ!
そこから先は、いよいよ怒涛のラジカセ展示がはじまります。
松崎さんによるラジカセの定義は下記3つ
ラジカセのベースを築いた「スタンダードラジカセ」
1973年〜1979年に発売されたモデルが中心。大人の男性向けに開発・発売され、メカニカルで色味を抑えたベーシックなデザインが主。ここで、ラジカセの基本形が構築されます。
フリーダムなデザインが炸裂!「チープ&キュート」
70年代後半から80年代〜90年代前半にかけてつくられたモデル。スタンダードやカジュアルデザインが勃興したのち、ほぼ同期に自由な発想をふんだんに取り入れたラジカセが次々に生み出されました。
松崎さん:「70年代80年代における家電づくりというのは、どういうものが流行するか、などのリサーチやマーケティングが一切行われずに製品化されていました。資金面にも余裕があったので、採算度外視でとにかく作っちゃおう!というノリだったんですね」
「UFO」と題された宇宙を思わせるラジカセ。メーカー不詳。
自転車のハンドル部分につけて楽しむラジカセも。
松崎さん:「こちらは、走りながら、ステレオが聴ける。非常に危ない機械です(笑)。ウォークマンが流通しはじめる少し前でしょうか。やかましい音を鳴らしながら走る”ラジカセおじさん”なんてのもいました」
SHARE
Written by