【出展者紹介】
以下、私が気になった出展者の一部を紹介する。
・Diverse System
(http://diverse.jp)
・カラフル・サウンズ・ポート
(http://csport.me)
・t+pazolite
(http://c-h-s.me)
・wavforme
(http://wavforme.com)
・ナナヲアカリ
(http://www.sonymusic.co.jp/artist/nanawoakari/)
・SOCKET
(http://kuronousagi.info/socket/top.html)
・おきあがり赤ちゃん
(https://twitter.com/okiagariakachan)
・Stripeless
(http://stripelesslabel.com)
【Diverse System】
2000年に発足したレーベル。同人音楽のパイオニアであり、大御所的存在。
初期に発表したとあるCDには、約10万円の値がついているとの噂……。
Diverse Systemでは、代表のYsK439がマネジメントのほぼすべてを一人で行っている。
公式サイトには「色んな人に手渡せるよう、限界まで主宰として、クリエイティブ以外の所を全てお手伝いして行こう、クリエイターがやりやすい環境を作っていこう、という方針です」と書かれており、クリエイティブとマネジメントの領域を明確に分け、クリエイターに自由に才能を発揮してもらおうとする姿勢を感じられる。
会場にYsK439氏がいたので、少しだけ話を聞いてみた。
ーーこれほどの量の作品をプロデュース・マネジメントするのは、さすがに大変でしょうね〜。
YsK439「全然! 自分が最大の消費者だから! コミケのスタッフも十数年やってるし、好きなんですよ!(超笑顔)」
周囲からの信頼もかなり厚いようで、イベント中、YsK439氏の元へ挨拶に訪れる出展者が後を絶たなかった。超人気者っぽい。
【カラフル・サウンズ・ポート】
以前、こちらの記事(巷で注目されつつある同人音楽の魅力とは?ファン歴10年のAさんの場合)で勝手に取り上げさせていただいたCSPさん。
高音が特徴的な歌い手であり作曲者、BMS作者。ご本人はめっちゃ爽やかな関西人。
今回は新作の『CANDY STEP』を携えて、siratama(https://twitter.com/siratama)率いるSTRLabelに委託出展で参加。
こちらはusomitaina records代表のO-SE氏とのコラボユニット「SUPERMOTEX」としての新作『Ray of Chain』。
完成度高すぎてLD○グループの新ユニットかと思った。
【t+pazolite】
ハードコアテクノ系の、アップテンポなジャンルを得意とする作曲家。
maimai、Grove Coster、太鼓の達人などの各種音楽ゲームに楽曲提供している。
ウィキペディアのページもある(https://ja.wikipedia.org/wiki/T%2Bpazolite)。
作風とご本人は少しギャップがあって、写真の通り、愛され系男子と言って良さそうな、柔らかいハンサムボーイ。
今回の新譜はaran、Massive New KrewとのハードコアスプリットCD『TRI▼FORCE』。
基本的にテンションがアガる曲が多いので、やる気を出す時に聴くと良さそう。
今この記事は、『PSYCHED AGOSTED』を流しながら書いてます。
【wavforme】
行列もできてかなり賑わっていたwavforme。海外からも高い評価を得ているレーベル「Otographic Music(http://www.otographicmusic.com)」のメンバーが中心のサークル。
代表のSoU氏によると、以前はトランス系ミュージックを中心に作っていたが、それ以外のものを作りたくなって立ち上げたという。Nhato(http://www.otographicmusic.com/post/41092237759/nhato)ら実績のあるメンバーと若いメンバーを組み合わせ、ジャンルにとらわれず、挑戦的なものづくりをしていきたいとのこと。
頒布されていた新譜の中で、Tomohiko Togashiによる新作『sights』が一際目を引いた。
『sights』は、「Otographic Music」のアートディレクターであるSoUと「Casual Killer」というユニットを組んでいるTomohiko Togashiのソロアルバム。
ディープ・ハウス、インディー・ダンス、ダブステップ・トランスといった内容の楽曲で構成されている。
アートワークはイラストレーターの九島優(http://ksmyu.tumblr.com)。
九島が得意とする幾何学的な図象、ミントグリーンのタイトル、そしてうねるような黒い背景とのコントラストが、一曲目『Parametiric Love』における、これから何かを創世させるような期待感に非常にマッチしている。かなりクオリティの高いアルバム。
【ナナヲアカリ】
「あかりん降臨。」というサークル名で出展していたシンガー・ソングライターのナナヲアカリ。
インスタグラムの紹介文に「メンタルがヘラヘラな天使してます」と書いてあるが(https://www.instagram.com/nanawoakari/)、言い得て妙な紹介文で、彼女の作風を形容するなら「キュートでポップで明るい鬱ソング」という感じ。
M3では、10月25のLIVEで限定販売された『しあわせになりたい』のパッケージバージョンを頒布。カード型の歌詞カードのイラストを、寺田てら(https://twitter.com/trcoot)、野良いぬ(https://twitter.com/norainu03019)、愛⭐︎まどんな(http://ai-madonna-pro.jp/top)、majocco(http://majocco.info)、たなかあずさ(https://twitter.com/azplanetaz)といった人気クリエイターが担当している。
楽曲としては、人気ボカロPのNeru、元ふぇのたすのヤマモトショウ、元相対性理論・現vampiliaの真部侑一が作曲や編曲などで参加していることからもわかる通り、思わず口ずさんでしまうような、完成されたギターポップ系の曲が多い。
ナナヲさんは神対応だった。
今後イベントでの人気に火がつくことが容易に想像できる。
【SOCKET】
黒乃うさぎ(https://twitter.com/kuro_no_usagi)と中村冬水(https://twitter.com/fuyumi_clp)による8bit系電子楽団。ヴィジュアル系をバックボーンに、チップチューンやEDMなどの曲を制作する。
「フリーハグやってます」とのことだったので、フリーハグしてもらった。
なんか良い気分になった。
【おきあがり赤ちゃん】
おきあがりこぼしを使って演奏する人ということで、かなり気になっていた。
アーティスト名は「おきあがり赤ちゃん」。
おきあがり赤ちゃん氏は、これまでに特に音楽活動はしていなかったらしい。
では、何がきっかけでこのようなスタイルで演奏しようと思ったのだろう?
「小さい起き上がりこぼしってあるでしょ? あれがすごいかわいいなと思うようになって、三年間、起き上がりこぼしを見つめてたんですよ。で、ある日偶然、ハードオフで大きいサイズのものを発見したんです。動かしてみると、音がすごく良い。これで何かできないかな、と思って、始めました。今は家にコレクションが180体あります。CDも作ってるんですけど、録音するのが大変なんですよ……。人間の耳って、良い音を拾うようにできているんですね。だから生演奏を聴く時、人間は良い音を優先して拾っているんですけど、それをCDにすると、音が平面になってしまう。いかに生で聴いた時の感じに近づけるか、難しいです……」
【Stripeless】
M3には本もある。
このブースには、しま(https://twitter.com/shima_10shi)によるボカロ批評本が置いてあったので、購入した。
コピー用紙に印刷したものを止めた小冊子だが、内容としては和田たけあき(くらげP)による『チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!』を、8.6秒バズーカの『ラッスンゴレライ』を引き合いにして論じたものなど、興味深いものがあった。
また、本だけではなくCDもあり、ボーカロイドによるヒップホップミュージックを集めたコンピを頒布していた。
家に帰ってからディグってみると、チンアナゴを題材にしたLPなども発表しているらしい。
コンセプトは「チンアナゴへの想いを込めたもの」「チンアナゴを表現したもの」「チンアナ感があるもの」。
私はチンアナゴに関してはキム・ギドクの映画くらいしか知識を持ち合わせておらず、なぜチンアナゴなのか、わかるようなわからないような感じがするのだが(詳細)、音源を聴いてみると、まさに「水族館」にいるような美しい曲ばかりで驚かされる。
【その他】
ボイスドラマ、声優、アイドル、ボカロ、東方アレンジなどのジャンルで人気の作り手が多く出展していた。
他にも気になる出展者がたくさんいたが、次から次へと来場者がブースに押し寄せるため、タイミングが合わず取材できなかった。また、快く取材に応じてもらったものの、文字数等の事情ですべての出展者を紹介できなかった。
しかし、自分の中のリストには入れたので、次回のM3の時に取材できればと思う。
売り込み歓迎しておりますので、ご連絡こちら(https://twitter.com/ssafsaf)まで。
次のページは、「ウィー・アー・ザ・ワールド」と音楽を取り巻く環境の変化
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