今回のライブは完全に『LIVE DAM STADIUM STAGE』仕様。デュアルスクリーンにはカラオケさながらに楽曲の歌詞が映し出され、このイベントならではのスペシャルな内容でした。
オープニングを飾ったのは、DANCE EARTH PARTY。
一発目からひたすらピースフル。EX THEATERに陽光を降らせたDANCE EARTH PARTY
元E-girlsのDream Shizuka、EXILEのUSAとTETSUYAの3人によるDANCE EARTH PARTY。「世界中のダンスを踊りたい」というコンセプト通り、彼らのパフォーマンスからは世界と地続きのピースを感じました。音楽とダンスを通して、どこへでも僕らを連れて行ってくれる。音楽の根底にあるのは細分化して以降のEDMですが、(本来の意味における)邦楽を組み合わせるオリジナリティもあります。
DANCE EARTH PARTY – 『POPCORN』
Afrojackとの『To The World』では早い段階でトロピカル・ハウスに挑戦してましたが、『POPCORN』はさらに参照点が多く、ドラムンベースの方法論も取り入れています。この路線は世界でもまだSigala(シガーラ)ぐらいではないでしょうか。これだけワールドワイドな世界観を展開しながら、彼らは「誰も悪くないし、誰も正しくない」と歌ってみせる。彼らがダンスで繋げる世界を、いつの日かこの目で見たいです。
男気溢れるバッドボーイズ、THE RAMPAGE
グループ結成からわずか3年のTHE RAMPAGE。音楽には、少し前のスクリレックスやZeddの影がちらつきます。つまり、ダーティーにしてフレッシュ。それに加えて、これまでのLDH系のアーティストにはなかった「暴力性」のようなものも持っているように思いました。カニエ・ウエストのライブ・パフォーマンス(All Day)にも通ずる迫力。
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE – 『RAMPAGE ALL DAY Introduced by Zeebra』
タイトルにも『ALL DAY』とありますし、何よりこの曲ではジャパニーズ・ヒップホップのレジェンド、Zeebraがイントロダクションを務めています。今日本には何度目かのヒップホップの波が来ていますが、多くのラッパーとは違う仕方で、THE RAMPAGEはヒップホップと向き合っておりますね。様々な要素を組み合わせ、加工し、日本のメインストリームで戦える仕様に変容させている。しかも、16人もいるのにそれぞれが圧倒的な個性を持っています。ダンスで言えば、ロック、ポッピン、ハウスと、それぞれのスタイルに強いメンバーがいます。筆者はダンスに関しては素人も良いとこですが、そんな人間の目から見ても、彼らの個性は輝いておりました。
現行J-POPのシンデレラ、Dream Ami
好きです(唐突)。正直、今回のライブで一番楽しみにしておりました。何でも器用にこなし、多方面に訴求力のあるDream Ami。アーティストとしてのイメージも含めて、なんだかケイティ・ペリーと重なります。Amiもケイティもガーリーな格好がよく似合うし、しなやかだけれど強さを感じるところなんかも共通する。贔屓目抜きにして、彼女は今回の『LIVE DAM STADIUM STAGE』仕様のライブで最も輝いていたのでは。
Dream Ami – 『ドレスを脱いだシンデレラ』
右側のスクリーンには歌詞、左側のスクリーンにはAmi本人の映像。こう見えて歌詞ではギリギリのラインを攻めているわけですが、嫌らしく感じさせないのは彼女の成せる業かなと。歌詞に改めて注目できるのもカラオケの醍醐味ですよね。丁寧に歌われていたことも相まって、いつも以上に『ドレスを脱いだシンデレラ』にはドキドキしてしまいました。MC間に男性客から野太い声で彼女へのラブコールが飛び交ったけれども、気持ちはよく分かる。
EXILE THE SECONDが繋ぐ「過去」と「現在」
この日の大トリを務めた、EXILE THE SECOND。「EXILEの音楽ってどんなの?」と訊いたとき、その答えは世代によって異なるかもしれません。例えば、25歳の筆者は『Carry On』あたりがドンピシャなので、あの時代のEXILEを例に出すでしょう。ファンの間でも区分があり、第1章〜現在の第4章までで明らかにそれぞれの時代を分けて考えています。その中で派生したのがEXILE THE SECONDなわけですが、彼らの音楽はまるで「過去」と「現在」のEXILEの歴史を紐解いているようなのです。
EXILE THE SECOND – 『Summer Lover』
この曲は「原点回帰」の例ですね。王道のハウステンポに、裏で鳴るホーンセクション。まさしく『Carry On』を彷彿する内容です。筆者以上の世代のファンにとっては、「帰ってきた」音像でしょう。しかもこの曲が発表されたのが今年ですから、まさにコレは「今」の彼らなのです。そういう意図があるのかは定かではありませんが、あの時代のEXILEを通過した人間の一人として大いに興奮しています。個人的には、またこの路線の彼らを観たい。
LIVE DAM STADIUM STAGEに見る夢
あらゆる意味を込めて書きますが、夢のあるライブでした。子供の頃に「ステージに立ちたい」という壮大な夢を持っていた人も多いと思います。それが今、限りなくリアルな形で実現されようとしている。たとえそこがカラオケルームだったとしても、僕らだってステージに立てるんです。そして今からこのシステムに触れる子供達は、実際のステージがより近くに感じられるのですね。その子たちにはたくさん歌って、たくさん妄想して、大きな夢を持って欲しい。偉そうなことを言うつもりはないけれど、『LIVE DAM STADIUM STAGE』と未来ある子供達には、かつての夢を託したくなりました。
Text_Yuki Kawaaki
■IT’S YOUR STAGE. presented by LIVE DAM STADIUM
開催日時: 2017年9月7日
開催地: EX THEATER ROPPONGI
<LIVE DAM STADIUM 公式サイト>
http://www.clubdam.com/livedamstadium/
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