長谷川白紙。前衛的な目線でポップを再構築する気鋭の音楽家

毒

1stミニアルバム『草木萌動』収録。
同アルバムにおいて、先に紹介した『草木』に続くのがこの楽曲。1曲目以上に前衛的なアプローチが目立つ怪作だ。ともすればノイズともなりそうな緊張感のあるアンサンブルを、独特の感性で心地よさへと着地させる。彼が早熟の天才と呼ばれる理由はこうした点にあるだろう。

あなただけ

1stフルアルバム『エアにに』収録。
満を持してリリースされたフルアルバムのリードトラックを務める同曲は、長谷川白紙の名刺代わりともなっている1曲。オリジナルのスタイルと圧倒的なポップさが共存するこの楽曲によって、彼に魅了された音楽フリークも少なくないはずだ。緊張と緩和。喧騒と静寂。その世界を構成するさまざまな成分が、長いようで短い4分14秒に詰め込まれている。

砂漠で

1stフルアルバム『エアにに』収録。
同アルバムの4曲目は、ステレオで揺れるエレピの音色が耳に心地良いナンバー。疾走感と流れるようなメロディにより、彼の楽曲のなかでは比較的聴きやすい1曲となっているが、やはりタダでは終わらないのが長谷川白紙の世界である。2コーラス後にはインプロヴィゼーション（即興音楽）的なソロが展開され、物語は終幕へと向かう。

シー・チェンジ

2020年7月にリリース予定の最新アルバム『夢の骨が襲いかかる!』収録。
カバー曲を中心に構成された同アルバムのなかで、唯一のオリジナル楽曲となっているのがこのナンバー。斬新さだけが注目されやすい彼の音楽がしっかりとした下地のうえに成り立っていることを、弾き語りのアレンジがあらためて感じさせてくれる。長谷川白紙の持つ、ボーカリスト・ピアノ弾き・シンガーソングライターとしてのポテンシャルの高さが、同楽曲にはふんだんに散りばめられている。

早熟の天才・長谷川白紙はシーンに何をもたらすのか

弱冠21歳にしてシーン全体から注目される存在となった気鋭の音楽家・長谷川白紙。彼のミュージシャンとしてのキャリアはまだ始まったばかりです。これから先、彼はどんな道を歩み、どんな作品をこの世に産み落としていくのか。長谷川白紙の今後の活躍から目が離せません。

長谷川白紙

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