記憶の海
2019年10月にリリースされた初のフィジカルCD「CLARITY」に収録。
ストリングスやドラム、ギターなど少しずつ増えていく楽器は満ちていく海を彷彿とさせ、透明感溢れる美しいポップソングに仕上がっています。力強くソウルフルな音楽をルーツに持っている遥海としてこの楽曲は、彼女の新境地を切り開いたとも言えるのではないでしょうか。
センチメンタルな歌声が、物語性の純度が高い歌詞を更にドラマチックにしています。
丸の内サディスティック(カバー)
椎名林檎の名曲をアコースティックにカバー。
音域が広く、低音ではかなり低い声が出ているため、R&Bっぽさが感じられる贅沢なアレンジがなされています。余韻をしっかりと残すビブラートも非常に心地良いですね。
抑揚が的確についていて、アタックの強い音を用いたアクセントも歯切れよく、アダルトな雰囲気にグッときます。
FLY
シンプルで全く淀みのない“羽ばたいていける”というメッセージの歌詞は真っ直ぐに届き、まるで温かく頼もしい心の灯火のよう。遥海のルーツでもあるゴスペルクワイヤのアレンジが効いた美しく雄大なサウンドに心を揺さぶられますね。ピアノやストリングスの音も重なり、堂々たるハーモニーを放っています。
音楽番組『CDTVサタデー』の2021年2月のオープニングテーマに抜擢されました。
WEAK
音数が少なく、繊細なサウンドが印象的な楽曲。ポジティブだったり力強さが楽曲にも人間性にもある遥海にとって“弱さ”を見せることはイメージを覆す新鮮さに繋がっています。
ミュージカル『RENT』ではHIVに感染し麻薬にも依存している19歳のストリッパーを演じることになり、演技自体が初体験で不安が大きいことに加え、キャラクターに共感もできず、その際の苦労と自身もコロナに感染し苦しめられ、ミュージカル公演もライブが出来ない状況が重なっていき、「weak」は大切な一曲になっているそうです。
言葉の壁に悪戦苦闘し、懸命に“言葉を歌で伝えること”を考えていったからこそ、言葉を味方につけ、伝えたいメッセージを日本語英語関係なく伝えることを可能にしました。
J-POPの要素が強い楽曲から、本格的なR&B、その成分を含んだロックチューン、さらにはしっとり聴かせるバラードまで様々な楽曲を、磨き抜かれた多彩な表現力を持って歌い上げるシンガー遥海から目が離せません。
SHARE
Written by