文学的な歌詞が人気のGRAPEVINE(グレイプバイン)。ロックバンド界のなかでも、今もっともタフでライブが熱いロックバンドのひとつだ。メインメンバー3人と、サポートメンバーでなる彼らの楽曲は、全員がそれぞれ作曲するものと、バンドセッションによって生み出されたものとの2つが楽しめる。彼らの楽曲の魅力とは何なのだろうか。
メインメンバーとサポートメンバー、全員でメンバー。
ボーカル兼ギターの田中和将、ギターの西川弘剛、ドラムスの亀井亨の3人からなるロックバンドで、現在は2名のサポートメンバーを迎えての活動がメインとなっている彼ら。全員が作曲を行い、作詞は田中が行うが、2006年以降はバンドセッションによって生み出される曲も増えてきており、常に柔軟に変化し続けていることも彼らの人気の秘訣なのかもしれない。その文学的な歌詞は、読書家でもある田中の語彙力によるもので、作家や作品が詞のモチーフになった楽曲も多々あり、好きな作家に坂口安吾や安部公房、阿佐田哲也の名を挙げており古典的な作品を好むようである。2009年からはサポートメンバーである高野と「Permanents」名義での活動も行っている。
高野と金戸、サポートメンバー2人の実力は、折り紙付き。
サポートメンバーである2人の実力は折り紙付きで、他のアーティストとの活動にも参加している。ベースの金戸覚は元WILLIES APPLE、元JOHN BRIEF。B.F.I、FTK&K、寺岡呼人や玉木宏、柳田久美子、門田匡陽などのライブ等でも活動。キーボード兼ギターの高野は、元benzoScoobie Doや小谷美紗子、サニーデイ・サービスなどのライブでサポートメンバーを務め、プロデュース業もこなすなどの幅広い活躍を見せる。正式なメンバーではないが、メンバー曰く「こっちとしては、5人バンドをやっている気分」とし、バンドには欠かせない存在となっているようだ。プロモーション上は3人体制だが、実質としては5人体制のバンド、という認識で良いのだろう。
新しい取り組みを取り入れる、柔軟性が彼らの魅力の一つ。
彼らが影響を受けた音楽としては、アメリカのブルースやファンク、いわゆるブラックミュージックや古典的なロック。特に田中の作曲する楽曲に顕著に影響を感じらるが、今ではセッションでの作曲も多く、「これまであえてやらなかった曲の作りかたなので、今後も自分たちの主流になることはないと思います」といったメンバーのコメントもありつつも、一定の割合でセッションで生み出された楽曲が収録されることとなる。ある意味古臭くて伝統的なサウンドに、セッションによって多方面から音楽を作り上げることで、より深みのある楽曲の制作につながっているのだろう。
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