バンドTシャツ・コレクション
「ヘッドライナーのTシャツ着てる人のスナップ撮りたいですよねー。3組全部コンプリートしたい」というカメラマンの思い付きに始まり、いつのまにか今回のフジロックに出演しないバンドのTシャツを着ている人まで写真に収めていました。いや、つい盛り上がってしまって。やはり、「好きなバンドのTシャツを着る」という行為は、その人の歴史を垣間見せてくれますね。ちなみに、エイフェックス・ツインのTシャツだけ撮れませんでした。
Tシャツの写真とエピソードだけで、着ている人の顔が浮かぶようなアイテム。
初日ヘッドライナーのゴリラズT。イギリスから来たという、背の高いIT企業マン。デイヴ・グロールみたいに屈強なルックスだったので、恐る恐る「写真撮っていい?」と聞いたのですが、快く引き受けてくれました。もう古着屋にでも行かないと売っていない、Chopper KidモデルのTシャツです。
男女問わず一番着られていたのが、ビョークのTシャツ。女性器を模したエキセントリックなデザインから、このかたが着てらっしゃったようなフォトTシャツまで、実にバラエティに富んだラインナップ。ちなみにこちらジャーナル・スタンダードとのコラボ商品です。
同じビョークのTシャツでも、どんなデザインのものを着るかでその人のキャラクターが分かりそうですね。
シンプルでカッコイイですよね。SlowdiveのTシャツ。思い切り日本語で話しかけてしまったのですが、こちらのかたはシンガポールからのお客さんでした。奥さんと一緒にいらしており、夫婦共々Slowdiveが一番の目当てなのだとか。旦那さんは『Alison』をベストソングに挙げておりました。
今回のフジロックでサンダーキャットのTシャツを着ることは、一大決心であったとも言えそうです。何せ彼のライブの時間帯はビョークの真裏。しかもグリーン・ステージ(ビョーク出演)とフィールド・オブ・ヘブン(サンダーキャット出演)の間には相当な距離がありますから、よほど場慣れしていないと両方観ることは不可能なわけです。
このTシャツのかたは泣く泣くビョークを諦めると仰ってました。危うく好きになりそうだった。
渋い。ケルティック・バンドのザ・ポーグスのTシャツを着ていたかたに出会いました。遠目から見ると、日本人かどうか判断できない風貌(日本のかたでした)。それこそアイリッシュ並みに勇ましい髭を蓄え、ウイスキーがすこぶる似合うルックスのナイスミドル。Tシャツについて聞くと、ポーグスが出演した2014年のフジロックの思い出を熱く語ってくれました。「シェイン(Vo.)にサインもらったよ」と目を細めて笑う姿はさながら少年のよう。こんなオジサンになりたい。
The SmithsのバンT。これが好み過ぎたので、開口一番「どこで買ったんすか!?」と食い気味で聞いてしまいました。Tシャツを着ていたのは、アメリカのワシントンから来た男の子。いきなりの質問に半ば困惑しながらも、「実はコレ、ついこの間中野で買ったばかりなんだよね」と答えてくれました。フジロックへは日本の友達と一緒に来たそうで、今回が初参加なんだとか。
「3日間いるけど、今のところThe xxがベストだよな」。ザ・スミス(UK)のTシャツを着て、The xx(UK)を絶賛するアメリカ人。そしてここは苗場。改めて考えると、ものすごいスケール感ですよね。フジロック。
Text_Yuki Kawasaki
Photography_Reiji Yamasaki
■FUJI ROCK FESTIVAL ’17
開催日: 2017年7月28日〜7月30日
開催地: 新潟県湯沢町苗場スキー場
<公式サイト>
http://www.fujirockfestival.com/
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