いわゆる「ラッパー」らしからぬ、リーマンスタイルのエンターテイナー「DOTAMA(ドタマ)」が今、新たな境地を開こうとしている。 たとえば、オンラインRPGのCM「出演」では、歌っているのはいったい誰?の疑問符がネット上を駆け巡った。 顔は知らなくても忘れられない歌声の力に惹かれながら、その答えを求めていきついたPVには、さらなる衝撃が。 DOTAMAの「毒とユーモア」は、きっとクセになる。
音楽の女神ワルキューレは、脱サラ・ラッパー「DOTAMA」に微笑んだのか?
2010年にリリースされた「音楽ワルキューレ」では、低く響くリズムをバックに「音楽不況に殺される」と嘆きながら、音楽の女神ワルキューレに救いを求めていた。同名の1stアルバムを紹介した公式HPでも、「音楽の女神はDOTAMAに微笑むのか!?」と謳っている。七三分けにブロウ型のセルフレーム、白ワイシャツ&ダークスーツのコンビネーションは、今となってはなかなかお目にかかれないコンサバなサラリーマンルック。黙っていれば、ラッパーには絶対見えない。けれど彼は脱サラしてまでラッパーになったワケで、至極当然ですが「黙っている」ハズがないのだ。
フリースタイルバトルで、ライバルたちと切磋琢磨
コラボ系ミニアルバムをリリースする一方で、DOTAMAは「ULTIMATE MC BATTLE」に代表される、ライブのMCバトルに出場し続けている。1対1で繰り広げられるフリースタイルのヒップホップバトルを通して、彼は一級のエンターテイナーとして観客に支持されている。ルックスからは想像できない毒とユーモアが溢れるセリフ回しや、ラッパーとしては珍しい力強く、高く、鋭く「カド」の張った歌声など、多彩な意外性が強い印象を残している。
2015年のライブイベントでは「ディスラップ」対決でみごとに優勝。2016年にはテレビ朝日系列の深夜番組「フリースタイルダンジョン」に出演し、ライバルたちと名勝負を繰り広げている。ソロとしては5年ぶりの2ndアルバム「ニューアルバム」では、満を持して衝撃的なコンセプトを披露。「今度はこっちから音楽不況を殺しに行く」…少しばかり過激なほど前向きに活躍してきたDOTAMAに、どうやら女神はしっかり微笑んでくれたようだ。
「乖離性」のテレビCMで、パフォーマンスを披露
2016年5月半ばから放送されていたオンラインカードバトルRPG「乖離性ミリオンアーサー」のCMでは、吠えるゴジラ!喋るアスカ!!をバックに、15秒間のミニパフォーマンスを披露して話題を呼んだ。「歌っているのは誰ですか? 」といった質問コーナーとともに「やっぱりDOTAMAか!」というコメントも。たったひと言ですが、妙に嬉しそうなニュアンスが感じ取れるあたり、きっと大ファンなのだろう。
3月には、新ジャンルのバンド「FINAL FRASH」を結成。活動を休止していたロックバンド「the telephones(ザ・テレフォンズ)」のベース・コーラス、長島涼平らとともに、斬新なコラボレーション活動をスタートしている。栃木出身の元サラリーマンだったラッパーは、ますますマルチな活動を積極的に展開して、ファンを楽しませてくれそうだ。こうなるとやっぱり期待してしまう…ゴールデンタイムの音楽番組出演、とか。YouTubeの動画紹介に「dotamaがMステでても不思議じゃない」(原文まま)というコメントがあったが…同感である。
そしていよいよまさかの「Mステ」出演…は、あるのか!?
「音楽ワルキューレ2」では、ブリティッシュスーツ姿。整えられた髭面も、なかなかインパクトがあった。一方で、新バンドの楽曲「YEAH」のPVでは、メガホンを握った体育教師らしき人物を怪演している。路線的にはもしかすると、コスプレにかなり執着があるように思える。もしも本当に「出演」を果たしたとしたら、いったいどんな格好で登場してくれるのか。とりたてて確信があるわけでもない曖昧な期待感とともにその瞬間を想像して、ついついほくそ笑んでしまう。DOTAMAの毒とユーモアを過剰に含んだパフォーマンスには、人のココロをHigh!にする、未知の栄養素まで含有されているのかもしれない。
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