インスタへの動画投稿で夢を掴んだダンサーの事例が、シーンを動かす
Instagramって皆さん使ってますか? 世の中では”インスタ映え”というワードが普通に使われるようになって、インスタの投稿に”#(ハッシュタグ)”をつけるだけで、世界中の今を写真で見ることができる時代になりました。
その中で、このインスタを使って、世界的アーティストのクリス・ブラウン(Chris Brown)と繋がったダンサーがいます。
この事例を受けて、ここ数年の日本のダンスシーンでは、SNSを使った動画投稿並びに拡散プロモーションが盛んに行われるようになりました。
今回は、ダンスシーンのカルチャーのひとつになった”動画撮影とSNS投稿”について紹介します。
インスタでクリス・ブラウンと繋がったダンサー DeeとRIEHATA
ダンス界の最強夫婦と言っていいDeeとRIEHATA。本記事を書き進めていく上で重要人物になるダンサーです。
二人の経歴などは下記にインスタのリンクを用意しましたので、そちらを参照ください。
Dee
https://www.instagram.com/dadeeninja/
RIEHATA
https://www.instagram.com/riehata/
EXILEメンバーやAIなど実力派アーティストと交流があり、二人の経歴を合わせると国内外の有名アーティストと仕事で関わっています。正直、ダンサーという枠を超えてダンスアーティストと呼んだ方がしっくりくるくらいカリスマ性を放っているダンサーです。
そんな、彼らがかっこいいと思うアーティストは誰なのか? 筆者は2015年にDeeにインタビューした時に聞いたことがあります。返ってきたアーティスト名は「クリス・ブラウン」。しかし、話はそこで終わらなかったのです。
「実はインスタでクリス・ブラウンの曲でダンスムービーを投稿してたら、本人にフォローされたんです。それ以来、いいねやコメントもくれるようになって・・・」
クリス・ブラウンのバックダンサーをやることが夢のひとつだと語るDeeはこう話を続けました。
「オーディションを受けてバックダンサーになるんじゃなくて、今はSNSの時代なので、こいつどこのダンサーだ? みたいに騒ぎになって呼ばれるって形で実現すると嬉しいです。自分だけじゃなくて仲間も連れていきたい」
確かに彼が素晴らしいダンサーなのは認めますが、そんなこと可能なのか?
筆者は当時そのように思っていましたが、数ヶ月後にあるインスタの投稿がダンスシーンに激震を走らせます。
そう、Deeはクリス・ブラウンと直接会うまでに交友を深め、RIEHATAと子供を連れてクリス・ブラウンの元へ。自宅にも招待され、現地でさらに交友関係を深めたのです。
そして、ついにツアーのフィリピン公演にて夫婦でクリス・ブラウンと共演を果たしました。
出典:YouTube
2016年には、RIEHATAがクリス・ブラウンの指名で『PARTY feat. Usher & Gucci Mane』のミュージックビデオに、RIEHATAと彼女が育てた若手ダンサーを連れて出演。
ダンスシーンだけでなく、冒頭で日本語で喋るシーンなど、MVのキーパーソンとして登場するという破格の扱いを受けています。
出典:YouTube
もはやここまでくるとすごいとか飛び越えて、偉業です。話は冒頭に戻りますが、この流れはインスタの投稿から始まりました。もちろん、DeeとRIEHATAの実力と経歴ありきで実現したことですが、やはり自分の力を世界に発信することがいかに重要かがわかります。
この事例をキッカケに、今ダンスシーンではインスタを筆頭としたSNSで、自身のコレオグラフ作品を投稿するダンサーが増えました。
特に、10代20代は効果的にSNSをプロモーションに使っています。なかにはインフルエンサー的存在になっていたり、ファンを意識した目線を早くから身につけているダンサーも多いです。
他にもある! SNSや動画投稿で世界と繋がったアーティスト
SNSにダンス動画を投稿して世界と繋がるというシーンの事例のパイオニアとして、DeeとRIEHATAを紹介しました。
他にも”動画撮影とSNS投稿”によって成功した例がありますので、いくつか紹介します。
菅原小春
出典:YouTube
ダンスをあまり知らない人でも、菅原小春を知っている人は多いのではないでしょうか。彼女もSNSで爆発的に人生が変わったアーティストの一人です。
その昔、国内のダンスコンテストシーンでは有名でしたが、世界ではまだ無名だった菅原小春。渡米してダンスレッスンを受けた時に、友人に自分の動画を見せたところ、絶対にSNSに載せた方がいいと言われ、その通りにしたら世界から想像を超える大反響があったようです。それ以来、海外からオファーが多数来るようになり、今の実績に結びついたというエピソードがあります。
ピコ太郎 『PPAP』
出典:YouTube
PPAPの大ブレイクはみなさんご存知でしょう。ブームは日本を飛び越えて世界中に広がり、世界的大ブームを生み出しました。
そのキッカケになったのが、あの世界的有名アーティストのSNSでのコメントです。
あのジャスティン・ビーバーが、自身のTwitterでPPAPを大絶賛。このツイートが火種になり、ピコ太郎は一躍時の人になりました。
何が、どのような形で注目を浴びるか分からない。そんなビッグドリームをSNSは実現してくれる可能性があります。
ジャスティン・ビーバー
出典:YouTube
ジャスティン・ビーバーの話が出たので紹介します。彼も動画で夢を掴んだアーティストです。
12歳の時から、地元の歌手コンペティションに出場し、自分が歌う曲をYouTubeで公開するように。その動画が現在のマネージャーに発見され、プロアーティストとしての道が切り開かれました。
ダンスシーンでいえば、アメリカは結構前から動画撮影が主流で、スタジオで踊った後にお気に入りのダンサーと一緒に動画を撮影して、SNSで公開したりなど、盛んに行っています。
日本でも、ジャズ系のダンサーは自身の作品を動画投稿していましたが、SNSをうまく活用しているかと言われたら、やはりアメリカには何歩も後ろを行く状態でした。
今回、今のダンスシーンのカルチャーのひとつとして”動画撮影とSNS投稿”について紹介しました。
これは別に海外のアーティストだけでなく、日本の企業と繋がりたい場合にも同じことが言えます。今や音楽関係だけでなく、一般企業もCMやイベントなどのプロモーションでダンスやダンサーを多く起用する時代です。
企業がダンサーを探す時、まず使うのがインターネットですし、依頼したいダンサーのダンスや人間性を知りたい時にサーチするのがYouTubeやSNSになってきます。フリーランスでアートな仕事をする場合、自分のSNSで動画を投稿することは、自分の実力を世界にアピールする絶好のツールになるでしょう。
しかし、気をつけなければいけないこともあります。
世界に発信されることを意識して
「使用する楽曲」「衣装」「海外の歴史や情勢」
の3つは最低限考慮しないといけません。
海外の楽曲には、セックス、差別表現、反社会的な言葉などが歌詞に入っている場合が多々あります。音がかっこいいからといって、歌詞の意味を知らずに振付動画を投稿してしまうと思わぬ反感をもらう可能性もあるでしょう。
せっかく作った大作が”世界に日本の恥を晒した”という悲しい結果にならないためにも、以上の3つを意識して、必要であれば言葉や歴史を勉強することをおすすめします。
世界にアピールできる反面、リスクもありますが、ローコストでハイリターンを期待できるプロモーションツールなので、ダンサーだけでなくアートに生きる方々は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
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