2月某日、5人組バンド「FAITH」のボーカル、Akari Dritschler(アカリ・ドリチュラー)と、シンガーソングライターの足立佳奈(あだち・かな)、シンガー/ラッパーの吉田凜音(よしだ・りんね)の同世代3名による、スペシャルなフォトシュート企画が実現した。
テーマは「20歳」、人としても音楽家としても成長していく3人の、今しかない姿と言葉を捉えたものだ。それぞれのキャラクターはもちろん、ロック、ポップス、ヒップホップと、それぞれ異なるフィールドで活躍する3人だが、大人と子供の狭間で輝く彼女達にはどこか共鳴するところがあるはず。「大人」への眼差しと、これから達成したいことを、それぞれに語ってもらった、この日の記録を前編・後編に分けてお届けします。
Photography_Kyoko Asano
Hair&Make_Hitomi Ando
Styling_Kazuki Abe
Interview&Text_Ryutaro Kuroda
Edit_Miwo Tsuji
アカリ・ドリチュラーの『20歳』
――「20歳」になった今、心境の変化などはありますか?
Akari Dritschler(アカリ ドリチュラー / 以下:アカリ) : 10代の頃の私は、本当にやりたい事を最優先して、自分の欲望にまっすぐでした。でも、それができたのも、家族や身近な人たちがたくさん支えてくれたから。きっと周りに、苦しい思いもさせていたかもしれない。20歳になって、そう気づいた時、これからはそうもいかないだろうなって。自分の発言も行動も、大人の一員として見られるっていうことを意識するようになりました。当たり前ですけど、中には自分と意見が合わなかったり、否定してくる人もいるかも。でもそれを気にしすぎないことも「大人になる」っていうことなのかなって思うんです。
――気にしすぎずに、受け流していくことも、大人は必要ということ?
アカリ : “大人は”というか、私の場合、今までは周りが優しすぎたんだなと(笑)。ずっと近くで見てきてくれた人たちは私という人間を理解してくれているから、「アカリはこうだもんね」って受け入れてくれていたけれど、会って間もない人にはもちろん分からないはずだし、きっと違う意見を持つ人もいるはず。そういう時に、イラつくんじゃなくて、そういう人もいるんだっていうことを受け入れられるようになりたいなと思っています。
FAITH – 19 (Official Lyric Video)
――1月にリリースされたアルバム「Capture it」に収録されている「19」では、今お話ししていたような内容が歌われていますよね。
アカリ : そうですね。「19」は、ちょうど19歳の時に書いた曲なんですけど、自分に対して言い聞かせているような曲でもあるんです。去年のGWくらいに、親戚のいるアメリカへ遊びに行って、そこで出会った人たちの周りを気にせず自分の道を堂々と突き進むような生き方に、すごく影響を受けたんですよね。元々私は、この人にこう思われたら嫌だなとか、そういう事ばかり気にして生きてきたタイプだったので、彼らのありのままの姿に憧れて。そんな考え方になりたいという意味で作った曲です。
――10代の頃に思い描いていた、「大人」と「現在」の差はありますか?
アカリ : 「大人」になったら、自分で使えるお金が増えたり、親元から離れて自由に暮らしたり、やりたいことを全部できるような気がしていました。欲しいものも全部買って、好きな家に住んで、好きなだけ遊びに行って、仕事も好きなことができるようなイメージだったんです(笑)。でも現実は違いますね。仕事は、もちろん好きなことをできているんですけど、生活は思い描いていた理想とはまだまだかけ離れています(笑)。「自由」というよりも「現実」を実感した感じですね。ただ、長野から上京して一人暮らしをしてみて、今の自分の家が、落ち着ける大好きな場所になりました。
――これから先、どんなミュージシャンに変化していきたいですか?
アカリ : これから経験する色々なことによって、自分自身の考え方も変わっていくと思うので、常に「変化」していきたいですね。それと、筋が通っている人でありたい。自分が正しいと思ったことを、歌でも言葉でも素直に発信していきたいと思います。それを聞いてくれた人がどう捉えるかは自由だけど、少しでも「こういう生き方もあるんだ」とか「こういう考え方があってもいいんだ」って思ってもらえるような、誰かの背中を押せるようなミュージシャンになりたいなと思っています。
――アカリさん自身も、「音楽」からそういうメッセージを受け取っていましたか?
アカリ : 私はずっと洋楽を聴いて育ってきたのですが、洋楽の歌詞がすごく好きで。ロマンチックな表現や比喩が多くて、憧れもすごくたくさんありました。FAITHの曲は英詞だけど、いつも歌詞の対訳は自分で書くようにしていて。私たちの曲を聴いて、同じような気持ちになってくれる人がいたら嬉しいですね。
――今後、音楽活動以外で、新しく挑戦したいことは?
アカリ : 今日のように、メイクをしてもらうことは、すごく大好きなんですけど、いつか、これを私が誰かやってあげてみたい!! 周りの友達も、ライブに来てくれるファンの方も、本当に可愛い方ばっかりなんですよ……!! そんな可愛いみんなを、私がプロデュースして、何か作品を作りたいな、という、ひそかな憧れがあります(笑)。
アカリ・ドリチュラー(Akari Dritschler) from FAITH
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https://twitter.com/AkariDritschlerFAITH公式サイト
http://www.office-augusta.com/faith/
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