24時のダンス・ミュージック。DATSが繋ぐ「アングラ」と「ポップ」。
6月7日にレーベル移籍後初となるアルバム『Application』をリリースする、 DATS。人々が深夜テンションに突入するであろう時間帯に、彼らの音楽は大変効く。『Mobile』の妖しげな4つ打ちに、フロアの人間は抗いようもなく体を揺らしてしまうだろう。実験的でありながらも、敷居の高さを感じない。
DATS – 『Mobile』
一昨年あたりから、「アンダーグラウンドとメインストリームの垣根がなくなった」なんて話を聞くようになった。その代表例として誰を思い浮かべるだろう?メインストリーム側から見ればカニエ・ウエストがそうだろうか?アングラ側ではやはりジェイムス・ブレイクだろうか。ボン・イヴェールもそうかもしれない。DATSも間違いなくこの流れの中にいる。これは先ほど向井太一のパートでも述べたが、この世代独特の感性によるところが大きいだろう。ジャンルにもプライオリティーを置いてないが、「アンダーグラウンドかメインストリームか」という音楽のポジショニングにもさほど興味がない。ちなみに以下は、レーベルを移籍する前のDATSである。
DATS – 『Candy girl』
テッペンを超えた後に。午前1時の芳醇なWONKの音色。
闇が深くなってきた。この時間になると終電もほぼ走っていないだろう。この時間帯では、「内緒にしておきたい音」を聴きたい。オールナイトのイベントが独特の熱を帯びてくるのは大体このへんからだ。深みと独特の色気があるWONKの音楽はきっとハマるだろう。複雑なリズムが印象的な『1914』も、この時間にピタリとくる。
WONK – 『1914』
ロバート・グラスパーやディアンジェロがそうであるように、ある程度の知識を要する音楽というのは、リスナーを深淵まで連れて行く魔力がある。「ある曲を夜中に聴き始めたらいつの間にか朝だった」という経験、ありはしないだろうか? WONKもその手のミュージシャンだと思う。『Feelin’ You(Y.N.K.)』や『Over』は、真夜中の僕らの五感を研ぎ澄ませる。
WONK – 『Feelin’ You(Y.N.K.)』
午前2時のPAELLAS。闇に染まったフロアで輝く妖艶な音。
思考力も落ちてきた頃だ。そういうコンディションを許容しつつ、しっかりオーディエンスに寄り添ってくれるアーティストが存在する。PAELLASが良い例だ。無駄な音を一切合切削ぎ落とし、程よい緊張感で僕らの耳を刺激する。それでいてリラクシング。一見矛盾するようだが、とりあえず『Fire』を聴いてほしい。
PAELLAS – 『Fire』
その名の通りだが、『Night Drive』なんてまさにおあつらえ向きだ。夜の街に溶けて行きそうなMATTON(Vo.)の歌声と、セクシーだが猥雑さを感じさせないANAN(Gt.)のカッティング。夜の空気をふんだんに吸い込んだフロアで映えること請け合いである。重めのビートと80’s感のあるシンセが特徴の『Anan』なんかも、心地よい酩酊感を得られそうだ。
PAELLAS – 『Night Drive』
さて、最後に念のためもう一度申し上げたい。あくまで僕の願望と偏見に満ちた「仮想タイムテーブル」なので、後に運営側から発表されるタイムテーブルと必ずしも一致しないものであります。ご了承ください。
※オールナイト公演につき、20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参ください。
■Song For Future Generation
open 20:00 start 21:00 close 27:00
ADV / DOOR ¥1,500(税込・ドリンクチャージ別) / –
LINE UP:
odol, PAELLAS, 向井太一, WONK, DATS, DJ:TOMMY(BOY)
<関連リンク>
http://www.liquidroom.net/schedule/20170512/33706/
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