『AMY SAID エイミー・セッド』舞台挨拶にて
今回の舞台挨拶には、『AMY SAID エイミー・セッド』で監督を務めた村本大志、戸倉五郎役の村上淳、主題歌を書き下ろした大橋トリオが登場。そして挨拶の後半には、村上淳が見い出した現役女子高生シンガーの岸辺紗采(きしべ さあや)も参加し、総勢4人が壇上に揃いました。そこで語られたのは、映画に対する愛情と想い。
「長く役者をやっていますけど、僕もまだ自分の夢を持っていたり、諦めきれないことがあります」という村上淳の言葉が印象に残っています。この言葉から見えてくるのって、まさに本作で葛藤する大人の姿そのものですよね。大人になったところで、一生をかけても良いと思えるぐらい好きになったものは忘れられないし、いつだって心のどこかで現在進行中でもある。
主演の三浦誠己演じる朝田圭一は、かつては将来を渇望された学生映画監督でした。そして村本監督も、大学生の頃から映画監督を志していた経歴があります。本人の口から直接語られることはありませんでしたが、本作にはきっと監督自身のパーソナルな部分も反映されていたと思います。
で、舞台挨拶後半。主題歌の『AMY SAID』が生演奏されるのですが、主役は大橋トリオではなく女子高生シンガーの岸辺紗采。
今回、大橋トリオはサポート役に徹し、やや緊張気味の彼女を優しいギターの音色で支えていました。
ハスキーだけれども、繊細なヴォーカル。トークでは高校生らしい純朴なキャラクターを感じさせましたが、鳴らす音は早熟でした。まだ16歳ながら、ギターを持つ姿は様になっているし、何より大橋トリオのような実力派とデュオを組んでも物怖じしません。音楽性の変化も含め、今後が楽しみなシンガーです。
舞台挨拶後のサイン会で。
サイン会の盛況ぶりは、先述した通りであります。テアトル新宿の建物の外まで列が続き、各々自分の番を待つ。
『AMY SAID エイミー・セッド』を他の人と共有できたことが嬉しかったです。大人になると色々なモノを諦めなければいけなくて、最近では好きな映画を観ることもそれに含まれてしまっているような気がしておりました。それでも、本作は大人になってから好きなコトやモノを追いかけることを肯定してくれたのです。もっと映画を観たくなって、もっと好きなコトに情熱を注ぎたくなりました。
日曜日の夜だったけれど、帰りの足取りは軽かった。
岸辺紗采 -『AMY SAID』
Photography_Reiji Yamasaki
Text_Yuki Kawasaki
■『AMY SAID エイミー・セッド』
2017年9月30日(土)、テアトル新宿ほか全国順次公開
配給: ディケイド
<映画特設ページ>
http://amy-said.com/
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