夏の手前、短い春のまっただなかです。あったかい春の光に照らされて僕らは家の外への意識が高まります。BBQ、キャンプ、街中のデート、そろそろフェスも始まりますね。歩きながら、電車に揺られながら、バスから景色を眺めながら、クルマでドライブしながら。いろんな「移動」のときにこんな音楽があったら最高。
そんなMOVEなキブンをアゲてくれる「移動する音楽」を紹介してくれるのは“特撮を愛し、特撮を奏で、特撮を広める”をテーマに往年の特撮文化を未来に伝える北斗ヒョウリ(科楽特奏隊)さんのMIXTAPEです。

ジ・エコーズ『ULTRA7』

今年は『ウルトラセブン』放送50周年！ということでまずはウルトラセブンの歌。といってもこの曲は、セブ〜ンセブ〜ンセブ〜ン…で有名なあの曲ではなく、劇中で流れる挿入歌。英語詞で、子供向け番組の挿入歌とは思えない洒落た曲。これを聴きながら運転すれば、ウルトラ警備隊の車両・ポインターを運転してる気になれる！

伊福部 昭『宇宙大戦争マーチ』

ゴジラをはじめとする東宝の特撮映画の音楽を生んだ伊福部昭による『宇宙大戦争』のテーマ曲。昨年は、『シン・ゴジラ』のクライマックスシーンに使用され、一躍スターダムにのしあがったこの曲は超クール。電車に乗ってる時にこれを聴けば、ゴジラに向かって突っ込んでいく在来線の気持ちがわかる！

川村栄二『五星戦隊ダイレンジャー』

93年放送のスーパー戦隊シリーズ『五星戦隊ダイレンジャー』のオープニング曲。当時の「格闘」「気功」ブームをテーマにした中国風の異色な戦隊ヒーローで、アクションがひと際鮮やかなのも魅力で、子供時代に夢中になった。この曲も無国籍風エレクトロファンクという変わり種で、聴けば行進する五星獣が目の前に浮かぶ！

『ワンダバ(帰ってきたウルトラマン)』

ウルトラマンシリーズで歴代防衛チームが出動する時にかかる音楽は、「ワンダバダバダバ」というコーラスから「ワンダバ」と呼ばれている。実際のところ、この「ワンダバ」という歌詞は実は意味がないのだが、しかしこの曲を聴くと、地球の危機のため出動する戦士の背中が浮かんで、無条件にグッと来てしまうのが特撮ファンという生き物なのだ！

『かえせ！太陽を(ゴジラ対ヘドラ)』

ゴジラシリーズ最大の異色作『ゴジラ対ヘドラ』(1971)に登場するサイケデリックナンバー。この作品で、ゴジラと対峙するのは当時問題になっていた公害が生んだ怪獣ヘドラ。ゴジラ自身も、水爆の影響で生まれた怪獣だ。怪獣たちは人間の影から生まれてくる。惜しくも亡くなった坂野義光監督が作詞したこの曲の「かえせ！かえせ！」のコーラスを聴くと、流れ行く空に、失われた怪獣たちの姿が浮かぶ。