「ダークサイド」って聞こえはだいぶ暗いイメージ。でも日々生きていれば悲しいこととか切ないこと、ちょっと独りになりたいこととか考え事したいこととか、もちろん落ち込むこととかあるのは当たり前。そんな時、そっとそばにいて寄り添ってくれる音楽を「ダークサイドな音楽」と呼ぶことにします。そうして気がついたらまた、明日に向かっている自分に気がつくのかもしれません。そんなダークサイドな音楽を紹介してくれるのは、青森県弘前市出身のラッパーであり、作詞家、コラムニストなどの顔も持つこの人。MC BATTLEにおける性格の悪さには定評があり、優勝経験の少なさの割には高い知名度を誇っているハハノシキュウのMIXTAPEです。
安本彩花『またあえるかな』
どうしても受け入れられない別れがあって「きっとこれは絵空事なんだ」と言い聞かせて過ごしていました。だけど、頭では現実として受け止めないといけないってわかっていたんです。
そんな時、一番最初に浮かんだ曲がこれでした。自分の感情の底まで深く潜って、その真っ暗闇から自力で這い出る必要がある。わかってました。
現実を真摯に受け止めるための第一歩、この曲を聴いてこの別れが本当の別れなのだとようやく向き合うことが出来ました。
リリイ・シュシュ『グライド』
ダークサイドに堕ちる瞬間で、一番ポピュラーのものは後味の悪い映画の挿入歌を聴いた時だと僕は思う。
これは映画「リリイ・シュシュのすべて」の挿入歌。
曲よりも先に映画のイメージが先行するため、歌い出しが耳に触れた瞬間に物語が一瞬でフラッシュバックする。
そして、この映画が僕はたまらなく好きだ。
ART-SCHOOL『MISS WORLD』
中学生の時に初めてジャケ買いしたART-SCHOOL。
ちょうどそのタイミングで「最終兵器彼女」の最終巻を読んでいたため、歌詞がセカイとリンクして最終話の途方も無い気持ちを再発させるトリガーになってしまった。
MANNA『でてこいとびきりZENKAIパワー!』
アニメ版ドラゴンボールのエンディングテーマです。なんかわかんないけど怖い。
人が死んだら完全な無になるという状況を想像した時に胸が詰まる感じに似てる。
「でてこいとびきりZENKAIパワー!」とグーグルで検索したら横に「怖い」って表示されたので「ああ、みんなも同じ気持ちだったんだ」と思いました。
堂本剛『ひとりじゃない』
人によって、世代によって違うだろうけど、僕の場合はノスタルジックによる闇堕ちはこのイントロから始まる。
『金田一少年の事件簿』が終わって『夜もヒッパレ!』が始まったあたりで、親から「早く寝ろ」と言われるあの感じだ。
コトリンゴ『悲しくてやりきれない』
映画『この世界の片隅に』の主題歌です。映画の評判とは比例せず、のん(能年玲奈)が番宣などで表舞台に出て来れないことが、悲しくてやりきれない。
渋谷慶一郎『for maria』
渋谷慶一郎が亡くなった奥様に捧げた一曲。
自分の妻が死んだら僕はこの先、生活出来るんだろうか?洗濯物を畳んだりとか出来るんだろうか?とか想像して堕ちる。
ARI1010 『君の名は』
あの一世を風靡した映画と同じタイトルですが、こっちの方が先です。
個人的に「ヱヴァンゲリヲン」と「AIR」がHIPHOPに乗って同時に襲ってくるような曲です。
そして、この人が僕はたまらなく好きだ。
中島らも『いいんだぜ(無修正版)』
小説家、エッセイストの中島らもが歌う一曲。
堕ちる曲というよりはとことん堕ちたところから、なんとかギリギリで救済してもらえる曲。
優しい人間になりたいと思える。優しい人間になれない気もする。
175R『空に唄えば』
いつもカラオケでこれを歌う奴とはウマが合わない。
PROFILE
ハハノシキュウ
【出演情報】
SHARE
Written by