まじめなアイドル、まじめにアイドル。寺嶋由芙を構成する10のコト

寺嶋由芙

9「宣伝会議」——新曲のキャッチコピーを自分で考案

――続いて「宣伝会議」について。寺嶋さんは現在「コピーライター養成講座」に通っているとか。

寺嶋 : アイドルが好きな人以外にも発信していきたいと思っているんです。「この子の書く文章が好きで気になってたけど、アイドルもやってるんだ！」と思って歌を聞いてもらえたら良いなと思って。そんな風にファンになってくれた人とは、長く付き合っていける気がするんですよね。

あとは「コピーライター養成講座」のポスターに出たくて……（笑）。今はまだ出られていませんが、講座の課題で出したキャッチコピーが雑誌の『ブレーン』に載ったり、「AdverTimes（アドタイ）」で体験記を書かせてもらったり、なかなかアイドルをやっているだけではできない経験をさせてもらっています。アイドルではない自分も認めてもらえたようでうれしいですね。

――この経験をもとに、9月18日リリースの「恋の大三角関係」CMのコピーも寺嶋さんが書かれたんですよね。

寺嶋由芙「恋の大三角関係」CM

寺嶋 : はい。「本気の恋は、丸くなんかおさまらない」というコピーを提案しました！　三角関係をテーマにした曲で、MVに合わせて80年代の清涼飲料水のCMっぽい雰囲気で作るので、その二つの条件をクリアしたものになるよう、自分で考えて。

コピーを書く時に必要なのは言葉遊びだけじゃなくて、「どうやったらその課題が解決できるか」を考えることなんです。今、養成講座ではその考え方の根本を習っている気がします。これをもとに、自分が活動していく上での課題も、誰か困っている人の悩みも解決できる人になりたいなと思っています。

――最近はアイドルのセカンドキャリアということもよく言われます。寺嶋さんも、アイドルからコピーライターに転身したり……？

寺嶋 : うーん、アイドルができなくなった後のことを考えているというよりは、アイドルとして活動を続けるために色々やっているという感じです。

思いを持ってアイドルを引退する方もたくさんいるけど、アイドルをやったままできることもいっぱいあるんじゃないかな？って私は思うので。アイドルのままたくさんのことに挑戦して、「色んなところで名前を見るけど、この子アイドルだったんだね」と思ってもらえるのが目標です。

10「Pop’n’Roll」——アイドル業界を盛り上げていくため、編集長として奮闘

――最後はウェブメディア「Pop’n’Roll」について。これはどんな経緯で編集長を務めることになったのでしょう？

寺嶋 : 立ち上げのタイミングで、「編集長をやってください」とお話をいただいたんです。芸能人が立場だけ編集長を務めるケースも多いと思うけど、立ち上げの会議にも参加して、毎月のアクセス数やSNSからの流入も見せてもらって、がっつり関わっています。

「Pop’n’Roll」は2018年にオープンしたメディアなんですけど、「アイドル業界、そろそろ下火なんじゃない？」と言われることも多くて。そんな中だからこそ、「まだまだこんなに楽しいことやってますよ！」ということをきちんと外に伝えながら、アイドルオタクを応援できるメディアにしたいと思っていました。

Pop’n’Roll
https://popnroll.tv/

――オープンから1年ほど経ちますが、やってみていかがですか？

寺嶋 : 去年はまだ誰もメディアを知らなくて、イベントでアイドルの事務所の方にビラや名刺を配っていたのが、最近はオタクから「僕の推しを取り上げてください」って言われるまでに成長したんです！　メディアとして認めてもらえたようですごくうれしいです。

メディアの中で、私はアイドルに関わる企業を訪問してインタビューをしています。そうやってアイドルの外側にいる人とも話をして、活動の幅を広げています。寺嶋由芙というアイドルを知ってもらう目的もありますし、「アイドルがこんなこともやっているんだ」っていう現象としても知ってもらいたいという気持ちでやっていますね。

――では、そんな「Pop’n’Roll」編集長から見て、令和時代のアイドルはどうなっていくと思いますか？

寺嶋 : 令和はソロアイドルがきます！……と言っているんですけど、今のところその気配はないんですよね（笑）。でも、アイドルを推している人の熱量はやっぱり今も変わらずすごいです。新しいアイドルも日々誕生していますしね。今はそういう盛り上がりが見えづらくなっている状況なのかなと思うので、私自身が色々な場に出ていったり、「Pop’n’Roll」というメディアを使ったりして、アイドル好きをもっともっと増やしていきたいですね。

――ありがとうございます。では最後に、ニューシングル『恋の大三角関係』についても一言お願いします！

寺嶋 : この曲は「抱いてセニョリータ」や「青春アミーゴ」を作詞したzoppさんという方に詞を書いていただいて、すごく面白い歌詞になりました。メロディも疾走感があってノリノリだし、ぜひ色んな方に聞いていただきたいです。ありがとうございました！