4「サンリオ」——可愛いのに、世界観の中心に「知恵」がある
――ゆるキャラと一言で言っても、見るポイントがたくさんありますね! いくらでも語ってもらえそうですが、次に行きましょう。続いて「サンリオ」です。サンリオキャラにも推しはいるんですか?
寺嶋 : ポムポムプリン推しです。プリンはいつも中央にいるキティちゃんやマイメロディの横で、間抜けなことをしていることが多いんですよ。いわばボケ担当なんですけど、そんな立ち位置でも堂々としていて好きです。アイドルはセンターにいそうな王道が好きなのに、キャラクターではなぜか変な子が好きなんですよね。
――サンリオの世界観はどんなところが魅力でしょうか。
寺嶋 : サンリオピューロランドによく行くんですけど、ピューロランドの中央には「知恵の木」という、サンリオのキャラクターたちが何より大切にしている大きなモニュメントがあるんです。あんなにかわいい世界観なのに、真ん中にあるのが「知恵」っていうのがすごいなって。知恵がないと誰かに優しくできないし、かわいいも作れない……そのメッセージが伝わってきて好きですね。
ピューロランドは子どもたちが行く場所だと思われているけど、大人が行っても泣いちゃうくらいの深いメッセージがあるんです。基本的には「みんな友達だよ」っていうわかりやすいメッセージなんだけど、その純度が本当に高すぎて……パレードを見るたび心が浄化されて泣いてます。
サンリオ×ディアステージ(寺嶋由芙の所属事務所)コラボのイベントを実施したり、寺嶋由芙×ポムポムプリンのコラボグッズ展開も
5「加茂啓太郎」——名だたるアーティストを発掘したプロデューサーとの出会い
――サンリオは寺嶋さんがアイドルとして表現に携わる中でも、たくさん影響を与えていそうですね。続いて、その楽曲をプロデュースしている加茂啓太郎さんについて。ウルフルズ、氣志團、ナンバーガールなどを発掘したプロデューサーですが、寺嶋さんとの出会いのきっかけは?
寺嶋 : 最初は、私がグループで活動していた時に握手会に来てくれたんです。私は加茂さんのことを知らなかったけど、スタッフの方が「あそこに並んでる人、すごい人だから」って教えてくれて。その時はあまり話せなかったんですが、台湾のゆるキャラの置物をもらいました(笑)。
後から聞いたんですけど、当時の加茂さんはアイドルに注目していて、色んな現場に通っていたみたいなんですね。台湾のゆるキャラも、でんぱ組.incさんの台湾ツアーに行ったおみやげらしいです。
――台湾ツアーにまで足を運んでいたんですね……!
寺嶋 : 「ふつうにオタクじゃん!」って思いました(笑)。それで、私がそのグループをやめてフリーになっていたときに再びお会いする機会があって。これからのことについて相談したら、「今度の僕のイベントに出なよ」「曲がないなら作るよ」ってとんとん拍子に進めてくれたんです。ある意味、加茂さんがやりたいアイドル像を実現するための実験台として拾ってもらったのかも(笑)。
加茂さんには「良いアイドルには良い作家がついていないといけない」という考え方があったそうです。だから私はデビュー当時、rionosちゃんっていう作家さんの曲をよく歌っていました。
ソロデビューシングル「#ゆーふらいと」もrionosちゃん作曲、加茂さんプロデュースの曲。もともとは「サクラノート」って曲だったんですが、これだと桜の季節しか歌えなくて、持ち曲が少ないのにそれはまずいと言って歌詞を変えました。そして、新しい歌詞を書いてくれたのが、当時加茂さんがハマっていた元でんぱ組.incの夢眠ねむさん。当時の加茂さん、本当に楽しそうに仕事してました(笑)。
――(笑)。でも、その後はでんぱ組.incと同じディアステージに寺嶋さんも所属することになったり、色々と縁がつながっていますよね。
SHARE
Written by