シンガーソングライターJQをリーダーとして結成されたNulbarich。ソウル、ファンク、アシッドジャズなどをベースにした音楽性が特徴のポップロックバンドだ。
去年1stアルバム『Guess Who?』をリリースするや否や<タワレコメン>の2016年年間チャート6位を獲得。さらに、音楽番組『バズリズム』の「コレはバズるぞ2017年」にもトップ5入りを果たした大型新人バンド。そんな彼らが5月24日に1stEP『Who We Are』をリリースした
ということで、JQに直撃した。彼らは一体何者なのか?
なんとなく、ずっと音楽にふれてきましたね
――今回はNulbarichだけでなく、JQさんについてもお話しを聞ければと思ってます。
JQ : よろしくお願いします。
――まずは、JQさんの音楽経歴を教えてください。
JQ : 4歳の頃にピアノを始めたのが、音楽にふれたきっかけですね。で、小学生になって吹奏楽で打楽器を叩いて。中学生になったら学園祭で友達とバンドを組んで。高校生でもバンドを組んでって……なんとなく、ずっと音楽にふれてきましたね。
――本格的に音楽活動を始めたのは高校卒業後?
JQ : そうですね。最初はシンガーソングライターから始めて、音楽作家、トラックメイカーの活動を経て……今に至ります。
――曲作りのスキルはどこで身につけたんですか?
JQ : 小さい頃から習っていたピアノの影響が大きいですね。パソコンで作る音楽は、ピアノさえ弾ければ大体なんとかなるので。
――じゃあ楽器は使わずに、パソコンで曲作りをしていたんですね。
JQ : はい。パソコンを使って作曲するようになったのは、HIPHOPに出会ったのが大きいですね。1章節をループしたトラックに、みんながラップを乗せるだけの曲が作品としてリリースされていることに驚いて。それから、MPC(※1)を買ってサンプリングをするようになったのがDTM(※2)の始まり。
※1 MPC=Media Player Classic。メディアプレイヤーソフト。
※2 DTM=Desk Top Music。パソコンと電子楽器を接続して演奏する音楽や制作の総称。
――HIPHOPは何を聴いてたんですか?
JQ : 主にクラブでかかっていた曲を聴いてて……フージーズ、デ・ラ・ソウル、ファーサイドとか90年代のHIPHOPが多かったですかね。
――どこのクラブに行ってたんですか?
JQ : ジャジー・HIPHOPが好きだったので、DMRのレコードバッグを持ってオルガンバーに入り浸ってました。
――どのような経緯でバンドを結成したんでしょうか?
JQ : 元々、作家活動はしっかり曲を作れるようになろうと思って、修行のつもりで始めたんですね。それで、ソングライティング力もボーカル力もある程度、表現できるようになったので、「そろそろバンド組もうかな」と。それが2015年の末頃。
――そのバンドがNulbarich。
JQ : はい、メンバーは僕と仲の良い友人を集めました。
――バンドを作る時にコンセプトは決めてたんですか?
JQ : ん〜……特にないんですよね。
――プロフィールを読むと、メンバーを固定しないって書いてますね。
JQ : とは言っても、実は固定してます。「11月のワンマンの時は全員で出たいね」って言ってますけど。
――じゃあ、全員が出ないライブもあるんですか?
JQ : フェスとか対バンは主にフルメンバーではなくて5〜6人で演奏してます。それは、スケジュールなど色んな事情がありますね。
その人の人生の中に、その音楽がいたかどうか
――1stアルバム『Guess Who?』 はリリースしてわずか3ヶ月で<タワレコメン>の2016年年間チャート6位に選ばれて。僕も買おうと思ってお店に行ったら、売り切れで「マジか!」って驚いたんですよね。JQさん自身、そこまでの反響は予想してました?
JQ : 全くしてないですね。というか、あんまり注目されている実感がなくて。今年ワンマンやった時に「こんなに人が集まるんだ」って驚いたぐらいです。
――バンドの強みってなんだと思います?
JQ : え……顔を隠してるところじゃないですか?(笑)
――もっと、ありそうですけど(笑)。
JQ : バンドのビジュアルを見せないことで、楽曲がすんなり入ってくるのが強みなのかなって思います。「曲は良いけど見た目がタイプじゃない」って理由で聴かなくなるケースもあるじゃないですか。
――じゃあ、曲以外で余計な情報や先入観を与えないようにしたのが大きいと。
JQ : そうですね。
――だけどPVは公開してますよね?
JQ : 今は音楽を届けるために、映像って必要不可欠ですからね。僕らのPVは物語性をあまり重視しないようにしてます。映像に意味をつけちゃうと「ああ、こういう曲か」って聴いてくれる人に無理やりイメージを植え付けることになるから、それはナンセンスだなと思うんですよ。
――なるほど。
JQ : 「これを失恋した時に聴いてね」とか「これを聴いたら元気なるよ」っていう処方箋みたいなアプローチは自分に向かないなと思って。僕が生きてきた中で、音楽と触れ合っているタイミングって、生活している時にたまたま流れていた曲が、思い出の曲になってる。例えば自分の失恋ソングって、好きな人と過ごしていた時に聴いていた音楽が失恋ソングになるわけじゃないですか。
――曲を聴くことで、当時の思い出がフラッシュバックするみたいな。
JQ : はい。その人の人生の中に、その音楽がいたかどうかだと思うんですよね。聴いている人がどう過ごしていたかによって、曲の表情も変わるし。そういう意味では、いろんな人に聴いてもらえるために、ラジオ、テレビ、街中で流れるような音楽を作らないといけないと思ってます。
――ちなみに今年の夏は国内の大型フェスが控えてますね。
JQ : それこそ、今回の5月24日にリリースした『Who We Are』はフェスを意識して作った1枚なので、披露するのが今から楽しみです。
――最後は皆さんに聞いている質問なんですけど「この人に出会えたから今の自分がいる」と思える運命の出会いは誰でしょうか?
JQ : 親父ですかね。うちは自営業の家系で、僕は長男だから本当は継いで欲しいと思ってたはずなんです……。でも、親父は俺に自由に音楽をやらせてくれてて。そう考えたら、やっぱり親父の存在はデカいですね。
【リリース情報】
Who We Are
発売日:2017年5月24日(水)
通常盤
【CD】NCS-10168 ¥1,200(税抜)
初回盤
【CD+DVD】NZS-738 ¥2,000(税抜)
(CD 収録内容)
1, Follow Me
2, It’s Who We Are
3, On and On
4, Ordinary
詳しくはオフィシャルHPをチェック
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