mahocato(Vo,Gt)、KJ(Gt)、やすだちひろ(Ba)の3人組バンド・MINT mate box(ミントメイトボックス)が2017年4月19日に初となるEP『present』をリリースします。SNSを中心に結成され、クラウドファンディングなどネットを活かした面白い取り組みを行う彼ら。音楽が素晴らしいことはもちろん、メンバー全員がファッションや写真といった多方面にも強く、今後のグッズやイベント展開などにも注目が集まっています。今回ミーティアではそんな彼らにインタビューを実施。「今現在」を全て詰め込んだという1stEPに対する思いを語ってくれました。
text_MIIM
Edit_YUICA SHIVA
――1stEP『present』を聴かせていただいたんですけど、ポップでキャッチーで爽やかで、バンド名にもあるようにミントカラーがすごく似合うバンドだなと感じました。そもそもMINT mate boxというバンド名はどうやって決まっていったんでしょうか?
mahocato : 「MINT」という単語を入れようというのは決まっていたんです、あとは言葉の響きですね。(笑)
やすだちひろ(以下やすだ) : 「MINT」だけだとSNSで検索してもなかなか引っかからないので何かつけようと考えていたんです。「MINT」と「box」まで決まったんですが、その中に入れる単語にかなり悩みましたね。結成が5月だったから「may」とかいろいろ候補はあったんですが、最終的には「mate」を加えてMINT mate boxになりました。
mahocato : 「MINT」ってすごくすっきりしたイメージがありますよね。どんなことにもポジティブに向かっていける感じもあって、わたしたちにぴったりだなと。
――EPのタイトルは『present』とつけられていますが、1枚目ということもありこちらもかなり悩まれたんじゃないですか?
mahocato : 曲が全部揃った段階で「よし、決めよう!」ってなったんですけど、おっしゃる通りタイトルもかなり悩みました(笑)。
やすだ : いろいろ話し合いましたね。好きな言葉や響きを出し合って。
mahocato : 「pop」の「p」の発音って響きとして可愛いから、「p」はつけたいねっていう話になって、そこから徐々に決まっていきました。他にも「pop pop」とかいろいろ候補があったんです(笑)。『present』という言葉には「贈り物」という意味があるんですけど、「今現在」という意味もあるんです。今現在の自分たちを詰め込んだものを贈りたい、そんな2つの意味を込めてこのタイトルにしました。
KJ : タイトルが決まっていよいよ完成して、すごく良い作品ができたなって思いました。何も分からない状態からのスタートだったので、レコーディングとかもすごく大変で…。レコーディング初日は全くギターが録れなかったんです。サウンドプロデューサーのヤマモトショウさんに「2週間やるから頑張ってこい」って言われて、なんとか頑張って完成までもっていくことができました。全員が「歌を大事にしたい」っていう方向でまとまっていたので、ギターも歌を活かせるように心がけてレコーディングしました。
mahocato : レコーディングの前は本当に精神統一してました(笑)。実は、レコーディング中にハプニングがあって、どうしても抑えきれなくなって涙が溢れてしまったんです。でも、声には感情が宿る、泣きながら録った声はきっと聴いているひとにも伝わってしまうと思い、絶対に笑って楽しくレコーディングしたいという気持ちがあったので、いったん屋上までヨガをしにいって…そうしたら落ち着いて、最終的には笑顔でレコーディングをすることができました。
――mahocatoさんの歌声を最初に聴いたとき、すごくぐっときたんですよ。みなさんはmahocatoさんの歌声にどんな印象を持っていますか?
やすだ : わたしが「バンドやりたい!」ってなったときに、mahoがinstagramに載せていた歌声にすごく惹かれて声をかけたんです。なかなか居ない声だなと思ったし、好感が持てる歌声ですよね。媚びない可愛さがあって、そこが好きです。
mahocato : 本当にSNSがあったからこそできたバンドなんです。なので、今後もネット上で面白い試みができたらなと思っています。
やすだ : 今回新しく公開された『リサイクル』のミュージックビデオも、クラウドファンディングで支援していただいた方のおかげで完成できたものなんです。まだ始まったばかりの自分たちを応援してくれる人と一緒にスタートをきりたいと思って始めた企画なんですが、最高の仕上がりになっているので、ぜひミュージックビデオも見ていただけたら嬉しいです。
――今回のミュージックビデオ、めちゃくちゃ楽しんで撮影されたんだなというのが伝わってきます(笑)。そこがすごく良いなと。
mahocato : 楽しかったです! 最初に撮影したときよりも、だいぶ練習して曲も染み付いていたし、自分たちの方向性も見えていたので、本当に楽しみながら撮影することができました。
やすだ : 前は撮影中にどこ見たらいいかも分からなかったんです(笑)。
mahocato : わたしたちスチールの撮影とかはよくあるんですけど、動画はあまりやってこなかったんですよね。なので、体づくり、シルエットづくりもこだわって、ヘアメイクさんも自分たちがごり推ししている人を連れてきて(笑)。わたしは二日間断食したりもしました(笑)。
――楽曲も疾走感あふれる、まさにEPの1曲目にふさわしいものに仕上がっていますよね。
やすだ : バンドを始めるってなったときに、ヤマモトショウさんにお願いして最初に書き下ろしてもらった曲なんです。ショウさんの持っている曲のストックからじゃなくてわたしたちのために新しく作ってくれたのがすごく嬉しかったのを覚えています。曲をリサイクルせずに、新曲として『リサイクル』をつくってくれたという感じですね(笑)。最初にこの曲があがってきたときは、みんな衝撃を受けてました。
mahocato : 「これやばい!」ってLINEでみんなトークしてましたね(笑)。
やすだ : 自分たちらしさがまだ見えない中、この楽曲が届いて、そこからMINT mate boxの音楽性が見えていった気がします。
――この曲はmahocatoさんが作詞で参加されていますが、どういうふうに制作は進められましたか?
mahocato : ショウさんの歌詞を見ていると、語呂や響きを意識した言葉づかいが多かったので、わたしもそこを意識して書きました。写真を撮ることが好きなので、自分が写真で切り取る世界や好きなものとかを言葉に落とし込んで制作は進めていきましたね。
――ショウさんは言葉の選び方が本当にうまいですよね。2曲目の『なんでばかりの恋』のリフレインフレーズはもちろん、3曲芽の『スロー&スロー』も、特にサビで歌っていて気持ちの良い言葉の選び方がされているなと。
mahocato : 実は『スロー&スロー』が一番好きな曲なんです。レコーディングのときも、指導が一回も入らずさらっと録れてしまいました。最初この曲はエレクトロなサウンドアレンジだったんですが、そこからめちゃくちゃ完成系までに変わりましたね。KJのカッティングも入ってきてギターロックなテイストになって、ぐっと良さが増した気がします。
KJ : ギターはテレキャスを使っているんですが、カッティングの音が好きでよく弾いちゃうんですよね。おしゃれなフレーズが好きなんです。
――続く『メモリ』はこれまでの流れからワントーン落ち着いた、しっとりとした楽曲になっていますが、この曲はいかがですか?
やすだ : わたしたちらしさは残しつつ、違う一面が見せられた曲だと思います。『リサイクル』や『スロー&スロー』とはまた違うテイストに挑戦できた楽曲です。レコーディングに実はめちゃくちゃ苦戦しました。
mahocato : 簡単そうに見えて難しいんだよね。ちなみにショウさんは今回のEPの中で『メモリ』が一番好きみたいです。ライブでの演奏を期待してくれているみたいなので頑張りたいです。
――そして5曲目『漫画でもないようなはなし』ではやすださんが歌詞でも参加されていますね。
やすだ : 音楽で一番やりたかったのが歌詞で、どうしてもやってみたくて、ショウさんにいきなりポエムを送りつけたんです(笑)。そしたら「言葉の選び方が良いから一緒にやってみよう」と言ってくださって。この曲以外にも、メロディーをもらって歌詞を書く、という練習もこなしつつ、仕上げていきました。初めてのことだったので思い入れがとても強い曲ですね。まだだいぶ先になると思いますけど、勉強していつか一人でも歌詞を書けるようになりたいです。
――次回作か、どこかでそういった試みもできると面白そうですね。ちなみにやすださんは自身のブランド「CHIHIRO YASUDA」もやられていますが、MINTのグッズなどでもその経験を活かせそうですよね。
やすだ : グッズにこだわるバンドでありたいです。そこは自分たちが得意とする分野でもあるし、MINTのグッズ良いよねってなってもらうチャンスでもあると思うんです。
mahocato : 今回のミュージックビデオはCAMPFIREのクラウドファンディングで沢山の人に応援してもらって制作することができたんですけど、そのリターンとして限定で作ったトートバッグも裏地をつけたり、こだわりを詰め込んでいます。これから出すグッズも、みなさんに喜んでもらえるようなものを作っていけたらなと思います。
やすだ : 音楽だけじゃない企画、見せ方もしていきたいです。MINTしかできない事を沢山やっていくつもりなので楽しみにしてもらえたらなと。
KJ : お客さんを巻き込んでいけることを考えていきたいですね。この前のイベントでも、地方からたくさんファンの方が来てくれたんです。そういう人のためにも、全国ツアーもやってみたいですね。
mahocato : 服や写真だけが好きな子ってわざわざライブにくるにはハードルが高かったりするのかもしれないと思って。だからそういった子たちもみんな巻き込んで楽しんでいけるイベントをつくっていきたいなと思っています。音楽ファンだけじゃなくて、いろんな人が来れるような、面白い企画をこれからどんどんやっていきたいです。
■MINT mate box
1 st E.P. present
発売日:2017年4月19日(水)
品番:HPP-1007
レーベル:Here, play pop
定価:/1,500(税抜)
収録曲:
1.リサイクル
2.なんでばかりの恋
3.スロー& スロー
4.メモリ
5.漫画でもないようなはなし
■インストアライヴ
5月13日(土)タワーレコード渋谷店
6月3日(土)タワーレコード梅田NU茶屋町店
MINT mate box:オフィシャルサイト
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