――今回のアルバムは、どの曲から作り始めましたか?
松尾 : まず「アイスタンドアローン」ができました。この曲はサイケの深みというより、ロックとしてのシンプルなサイケですね。それと、4曲目の「美しい棘」です。この曲は1年以上前からありましたね。いままでは速い曲ばかりをリード曲にしていたので、そろそろこういう(遅い)曲をリードにしようっていうことで、2本の柱が立ったんです。
――1曲目の「アイスタンドアローン」がシンプルなサイケロックだとしたら、2曲目の「E.V.I」は別の角度の怪しげなサイケですよね。
松尾 : 2曲目の「E.V.I」は、幻想文学を用いてるところがありますね。ロックで言ったら、サイケデリック、文学で言ったら、幻想文学。私のなかでは、そのふたつのカルチャーは何も考えてなくても繋がるんです。
――「アイスタンドアローン」という言葉にはどんな意味がありますか?
松尾 : 高校1年生からGLIM SPANKYを始めたんですけど、当初は4人組だったので、私がひとりでアコースティックライブをするときは、“I stand alone”っていう名前を使ってたんです。“孤高で尖って立つ”っていうのが、重要なキーワードだったんですね。ふたり組になってからはその名前は使わなくなったんですけど、この言葉はいつか曲にしたいと思ってました。
――このタイミングで、その名前を使おうと思った理由は?
松尾 : 前回の『Next One』は大きなタイアップがたくさんついてたから、その次に出す作品では「私たちは尖ってる」っていうのを出したかったんです。タイアップがあるのは、良い環境かもしれないけど、私たちはそこに甘んじてるわけではない。尖った気持ちでいることを伝えるために、いちばん良いと思った言葉が“アイスタンドアローン”だったんです。
亀本 : こういう曲だから、僕はもうちょっと歌詞もふわっとした内容をつけるのかなと思ったんですけど、意外と意味合い的には熱い感じになりましたね。
松尾 : 曲はサイケだけど、歌詞はストレートにするっていうバランスで書くことで、新しいGLIM SPANKYのアンセムを作ろうとしたんです。
――ライブでアンセムになりそうな曲としては、「Freeder」は壮大ですね。
亀本 : アメリカンなスケール感の曲もありだろうと思って作った曲ですね。1曲目と2曲目に「アイスタンドアローン」と「E.V.I」があって、4曲目の「美しい棘」に繋ぐ役割の曲なんです。僕らは、アルバムを作るとき、曲がパッて変わっていくのもいいなと思ってるんです。
松尾 : そこも楽しんでやってますね。
亀本 : よくバンドの友だちと話すと、アルバムを録るとき、ほとんど同じドラムのチューニングで録ってたり、アンプも変えないって言うんです。僕らは、ドラムがサポートだから、デモ作りから、ふたりで「こういう感じ」って決めておいて、当日、サポートの人にその曲ごとに合う方向性でやってもらうんです。アンプとかギターもほぼ全曲違うし。それも音には相当関わってくると思います。洋楽だとアルバムを通して1曲ごとにミックスが違うことも多いので。僕らもそれをやろうとしてるんです。
――ラストの「お月様の歌」は、子守歌みたいな穏やかな曲ですね。ストリングスアレンジの四家(卯大)さんとは何度かご一緒してますが、今回はどうでしたか?
松尾 : この曲は真夜中にアコギをひとりで弾いて作ったんですけど、イメージ的にはアメリカの映画音楽で、壮大なストリングスが入っていて、美しい男女混合のコーラスがあるようなイメージです。ディズニー映画で言うと、昔の『白雪姫』の雰囲気ですね。(ストリングス以外の)楽器はアコギ1本ですけど、そのイメージを四家さんに伝えました。
――最後に、今後のGLIM SPANKYが目指すものを教えてください。
松尾 : より実験的なものをやりながら、GLIM SPANKYのロックは音だけじゃなくて、カルチャーと絡み合ってることを見せられる創作活動をしていきたいです。
――それは、どんなカルチャーですか?
松尾 : たとえば今回の「E.V.I」みたいに、歌詞に幻想文学を引っ張ってくるのもそうですけど、私はシュールレアリズム、特に幻想文学と繋がっているシュールレアリズムが好きなので、そういう風景画とか映画のセリフも歌詞に組み込んでみたいです。ファッションとかフォントも、バックボーンには意味と歴史がありますし。そいうことをしっかり感じながら、芸術と絡み合った新しい表現を作ることが、ロックだと思うんです。
【リリース情報】
■ミニ・アルバム『I STAND ALONE』2017年4月12日(水)発売
【初回限定盤(CD+DVD)】TYCT-69115 ¥2,700 (+tax)
1.アイスタンドアローン
2.E.V.I
3.Freeder
4.美しい棘
5.お月様の歌
≪DVD≫
「Next One TOUR 2016」(2016.10.30新木場STUDIO COAST)ライブ映像約60分収録!
・NEXT ONE
・ダミーロックとブルース
・闇に目を凝らせば
・grand port
・時代のヒーロー
・いざメキシコへ
・風に唄えば
・怒りをくれよ
・大人になったら
・ワイルド・サイドを行け
・リアル鬼ごっこ
【通常盤(CD)】TYCT-60098 ¥1,800(+tax)
*初回限定盤CDと同じ内容
CD購入特典「松尾レミデザイン!!ステッカーシート」
※一部対象外の店舗、WEBあり。
『I STAND ALONE』iTunes
「美しい棘」レコチョク
※ iTunesで購入すると、「Next One TOUR 2016」(10.30 STUDIO COAST)よりライブ音源3曲「NIGHT LAN DOT」「話 をしよう」「BOYS&GIRLS」付き!
【映像】
【ライブ情報】
6/4(日)「GLIM SPANKY 野音ライブ 2017」(東京)@日比谷野外大音楽堂
6/17(土)「GLIM SPANKY 野音ライブ 2017」(大阪)@大阪城音楽堂
【ドラマ情報】
タイトル:『警視庁・捜査一課長 season2』
放送日時:2017年4月13日(木)よる8時スタート! 毎週木曜よる8時放送
※初回は2時間スペシャル
出演:内藤剛志 田中圭 床嶋佳子 本田博太郎 矢野浩二 鈴木裕樹 金田明夫 斉藤由貴
監督:濱 龍也 ほか
脚本:安井国穂 ほか
制作:テレビ朝日 東映
「警視庁・捜査一課長 season2」
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