違う窓口でヒップホップを賑わすことができたらいいな
ーーちなみにDAOKOさんは「青」をイメージカラーとしてツアー・タイトルや様々な場面で使われていますが、これはなぜでしょうか?
特定の色を打ち出すことでアイコニックな存在になるんじゃないかと思いました。青を選んだのは命を燃やしている感じが伝わればいいな、と。炎って赤い部分よりも青い部分の方が温度が高いっていうのを、理科の実験の時に勉強したことを思い出したんです(笑)。命を青く燃やしていこうって私らしいなと思って。ファンの方々がだんだん青を着てくれるようになったり、だんだんと感染していっている感じが面白いなって。
ーー「ファッション」には「FASHION MUSIC ART / フラットにみたら三者三様 / 大差ないよ / 表現者なら全部纏えよ」という歌詞がありますが、DAOKOさんはカルチャーと音楽の関係性について、どのように考えていますか?
もともと、ファッションにもアートにも疎い人間だったんです。おしゃれな人見て「あぁ、あれが……おしゃれなのね……」ぐらいの(笑)。でも、ファッションというジャンルにフォーカスしてみると、やっぱり音楽とファッションって相互に影響しあって時代を作ってきたんだと思うんですよね。ミュージシャンのファッションを見ても、その人のルーツが窺えるものを着ている場合が多いですし。何を考えてきたのか、今何を聴いているのかわかるファッションって素敵だなって思います。
ーーちなみに最近いいなぁと思ったファッションってありますか?
SuchmosのYONCEさんがアディダスのジャージをよく着ていて「ジャミロクアイが好きなのかな?」とか想像するのが楽しいですね。そういうところで遊べる余裕がある人のファッションって素敵だなぁって思います。DAOKOとしてはストリートにパンクをマッシュアップしたりするのが好きですね。ルーツとしては、やっぱりヒップホップがあるので。でも、日替わりでイメージを変えていますね。自分はこういう感じって定めるよりもカラフルでいたいんです。
ーー「フリースタイルダンジョン」や「高校生RAP選手権」が巷で話題を呼んでいて。90年代後半〜00年代前半以来の盛り上がりをフリースタイル、ひいてはヒップホップというジャンルが見せています。このブームをどのように見ていますか?
喜ばしいことだと思います。個人的にはネットラップで近い場所に居たDOTAMAさんが「フリースタイルダンジョン」に出場されていたことにアガったりして。ただ、東京という場所だけの局所的な現象なんじゃないのかなぁとも思うんですよね。チャートにヒップホップのゴリゴリの曲がランクインすることなんてほとんどないし。流れは確実にあるので、自分としてはラッキーぐらいに思ってます。
ーー自分としては少し遠いところの話というように感じているんでしょうか?
私はポップスの道をメジャーに入った時点で選んでいるので。でも、自分ではラップ・シンガーと名乗っていて。いいとこ取りなんですけど、ラッパーでもありたいし、シンガーでもありたい。やっぱりラップでしか表現できないことはあるんですよね。熱量を持って気持ちを伝えていくのに効果的だし。リズムオリエンテッドなので耳にダイレクトに飛び込んでくる。今の時代に、ポップスをやっていく上でラップの必然性っていうのは感じるんですよね。違う窓口でヒップホップのシーンを賑わすことができたらなっていうピースな思いも持ってます。
やってきたことに後悔も未練もない 本来の自分からかけ離れた存在になりたい
ーー10月には韓国のホンデでライブも控えていますね。DAOKOさんのInstagramアカウントには毎回写真をアップロードされるたびに外国の方からのコメントが大量についていて。日本以外での人気も感じていますか?
じわじわと予兆は感じますね。今回の韓国でのライヴは、すごく気に入ってくださっている個人のプロモーターの方が呼んでくださいました。多分、海外の方々は私が、庵野秀明さんのスタジオカラーの作品「ME!ME!ME!」の音楽を担当したり、MV「GIRL」をスタジオカラーと作ったりしたので、そこから知ってくださったんだと思うんですけど。私が黒髪ロングっていうオリエンタルな容姿だっていうこともあって、アイコンとしてわかりやすいっていうのもあると思います。
ーー今後は海外にも挑戦してみたいと思っていますか?
まずは、日本でしっかりと浸透させてから、徐々に。ラブコールは増えているので、海外には行ってみたいなって思ってます。私、まだライブで海外に行ったことないので!
ーーこれまでたびたびイベントで出演するなどDAOKOさんにとってもゆかりの深い渋谷のPARCOが8月7日に閉館しました。2019年の秋にまたオープンするときには東京という街も、DAOKOさんご自身もまたラディカルな変化を遂げていると思うのですが、その頃、ご自身としては何をしていたいですか?
世の中も音楽シーンも、かなり変わるんでしょうね。個人的にはもうちょっとしっかりしていたいですね。いろんな国の人がもっと来るでしょうし、文化も街もいろんな血が入ってハイブリッドなものになっているかもしれないですよね。アイドル文化が今みたいな盛り上がりがなくなっているかもしれないし。一緒に成長していきたいなって思ってます。
ーー今回のシングルはそんな未来に向けたDAOKOさんの軌跡が生々しく描かれている作品だったと思います。
これからやっていくことでどこまで飛べるかっていうことだと思うんです。まだまだ完成できない。嘘のなきように自分のやりたいことをやっていくことが大事なんですよね。このフェーズに行くまでが大変だったし、悩んだりもしたんだけど、でも、今回のシングルを出したことによって吹っ切れました。毎日毎日やっぱり自分のやっていることに葛藤しないこともないんだけれど……今は見てみたい景色もあるし、自分自身のやってきたことに後悔もない。本来の自分からかけ離れた存在になった方が面白いのかもなって思っています。……先のことは、どうなるかわからないですけどね!
DAOKO
2015年3月、1stアルバム「DAOKO」にて、女子高生にしてメジャーデビューしたDAOKO 。同年10月には1st Singleをリリースし、ともにロングヒットの中、2ndシングルのリリースが決定。ミレニアル世代(インターネット/SNS世代)であるDAOKOならではのテクノロジーを駆使したライブパフォーマンスは観客を魅了し、注目を集め続ける。同世代はもちろん幅広い人々の心に突き刺す声、凛とした強さを持つ、新世代ラップシンガー。
Triple-A Side 2nd Single『もしも僕らがGAMEの主役で / ダイスキ with TeddyLoid / BANG!』
2016年9月14日(水)発売
初回限定盤A(CD+DVD):TFCC-89601 / 2,000円+税
初回限定盤B(CD+DVD):TFCC-89602 / 1,600円+税
通常盤(CD):TFCC-89603 / 1,200円+税
[ 収録楽曲 ]
1. もしも僕らがGAMEの主役で
2. ダイスキ with TeddyLoid
3. BANG!
4. FASHION
5. もしも僕らがGAMEの主役で_Instrumental
6. ダイスキ with TeddyLoid_Instrumental
7. BANG!_Instrumental
8. FASHION_Instrumental
・初回限定盤A DVD収録内容
DAOKO THE FIRST TOUR 2016 at SHIBUYA O-EAST 2016.01.15 ライブ映像収録
INTRO / 高い壁には幾千のドア / ミュージック / かけてあげる / さみしいかみさま / ShibuyaK / ゆめみてたのあたし / OUTRO *本編約33分
・初回限定盤B DVD収録内容
BANG! -MUSIC VIDEO-
FASHION -Reebok CLASSIC Furylite WEB Movie-
JK -DAOKO THE STUDIO LIVE From Aobadai Studio-
FASHION -DAOKO THE STUDIO LIVE From Aobadai Studio-
DAOKO 2016 “青色主義” TOUR
9月9日(金) 大阪ミューズ
9月22日(木・祝) 赤坂BLITZ
10月1日(土) West Bridge Live Hall (韓国ソウルマポ区ワウサンロ25ギル6)
10月2日(日) West Bridge Live Hall (韓国ソウルマポ区ワウサンロ25ギル6)
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