曲のことを考えない日なんて1日もなかった
ーー京都大作戦もそうですけれど、ここ1年くらいのいろんなフェスで、大きなものも各地、いろんな地方でヘッドライナーとして立っているわけですが。ステージに立って、それこそ何万人の人が、前にいる。あの光景ってどういう感じなんでしょうか。
やっている時は相手が一人やと思ってますね。ただ、大勢いた時に大勢でやって楽しいことは、その場でアイディアを生み出して、何かを起こしたいなと思ってやっていますけど。
ーー1対1で届けている実感はある?
そうですね。届いていると信じてやることくらいしかできないですけどね。僕も日によって全然違うんですよ。自分の中に入り込める日もあれば、全然入り込めない日もある。入り込めへん日というのは自分を信じるしかないんですよね。だから、1対1で届いてるはずやって思うようにしてやってます。
ーー10-FEETというバンドって、4年間、新曲を出さなかったわけじゃないですか。でもファンはすごく増えている。これってすごいことだと思うんです。ビジネスの世界に喩えるなら、車の新製品とかiPhoneの新しいモデルが4年ずっと出なかったのに顧客は倍に増えたみたいなことだと思っていて。ご自分としては、ファンが増えているという今のバンドの現状、どう感じていらっしゃいますか?
ひとえにありがたいですね。10-FEETは消えて無くなると思ってたんで。今回、「アンテナラスト」という曲ができなくてもきっとシングルは出していたと思うんです。ここが曲を練るには最後のラインで、俺らも新しい曲をセットリストに入れてやりたいんで、どちらにせよリリースはできていたと思うんですけど、でも、自分たちでも、ほんまに4年間むちゃくちゃ考えていたんですよ。毎日考えていたし、曲のことを考えない日なんて1日もなかったくらい、ほんまに毎日考えていたんですよね。自宅で寝る前も飯食ってる時も風呂入ってる時もずっと考えていたから。それをぶれずに最後まで考え続けて、いい曲ができたのはよかったなと思いますね。だから、なんとかみんなと繋がり続ける曲ができたのかなと思うようにしたいです。
Photo:HayachiN
笑かすことも、熱く歌うことも、体を動かすことも、出来れば全部やりたい
ーーあともう一つだけ。10-FEETって、ユーモアというか笑いというか、しょうもないシャレとか好むじゃないですか。
大好きです(笑)。
ーーそこも大きい気がしているんですよね。なぜダジャレが好きなのかって聞くとバカみたいな質問になっちゃうんですけど、笑いの力みたいなものも信じているところがあるんじゃないか、と。
めちゃめちゃ信じてますね。ダジャレなのかラップの韻を踏んでるのかわからないですけど、うちのKOUICHIも好きですけどね。どんなに深刻な時でも笑ったら元気出ると思うんですよ。京都でドクター長谷川という先輩がいて、うちでもたまにトランペットを吹いてくれてるんですけど、さっき言った僕を助けてくれたアーティストの山田仁と、ドクター長谷川と、カメラマンのHayachiNという3人がすごく仲が良くて。「これ友達の曲やねん」と聴かせてもらっていたのが山田仁なんです。で、ここがほんまにおとぼけで。一番ひどいのがドクター長谷川なんですけど、なんせ面白いんですよね。僕は「(京都市)西京区の志村けん」やと思ってます。それとね、不謹慎なんですよ。ゲスいし。友達の結婚式があると友達とバンドを組むんですけど、そのバンド名も、コスチュームとかパフォーマンスも、とても電波には載せられないような感じのことをするんです。それがめちゃめちゃ面白くて、身内にはウケるんですけど、親族はたいがい顔が引きつってて(笑)。で、最終的にはドクター長谷川も鼻たらして泣いてるんですよ。
やっぱりね、陽気なんですよね。で、めっちゃ優しいのを俺も知ってるけど、仲間が死んだ時だって、鋼鉄の意思で不謹慎なんですよ。というか、ほんまに周りが元気でいることを渇望している人やと思うんですよね。こいつを理屈で元気付けられへんと思ったら、とにかく笑かしてくるんです。そういうことを大先輩のドクター長谷川に教えてもらったんですよね。だから僕らもスタッフとかメンバーと喧嘩する時とか揉め事がある時でも、なるべく煮詰まってきたら笑いにしたいなと思うし、ライブでも、なんか悲しみを背負っているやつ、乗り越えられない悲しみをぶら下げてきているやつがおったら、笑いにするのがスピードが早いですね。具体的にあった出来事を聞いて相談に乗ったりとか、それに沿った歌を歌ったりするのも力になると思うんですけど、悲しくて落ち込んでる時って、ギャグとかで笑かされたら一瞬忘れるやないですか。元気になってくれるんやったらそれでもいいと思うし。笑かすことも、熱く歌うことも、体を動かすことも、出来れば全部やりたいですね。そのためには死ぬ以外何でもやります(笑)。
10-FEET
シンプルな3ピースという形態でありながら、メロコアと言うジャンルでは既に括る事のできない音楽性は、ROCK、PUNK、HEAVY METAL、REGGAE、HIP HOP、GUITAR POP、BOSSA NOVA等のジャンルを10-FEET流に取り入れ、幅広い独自のものを確立している。また年間100本近い精力的なライブ活動も、その迫力満載のライブパフォーマンス、人間味溢れる、深いメッセージが込められた歌詞、笑顔を誘い出すキャラクターで常に話題を振りまいている。 エンターテイナー性溢れるその活動スタイルを徹底している。さらにその活動は日本はもとより、アメリカツアー、韓国、台湾でもライブを行い、音楽の力で国境を越える事ができる日本では数少ないバンドである。また、2007年から自身で主催する野外フェス「京都大作戦」も大成功におさめている。
『アンテナラスト』
2016年7月20日(水)発売
完全生産限定盤A(CD+DVD+GOODS“10-FEETレジャーシート(舞妓バージョン)”):UPCH-89208 / 2,300円(税別)
初回生産限定盤B(CD+DVD):UPCH-89285 / 1,800円(税別)
通常盤(CD):UPCH-80402 / 1,000円(税別)
[ 収録楽曲 ]
1. アンテナラスト
2. skatting
3. BombBassKinny
<DVD収録内容>
「京都大作戦2014 ~束になってかかってきな祭!~」
【DAY1】蜃気楼、その向こうへ
【DAY2】シガードッグ、CHERRY BLOSSOM +オフショット
「京都大作戦2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭!~」
【DAY1】STONE COLD BREAK、2%
【DAY2】RIVER、1sec. +オフショット
LIVE INFORMATION
9月18(日)「氣志團万博2016~房総ロックンロール・チャンピオン・カーニバル~ 袖ケ浦海浜公演」
9月19(月・祝)「風とロック芋煮会2016 KAZETOROCK IMONY WORLD」しらさかの森スポーツ公園
9月23(金)「InterFM897 × ぴあ presents STAND ALONE Vol.2 supported by uP!!!」品川クラブeX ※TAKUMAのアコースティックライブ
9月24(土)「山人音楽祭2016」ヤマダグリーンドーム前橋
9月27(火)「モンスターロック TOUR 2016」Zepp DiverCity
10月9(日)「&MOSH OPEN記念 RUN & MOSH TOUR 2016」梅田CLUB QUATTRO
10月30(日)「DOGIMAZUN 2016〜Helloween Night Special!!〜」心斎橋ライブハウス
11月5(土)、6(日)「MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!16」美らSUNビーチ特設会場
11月9(水)「Some Like It Hot Tour」鹿児島CAPARVO HALL
11月11(金)「Some Like It Hot Tour」熊本B.9 V1
11月12(土)「Some Like It Hot Tour」長崎DRUM Be-7
11月14(月)「Some Like It Hot Tour」福岡DRUM LOGOS
11月27(日)「UNDER THE STAGE 10周年 NUBO “インソムニア” TOUR 2016-2017 & ヤバイTシャツ屋さん “We love Tank-top” TOUR 2016-2017」富山Soul Power
11月29(火)「vanvanV4 35th Anniversary live」金沢vanvanV4
12月4(日)「SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り」幕張メッセ国際展示場
12月23(金・祝)「AIR JAM 2016」福岡ヤフオク!ドーム
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