「海はすぐそこさ」は、今だからこそ言える言葉。ザ・ペギーズが4曲に込めた想いとは?
the peggies(ザ・ペギーズ)がEP『なつめきサマー』を配信限定リリース。収録されているのは、青い恋の衝動を描くサマーポップ・ロック『サマラブ超特急』、疾走感とパワーあふれる『かみさま』という2つの新曲のほかに、インディーズ時代にリリースした『ボーイミーツガール』の再録と、メンバーとは中学高校の同級生でもあるラブリーサマーちゃんによるリミックスで90年代渋谷系サウンドとして新たに生まれ変わった『ちゅるりらサマフィッシュ~ラブリーサマーちゃんRemix~』。全4曲、夏を駆け抜ける喜びと切なさに満ちた楽曲には、ペギーズらしさの根源と、メジャーデビューから『super boy ! super girl !!』などを経て成長してきた現在のムードが絶妙な具合にミックスされている。夏の気分を最高に盛り上げてくれる傑作はどのようにして生まれたのか? 北澤ゆうほ(Vo. & Gt.)、石渡マキコ(Ba.)、大貫みく(Dr.)へのインタビューを通して、その秘密に迫った。
Interview & Text_Sotaro Yamada
Edit_Kenta Baba
サマラブ超特急 ミュージックビデオ
MVのポイントは、北沢書店・無免許運転・hideリスペクト
――今回の曲はいつ頃つくったものですか?
北澤ゆうほ : 実は結構前につくった曲なんです。3曲目の『ボーイミーツガール』は再録だから3〜4年前だし、『サマラブ超特急』と『かみさま』は、……2年前?
石渡マキコ : うん、インディーズの時だったよね。メジャーデビューすると忙しくなっちゃうから、その前に曲をたくさんつくる期間を設けたんです。そのなかでもこの2曲は初期のものでした。
大貫みく : 『スプートニク』をつくってたのと同じ時期だった気がする。
北澤 : それをリアレンジして今回レコーディングしました。明らかに夏の歌だから、リリースするチャンスが年に一回しかなくて。デビュー時には『ちゅるりらサマフィッシュ』を出してたし、この2曲を発表できる時期を待ってたんです。これ以上引っ張ったら自分たちの現状と曲とが離れちゃうし、今しかない、と。やっと出せたという気持ちですね。
運転席:大貫みく(Dr.)、助手席:石渡マキコ(Ba.)、後部座席:北澤ゆうほ(Vo. & Gt.)
――アーティスト写真が2パターンありますね。1枚目は赤いオープンカーに3人が乗っているもので、すごく夏っぽい。
北澤 : これ、めっちゃhideじゃないですか? この日は自分のことをhideだと思い込んで撮影してました(笑)。
――やっぱりそうですか! 衣装に髪型に、「太陽」という言葉が象徴的に使われている歌詞、アメ車が使われるMV。hide『ever free』などへのオマージュを感じます。
北澤 : スタイリストさんはそのつもりで用意してないと思うんですけど、自分のなかではモロにそれでした。MVで初めて乗ったオープンカーはめっちゃ気持ち良かったです。みくが無免許運転しているのもポイント(笑)。
大貫 : 運転してる風なんですけど、実は運転してないです(笑)。
北澤 : よく見ると、みくだけ髪が風になびいてないんですよ。頑張って頭振ってるけど(笑)。
石渡 : でも、言われるまで気付かないですよね?
――そしてもうひとつの写真は、ゆうほさんのご両親が経営されている神保町の北沢書店。
北澤 : MVの撮影と並行してアー写を撮ったので、どちらの写真もMVのストーリーに合わせました。ロケ地の一部が実家なんです。
――北沢書店でがっつり撮影してるけど、店主(ゆうほさんのお父さん)はMVに登場しないんですね。
北澤 : お父さん出ないけど、おじいちゃんの肖像画は密かにずーっと出演してます(笑)。
夏にときめく「夏色めきめきサマー」こと『なつめきサマー』
――今回のEP『なつめきサマー』というのは素晴らしいタイトルですね。
北澤 : もともと『サマラブ超特急』が『なつめきサマー』っていうタイトルだったんです。『ちゅるりらサマフィシュ』の時からそういう造語をつくるのにハマってたみたいで、仮タイトルをつける際にパッと思いついたんですよね。でも歌詞に「なつめきサマー」っていう言葉は入ってないし、EPのタイトルにした方がしっくりくる気がして。で、後付けでこれは「夏色めきめきサマー」の略だということにしました。「ときめき」じゃなくて「めきめき」という言葉で夏への燃えあがるモチベーションを表す。そういう、ちょっとアホっぽくて意味わかんないけどなんか楽しそう、みたいなテンション感って、冬には出せないと思って。
――「なつめく」という言葉には、「夏らしい」という意味のほかにこんな意味があります。「まだ春だと思ううちに、いつの間にか夏の気配がきざす」。この言葉には「春から夏へ季節が過ぎ去る」という意味が含まれていて、ということは「夏も過ぎ去ってしまう」というニュアンスも含まれている。切なさと喜びが同居している感じが、今回の曲たちにぴったりだと思いました。こんな渋い言葉、どこから出てきたんでしょう。
北澤 : インスピレーションでパッと思いついた言葉だから、自分のなかのどこかにあったんだと思うけど……でも最初に思いついた時はたぶん「ときめき」とかけたんだと思うなあ。
――このタイトルを聞いた時、みくさんとマキコさんはどう感じましたか?
大貫 : ゆうほっぽい、と思いました。ゆうほは高校生の頃からこういう造語みたいなのが得意だったし。
石渡 : ゆうほにとってはそういう言葉をつくることが普通だったから、『なつめきサマー』って言われた時はシンプルに「良い言葉だな」くらいの感覚でした。むしろ歌詞の「最高潮のラブが超特急で過ぎてゆくんだ」がすごく良いと思って。日常でよく使う言葉をちょっと引っかかるように書き換えるのが面白いと思った。
ペギーズらしさの根源がつまった『サマラブ超特急』
――『サマラブ超特急』はどんなふうにつくっていきましたか。
北澤 : まずは夏の曲をつくりたいと漠然と思ったのがスタートでした。たしかサビからつくったのかな。曲と歌詞は同時進行でした。インディーズの頃は生々しい歌詞を書くことに抵抗があって、抽象的な歌詞を書きたかったんです。「最高潮のラブが超特急で過ぎてゆくんだ」っていうフレーズには、自分なりの皮肉も込められています。夏に海とかでみんなで盛り上がって、時には恋が生まれちゃったりするかもしれないけど、「どうせすぐ別れるでしょ」みたいな。一夏の恋を冷静に見て、ちょっと醒めてる気持ちが反映されている。そう思いつつも、花火のように燃える青春の儚さと切なさをまじえて、自分の甘い部分と尖った部分のバランスをとりました。
――今回レコーディングするにあたって、2年前のデモからどれくらい直したんでしょう?
北澤 : サビはこのままだったんですけど、1番のBメロは全然違ったんです。「海はすぐそこさ」なんて、たぶん昔だったら絶対言わなかったと思う。当時は「右も左もわからないくせに君の手を引いてどこに連れていくんだ」みたいな歌詞だった気がする。
――「海はすぐそこさ」という歌詞は、もしかして、今回リミックスをお願いしたラブリーサマーちゃんの『海を見に行こう』と呼応している……?
北澤 : いや、純粋に絵が浮かぶ歌詞に直したいと思ったんです。前の歌詞はあまりに内面的すぎて「僕のなかの話」でしかなかった。内面的であることが昔のわたしの特徴でもあったけど、せっかく今リリースするなら、もっとひらけたものにしようと。絵が浮かぶ歌詞もだんだん書けるようになってきたし、そういう自分の成長もちゃんと入れ込みたかったんです。「海はすぐそこさ」って、わりと簡単な言葉だし、昔のひねくれたわたしだったら避けていた言葉です。メジャーデビュー以降の1〜2年は、そういうものを乗り越えてきた日々だった。だから今ならこういうことも歌える。むしろ歌っていると情景が思い浮かんで気持ちが良いです。だからサビは直さずに、AメロBメロでいかに情景を浮かばせられるかを考えて書き直しました。
北澤ゆうほ(Vo. & Gt.)
――どうして「今なら言える」という状態になれたんでしょう。
北澤 : こう見られたいというパブリックイメージと、こうありたいという自分のあいだにギャップがあって、そこで葛藤していたんですね。たとえば、ストレートな言葉や誰かが歌ったことのある言葉をペギーズのビジュアルとわたしの声で歌うと、すごく軽率なものになってしまうんじゃないか。そういう恐怖があったんです。その恐怖を当時は「プライド」という言葉に置き換えていて、「それは自分のプライドやロックンロール・スピリッツに反する」と思っていた。でも、それではもったいないと気付いて。自分がどんな歌でこれまでの人生を救われてきたのか思い出すと、絵が浮かんだり、「君が好きだ」ってストレートに言えてる曲だなと。それなのに、自分の変な「プライド」で可能性を狭めてしまうのは良くない。とはいえ、振り切るにも準備が必要なので、徐々にシンプルな言葉遣いやリアルな感じを出せるよう心がけてきました。昔は思い浮かんだ言葉に一生懸命服を着させて「いってらっしゃい!」って送り出していたけど、今はようやく、思い浮かんだ言葉や情景をそのまま歌詞に落とし込むことができるようになった。
石渡 : 今回リリースするにあたって『サマラブ超特急』と『かみさま』を久しぶりに聴き直したら、「そういえばこうだったよなあ」って、わたしらしさの根源みたいなものを思い出しました。今のわたしたちにできることと、昔のわたしたちが持っていた自分たちらしさがうまくミックスできたんじゃないかと思っています。
大貫 : サビの「強がっている夏の太陽」という部分は、すごくゆうほっぽいフレーズだなと思っています。ゆうほは冬の人だから、夏は絶対に強がってるんですよ(笑)。「夏を楽しみたい気持ちはあるんだけど強がらなきゃいけない自分」みたいなのが表現されていて、本当にゆうほっぽくて、好きです。
――ゆうほさんは夏が嫌いなんですか?
北澤 : 嫌いじゃないけど、あからさまに楽しいイベントが夏に集結しすぎじゃないですか? 世の中がここぞとばかりに夏を楽しみすぎてるから、そこを逆走したいなという気持ち(笑)。あと、日差しがすごく苦手で体調悪くなっちゃうし、熱中症になりやすいし、誕生日が冬だから大切な思い出が冬に多いし……、夏が得意じゃない理由はたくさんあるんですけど、でも夏に楽しみたい気持ちはすごくあるんです。本当は仲間に入って海でバーベキューとかしたいんだけど、仲間に入れないし、「入ったら負け」みたいな気持ちがある。
――「楽しそうだけど、べつに羨ましくないし……(羨ましい)」みたいな。
北澤 : そう(笑)。強がりです。だから夏に対してコンプレックスがありますね。実は、友だちと海に行ったことが一度もないんです。「海はすぐそこさ」とか言っときながら(笑)。毎年『夏ぴあ』を買うけど読むだけでいつの間にか秋になってる、みたいなことを繰り返していて。自分を奮い立たせないと夏を楽しめないからこそ夏の曲を書いちゃうんだと思います。
――この話、聞けば聞くほど「海はすぐそこだ」という歌詞のエモさが増しますね。「すぐそこ」って言うということは、まだ海に着いてはいない。
北澤 : たしかに(笑)。そういう想いが自然と出ちゃってるんでしょうね。
「きみと僕は無敵!」な『かみさま』
――『かみさま』についてはどうでしょう? 『サマラブ超特急』と同じく『かみさま』にも、ペギーズの本質がぎゅっと詰まっているような気がしました。
北澤 : どうしようもない爽やかさ、みたいなものがペギーズにはあると思うんです。女の子って結構、現実的なところがあるじゃないですか。リアリスティックで俯瞰した視点を持っていて。そういう意味での女の子らしさがあって、同時に少女の爽やかさや青さもある。それがペギーズの個性だと思っている。それは歌詞やアレンジによって生まれるものではなくて、隠しきれない何かとして備わっているもの。そのエッセンスは、大人になるにつれて薄まっていく可能性があるとは思います。特に『サマラブ超特急』と『かみさま』は、二十歳になりたての頃につくったからこそ出せる青さがある。ほぼ同時につくったせいか、2曲並んでも違和感なく聴けますよね。
石渡マキコ(Ba.)
石渡 : 『かみさま』は元々シンセが入っていて、超ドポップなサウンドでした。でも今回レコーディングするにあたって「いや、そうじゃないよね」という話になって。どんどん削って今の形になりました。もしかしたらこれまででいちばんシンプルな曲かもしれない。
北澤 : ギターも最初、イントロは高い方(1~3弦)で弾いていて、全体的にキラッとしてたんです。でももっとヘビーにしたいなと思ってアレンジをだいぶ変えて。
――『かみさま』はすごくロックだし、サビに入るところがカッコ良いですね。
大貫 : その部分、ドラムのレコーディングめっちゃ苦戦しました。音がゲシュタルト崩壊しちゃって「できない!」っていうゾーンに入っちゃった。一番と二番で微妙に違って、二番の方が途中でわからなくなっちゃって。そのフレーズだけで一時間くらいかかりました。
北澤 : たぶん今回のレコーディングでいちばん大変だったところです(笑)。
――でも結果、いちばんカッコ良いフレーズになったと思います。
大貫 : うれしい。その部分は、ギターの音色もすごく好きなんです。
――このギターもhideっぽさがありますね。
北澤 : サビの転調も気に入っていて。元々はもっとナチュラルに転調させてたんですけど、それよりも高い音からはじめてダイナミックな展開にしました。そうすることで、より歌詞にあったアレンジになったと思います。
――この曲はサビからつくりはじめたんですか?
北澤 : これは……頭から作り始めてる雰囲気が出てますね。曲と歌詞は同時進行です。特にAメロには同時進行感がある。「ああ、これ部屋でアコギ弾きながらつくってたんだろうな」っていう感じがある。
――それ、おふたりにはわかります?
大貫 : Aメロじゃないけど、「生きてたいと願う事は 終わり近付く事」のところが、ゆうほがアコギでつくってる画がすごい想像できる。
北澤 : わかる(笑)。あんまり歌詞のための譜割になってないし。テーマがあって作り始めたんじゃなくて、アコギ弾いて歌い出して、その時思っていたことが自然と歌詞として集まってきた感じ。
大貫みく(Dr.)
――『かみさま』は歌詞がすごく強い曲ですよね。「神様さえも作れなかった物を作ってみせたいんだよ」という歌詞があるんですが、『サマラブ超特急』にも「神様がいたずらになる季節」という歌詞がありました。この2曲の「神様」は、どういう意味あいで使っているんでしょうか?
北澤 : この2つは全然違う気持ちで書いたと思います。『サマラブ超特急』にはひねくれたわたしの夏への想いが反映されているので、「みんな夏を楽しんでるけど、全部神様の思惑通り動かされてるだけで、それは自分たちの意思じゃないんだぞ」みたいなことを言いたかったのかな。「神様」を自然の摂理の象徴として使っている。『かみさま』では、「恋や愛は無敵」ということを言いたかったんだと思う。神という崇高な存在、それすらを越えるものとして人と人とのあいだに生まれる愛があるということ。「きみと僕は無敵!」ということを「神様」という言葉を通して伝えたかった。
――なるほど。曲をつくっているあいだはどんなことを考えていたんでしょうか。
北澤 : 2~3年前なので、まだ伝えたいことがあってモヤモヤしている時期と年齢だったんですよね。だからそのモヤモヤを浄化させるための作業だったと思います。自分のなかで渦巻いているものをなんとかして出さないと自分がダメになる。そう思いながらつくってました。今はもっと「人に伝えるべき言葉ってなんだろう」って冷静に考えて書けるようになったと思います。人って、生まれた時にはみんな産声をあげて泣くわけですよね。どうしてあの時泣いてたのか、ということを恋愛と結びつけて描こうとしたのが『かみさま』ですね。
ずっと再録したかった『ボーイミーツガール』
――『ボーイミーツガール』はインディーズ時代の『goodmorning in Tokyo』に収録されていた作品ですが、このタイミングで再録しようと思った理由はなんでしょう。
北澤 : 『goodmorning in Tokyo』を録った時、『ボーイミーツガール』の歌詞がギリギリまでできなくて。書いても書いてもOKが出なくて、歌録りする直前にやっと歌詞ができて「もうヤダ」っていう気持ちで歌ってしまったんです。結果、そういう気持ちがすごく伝わる歌になっちゃった。せっかく良い曲だし、リード曲でもないのにライブでの人気曲なってくれて、すごくもったいないことをしたなとずっと思っていて。絶対にこれはもう一度録らなきゃいけない、楽器の音作りからやり直さなきゃいけない、というのはみんなの共通認識としてありました。だから早く録り直したいってずっと思ってたんです。
石渡 : ラジオで『ボーイミーツガール』を流したくても「あ、これが流れるのか……」って思っちゃってました。「絶対もっとみんなの心に引っかかるはずの曲なのに……!」って。
北澤 : それで半音上げにして、サビのコードも変えて。全然印象が違う曲になったんじゃないかなと思います。
――音が分厚くなって、かつ、踊っている感じがします。以前のバージョンはもっと慎重に弾いている感じが伝わってきました。
北澤 : 演奏力がなかったので……(苦笑)。
大貫 : あのつたない感じも、まあ、良かったけど(苦笑)。
北澤 : 今回やっと作品として納得できる状態で再録できて、この曲に対して失礼のないことができたなという気持ちです。
――今後も、再録という形で過去の音源の掘り起こしをする予定はありますか?
北澤 : 再録したい曲はいっぱいあります。インディーズ時代につくってリリースしなかった曲にも好きな曲がたくさんあるし、もっと正直に歌詞を書いていた時期もあって、たとえば『いきてる』みたいな部類の歌もたくさんあるので、そういう曲を今やったらどうなるんだろうという興味もあります。でも新しい曲も大事にしたいし、少しずつできたら良いなと思っていますね。
友だちの手によって生まれ変わった『ちゅるりらサマフィッシュ』
ちゅるりらサマフィッシュ~ラブリーサマーちゃんRemix~ティザー
――最後の曲『ちゅるりらサマフィッシュ』は、みなさんの中学高校の友人でもあるラブリーサマーちゃんがリミックスしたことで、渋谷系のような雰囲気に生まれ変わりましたね。
北澤 : これは夏を好きになろうと思って最初に書いた曲です。いまやワンマンライブでは欠かせない曲だし、ペギーズにとってすごく重要な曲。高校生の頃から演奏してきたからペギーズの曲のなかでは年配者だけど、今回のリミックスで本当に新しく生まれ変わったと思います。しかも友だちの手によって!
大貫 : デモを聴いた瞬間、ラブリーサマーちゃんにLINEしたくらい、めちゃくちゃ良いと思いました。もしラブリーサマーちゃんがリミックスしてくれなかったら、そもそもペギーズの曲を渋谷系にリミックスするという発想にならなかっただろうし、したところで良いものができるとは思えない。そういう意味でもラブリーサマーちゃんにお願いして良かったなと思います。
石渡 : わたしはラブリーサマーちゃんと元々すごく仲が良くて、ラブリーサマーちゃんの音楽も大好きだから、今回本当に嬉しかったです。『ちゅるりらサマフィッシュ』はこうあるべきだといういう固定概念が自分にはあったけど、それをラブリーサマーちゃんが崩してくれた。歌を歌い直しているわけではないのにラブリーサマーちゃんっぽさがすごく込められているし、ゆうほの歌声がラブリーサマーちゃんのテイストに乗っていることがすごく面白かった。最高です。最初に流れてくる3人の話し声も良いんですよ。
――あれはどういう意図なんでしょう?
北澤 : ラブサマちゃんが「これは絶対入れたい」って。
大貫 : 夏にみんなでゆる〜く話してる空気を入れたかったみたいです。設定としては、夏の山の別荘に4人がいるという。
石渡 : 最初にペギーズの3人で話していて、途中でラブリーサマーちゃんが「コンビニ行くけど何かいる?」って入ってくる。よく聴くとストーリーになってるんです。じつは今回のリミックスでいちばんたくさん話し合いをしたのがこの会話の部分でした。声の大きさをどうするかとか、何パターンもやり取りした(笑) 。
大貫 : わたし、ラブサマちゃんの「スイカわっしょい」コールの前の「オイ!」ってやつも好き。ラブリーサマーちゃんでしか成り立たない「オイ!」だから。
石渡 : 「ラブリーサマーちゃん〜」って思うよね。わたしたち絶対「オイ」って言わないし(笑)。
北澤 : 絶対言わない(笑)。
これからのペギーズが目指すもの
――では最後に。ペギーズはメジャーデビューして2年目、バンドを結成してからは10年目になります。これからどういう人たちにペギーズの音楽を届けたいですか?
北澤 : これはバンドを結成した時から思っていることなんですけど、音楽好きの人たちだけじゃなくて、もっと幅広い層に届けたいという気持ちが強くあります。多くの人に「良い曲だな」ってシンプルに思ってもらえる曲をつくりたいし、お茶の間に行きたい。そしてそのやり方として、身内を飛ばして外に行くのではなく、バンドが好きな人、音楽が好きな人、ライブハウスが好きなキッズたちともっともっとわかり合いたい。なぜなら、わたしたちがそういうキッズだったから。
大貫 : わたしはペギーズを聴いて音楽始めようと思ったり、コピーしたりしようとする人がいたらすごく嬉しいなと思います。
石渡 : わたしたちは自分のためにも音楽をやってるけど、聴いてくれるみんなのため、外向きに音楽をつくっていると思っています。だからとにかくいろんな人に共感してもらえるように、もっといろんな人に届けられたら、と思っています。
the peggies 最新リリース情報
なつめきサマーEP
2018.07.05/配信限定
1.サマラブ超特急
2.かみさま
3.ボーイミーツガール
4.ちゅるりらサマフィッシュ~ラブリーサマーちゃんRemix~
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