「自慢できる人であり続けたい」 宇多丸とKREVAへの感謝
――コラボといえば、日本武道館ではたくさんの豪華ゲストとコラボしました。その中でも『BEST』に収録されている宇多丸さんとの『No Limit』、KREVAさんとの『Your Love』を披露しましたが、一緒に歌ってみてどうでしたか?
三浦大知 : シンプルに楽しかったです。自分のライブに自分の大好きなアーティストをお招きして、パフォーマンスできるというのは贅沢なことですよね。
――当時、楽曲をリリースした時のことで、印象的な思い出はありますか?
三浦大知 : 宇多丸さんは本当にFolderの頃からずっと応援してくれていて、コアなヒップホップ専門誌に子どもたちのボクらFolderを対談相手として呼んでくれましたし、ずっと優しいお兄さんという感じでした。最初にフィーチャリングでゲストを呼ぶってなった時も宇多丸さんしかいないと思いましたね。
4thシングル 『No Limit featuring宇多丸 (from RHYMESTER)』
――KREVAさんとも親交は深いですよね。
三浦大知 : 僕ってKREVAさんを追っている感じなんです。KREVAさんはグループでもソロでもやってきて、自分でライブを作ったり、僕はそこまでできてないですけどトラックも全部自分で作ったりしている。僕が通ってきた道をすでに経験しているんですよ。なので、僕が悩んでいることや最近思っていることを相談すると、KREVAさんも経験していることだったりするので、すごく理解してくれて、的確にアドバイスをくれたり、親近感を持って相談に乗ってくれますね。
――確かにKREVAさんからも三浦さんを大切に思ってくれている感じが伝わりますよね。
三浦大知 : あとは、すごく愛があります。まだ自分が三浦大知として呼んでもらえてない夏フェスとかも「大ちゃんもいつか絶対ここに立つんだから、一回立っておいた方がいいよ」っていって、自分が出演する夏フェスのステージに呼んでくれたりとか、未来の景色を見せてくれました。そういうことを当時からずっとやってくださっていたので、恩返しになっているかわからないですけど、1月31日の大阪城ホールにも出演して頂きましたし、KREVAさんが見せてくださった景色に自分が立てるようになった時には、逆にお呼びすることでお返しができたらいいなと、いつも思っています。
7thシングル 『Your Love feat.KREVA』
――愛といえば宇多丸さんのMCで「日本の音楽を救う天才が帰ってきた。そして認められた。そんなの当たり前じゃん。正義は勝つ」という言葉が印象的でしたが、言われてどうでしたか?
三浦大知 : 恐れ多いというか、宇多丸さんがそういう風に言ってくれるのは本当に嬉しかったです。宇多丸さんもKREVAさんもそうですけど、「だから言ったじゃん。三浦大知はすごいって」というのをお二人にこれからも自信を持って言い続けて頂けるように頑張っていかないといけないなって。そうして、先輩方が自慢できるアーティストでありたいと思いましたね。
現行のシンガーで一番声の種類を持っている。 三浦大知の歌の楽しみ方とは?
――続いて歌の話を聞かせてください。ここまでお話ししてきた楽曲もそうですが、三浦さんの楽曲は「いいものはいい」と、時を超え再評価されていると思います。NHKの「SONGS」で披露された『ふれあうだけで ~Always with you~』は、SNSでも歌が高く評価されていましたし、両A面の『IT'S THE RIGHT TIME』も、アニメ『寄生獣 セイの確率』の影響もあって海外でカヴァーする人が多く、歌唱面も国内外で評価されています。今までを振り返って自身の歌をどう思いますか?
三浦大知 : 子どもの頃から歌わせて頂いているというのもありますけど、現行の歌っているシンガーの方々の中で、多分僕が一番声の種類を持っていると思うんです(笑) 変声期前の声から、変声期中の声で作ったFolder時代のアルバムもあって、今の声がある。どの曲も全員別人が歌っているんじゃないかってぐらい声が違うと思うんですよね(笑)
『BEST』では歌声の変化の歴史も楽しんで頂けたらうれしいです。僕は声も含めて全身が楽器だと思っているので、30代だからこそ出てくる声もあるだろうし、40代になった時の方が楽曲の説得力があるよねっていうこともあるだろうし、これからもそういう感じで色々なカラーを見せながら進化していきたいですね。
16thシングル 『ふれあうだけで 〜Always with you〜』
――先日放送されたTBSの「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」で、SMAPの『SHAKE』を歌っている映像が流れましたが、あの頃の自分の歌を聴いてどう思いますか?
三浦大知 : たまに今よりうまいなって思う時ありますよ(笑) 純粋だからこそというか、あのハイトーンはあの時期にしか出せないので、別のアーティストとしてみています。子どもの頃の歌を聴くのがちょっと恥ずかしい時期もありましたけど、今は自分の中で尊敬しているシンガーのひとりという感じで楽しめるようになりました。
――歌い方のアレンジもですけど、リズムをアフタービートでとっていて、黒人っぽいグルーヴをこの歳でできていることがすごいと思いました。
三浦大知 : 通っていたスクールが歌の技術を細かく教えてくれていたのが大きいと思います。「ここはこういう風な気持ちで歌うといいんじゃないか」とか、「ここの歌詞はこういう気持ちの込め方をするんだ」とか。あそこまで歌にもダンスにも特化しているのって、普通のダンススクールではありえないですよね。ダンスを習いにいくってダンススクールじゃないですか? 歌を習うなら歌のスクールですし。僕、ダンスを習いに行ったはずだったんですけどね(笑)
――そうだったんですか(笑) アーティストになるために歌もやりたいんだと思ってました!
三浦大知 : 歌とダンスどっちも教えてくれるので、気づいたら歌も歌っていた感じでしたね。そのスタートが今に繋がってますし、その影響は大きいです。
もはや同志!? 三浦大知にとってファンはどういう存在?
――次にファンの方の話をさせてください。日本武道館のシーンで『I'm On Fire』から『EXCITE』に繋がる時に、タオルを回す流れをファンの方々が完璧にこなしているのを見て感動したんですね。実績を積み重ねてきたのはファンも一緒なのかなと思ったのですが、三浦さんにとってファンとはどういう存在ですか?
三浦大知 : 一緒に積み重ねてきたというのは僕もそう思いますし、僕はもうファンの方も三浦大知チームの一員だと思っているんです。三浦大知の音楽が続いているのは、聴いてくださる方がいてこそですし、こんなことやってみよう、あんなことやってみようって思えるのは皆さんがいるからなんですね。そこは三浦大知の音楽やエンターテイメントを一緒に作ってくれている一員という感じで勝手にチームに入れてます(笑)
――最近ファンになった人も多いと思うのですが、ずっと応援していたファンの方と一緒に情報共有したり、ライブを楽しみましょうねっていう声の掛け合いがあったり。三浦さんのファンって、三浦さんの謙虚なところや、優しいところも一緒に反映されていると感じるんですよね。
三浦大知 : そうなんですかね。僕は、誰もがみんなで楽しめるものがエンターテインメントの魅力だと言い続けているので、ファンの方も一緒に思ってくれているのかもしれないです。単純に自分が好きだったり、いいと思うものだったりを共有してくれる人がいると嬉しいじゃないですか。それをファンのみなさんで楽しもうって言ってくれていることにすごく感謝してます。
――『EXCITE』って「仮面ライダーエグゼイド」のタイアップがスタートだったじゃないですか。いつのまにかライブでタオルを振り回して盛り上がる曲に進化していますが、当初はライブで盛り上がる曲になると思っていましたか?
三浦大知 : 『EXCITE』を作っている時から、これはタオルを回すだろうという気はしていましたね。実はダンスのイメージはそんなに浮かんでいなくて、ダンスで見せるよりは、みんなとひとつになる一体感が出せる曲になったらいいなと思っていたんです。ライブでもみんなと一緒に盛り上がれるところで披露できたらいいなと制作段階からイメージはしていました。
21stシングル 『EXCITE』
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