第4作のリメイク版「夢をみる島DX」のプレイ映像(※バーチャルコンソールのもの)
第4作「ゼルダの伝説 夢をみる島(93年)」は、はじめて携帯機で発売されたシリーズ作品だ。前作と並んでオリジナル版の評価が高く、98年にはゲームボーイカラーで一度リメイク(ゼルダの伝説 夢をみる島DX)もされている。それから21年(オリジナル版からは26年)の時を超えて発売されたのが、Nintendo Switch版「ゼルダの伝説 夢をみる島」だ。オリジナル版は国内で約54万本、全世界で約383万本を売り上げたとされている。
オリジナル版最新作「ブレス オブ ザ ワイルド」3rdトレーラー
その後も時代に合わせて発売される任天堂ハードを渡り歩いてきた同シリーズ。「時のオカリナ(98年)」「ムジュラの仮面(00年)」「ふしぎの木の実(01年)」「風のタクト(02年)」「4つの剣+(04年)」「ふしぎのぼうし(04年)」「トワイライトプリンセス(06年)」「夢幻の砂時計(07年)」「大地の汽笛(09年)」「スカイウォードソード(11年)」「神々のトライフォース2(13年)」「トライフォース3銃士(15年)」「ブレス オブ ザ ワイルド(17年)」と、オリジナル作品だけでもこれだけのタイトルが発売されてきた。名前のとおり、ゲームカルチャーの生ける伝説でありながら、現在進行形で進化を続けるシリーズが「ゼルダの伝説」シリーズなのだ。今後は人気タイトル「ブレス オブ ザ ワイルド」の続編(発売日未定)も発表されている。全世界におけるシリーズの累計売上本数は8,000万本とも(2017年時点)。
「ゼルダの伝説」を取り巻くファン層の変化
「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は国内で屈指の人気を誇る
「ゼルダの伝説」シリーズが長年にわたり愛され続ける理由は、支持層を時代に合わせて変化させてきたことにある。本来、日本発のゲームカルチャーは、“日本人の男性”をコアターゲットにして醸成されてきたはずだ。しかし、現在の「ゼルダの伝説」シリーズを支えるファン層はいったいどうだろうか。創成期にシリーズを支えたゲームフリークたちは、一部がゲームカルチャーから手を引き、一部が別のゲームに心を奪われている。国内では、シリーズが生まれた1986年には生まれていなかったであろう若い女性ファンが少なくなく、さらに言えば国内よりも海外で熱く支持されているように見受けられる。もし同シリーズが創成期とおなじターゲットにアプローチし続けていたら、30年以上も愛されるシリーズにはなり得なかったかもしれない。
2013年のリメイク版「ゼルダの伝説 風のタクト HD」より
「ゼルダの伝説」シリーズでプロデューサーを務める青沼英二によると、「時のオカリナ」から大胆にビジュアルを変えた「風のタクト」では、表現方法の好き嫌いによって大きく評価が分かれたという。同タイトルのセールスは日本であまり振るわなかった一方で、北米では100万本を超えた。15年以上経ったいま振り返ると、こうした舵取りがシリーズの明暗をわけたと言えるのだろう。
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