ラップもお笑いもコンプレックスをプラスに変えられる(晋平太)
普段表舞台で交わることがない、この2つの要素には思いの外、共通点がたくさんあった。晋平太は養成所の生徒にラップのことはもちろん、人を楽しませるエンターテイナーとして、それ以外のことも多く伝えた。
10月4日(火)、よしもとが運営する芸人養成所NSCの教室に特別講師として招かれたのはフリースタイルダンジョンで審査員を務めるなど、MCバトルシーンを牽引するラッパーの晋平太、そして”Mc.Kj”というラッパーとしても活動しているお笑いコンビ・こりゃめでてーな大江健次。
この日、特別授業は1部と2部(各90分間)に分かれて行われ、1部2部ともに50人を超す生徒が集まり特別授業が行われた。生徒の大半は今回の特別授業に興味がないように見えた。
そんな空気を察してか、晋平太は
「ラップとお笑いは、似て非なるものという感じがしますが、実は共通点が多く芸人になるのに、ラッパーになる必要はないのですが、芸人有名になり頭角を表すのに、僕らのやってるラップの彩りが加わると、みんなにとって足しになるのではないか」
と、素養の1つとして楽しんでほしいと生徒に伝えた。
授業ではまず初めに、ラップで自己紹介のやり方を伝授。生徒は必死にメモ用紙に言葉を書き出し、ぎこちないながら必死でラップを披露した。
それを見ていた他の生徒も、徐々に手を挙があがり少しずつラップでの表現方法の魅力に引き込まれて行った。
続いて晋平太は、即興ラップも伝授。
ここでも晋平太は「フリースタイル、即興はお笑い芸人にとって必要な能力だと思う。自分の洞察力や、後方に人がものを見てますという観察力、人から見られて自分がどう見られているのかとか。“ひな壇”に座った際にスタジオで何が起きているか、いつどこで自分が前に出れるか。これは現場で起きていることを正確に理解するという観察力、洞察力と同じじゃないでしょうか」と生徒が共感できる例えで説明した。
そんな言葉に感化された生徒たちは、隣の人とペアを組みフリースタイルを始め、先ほどの自己紹介ラップとは変わって、恥ずかしさは薄れているように見えた。さらに晋平太がペアを違う人に変えるように指示を出すと、4人組みのグループができあがるなど、さながらサイファーのような雰囲気が出ており、中にはボールペンをマイクにみたてラップをするなど、自ら率先してラップをかましていた。
盛り上がりを見せたところで終了の時間を迎えた。
最後に今回の授業でラップが楽しかったかについて聞かれると、生徒全員で「はい!」と大きな声で答え、芸人サイファーを作るという声も上がったほどだ。
晋平太は 「リズムネタとか、そうじゃなくてもみんながお笑い芸人としていく中で、役に立つ日が来るのではないかと。どうしても思いが言えなかった時、フリースタイルしたなとか、これから生きていく上で何かヒントになればと思って授業をしました」と話し、今回の授業は大成功で終えた。
晋平太はこの特別授業で何を伝えたかったのか。
“お笑い”、”ラップ”も必要なのは目の前の人に自分自身を表現すること。
それは、ネガティブにとらえているコンプレックスですら、大きなの武器になるから、まずは一歩踏み出す勇気を持つこと。
ラップ一筋で人生の山と谷を経験した晋平太から生徒へ“生き抜き方”をラップの楽しさを通じ伝えていたのではないだろうか。
この日の生徒はしたことないラップを通じそんな一歩を踏み出す勇気が持てたのではないだろうか。
執筆:荒井隆一
晋平太オフィシャルサイト:http://shinpeita.jp/
こりゃめでてーな:オフィシャルサイト(http://search.yoshimoto.co.jp/talent_prf/?id=458)
NSC(http://www.yoshimoto.co.jp/nsc/)
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