今回で4回目のこのコラム、だいぶフリースタイルラップのことを知ってもらえたかな?
今回は今までのバトルで印象的なバトルを紹介し解説しよう。
自分のバトルで恐縮ですけど、2014年10月にあった戦極MC BATTLE 第10章の晋平太 vs GILを挙げさせてもらいます!
これは僕にとって約2年振りとなる復帰戦でした。よくあることなんですけど、多くのベテランMCとかレジェンドMCがMCバトルに復活したときって大抵パワーダウンしてるもので、ほとんどの場合は全盛期の力を出すことができずに初戦で敗退してしまうんですよ。だけど、自分で言うのも何ですけど(笑)、僕の場合は一切パワーダウンしなかった。
バトルの内容について詳しく解説していきましょう。
1ターン目、後攻のGILが言った「残念だよ 晋平太 前よりもオーラ小せえな」
に対する僕の「オーラ小せえ? 大阪のガキに勝てねえくせによ」っていう返し。
あとは、3ターン目、GILの「昔じゃねぇよ 今を作れよ だから、UMBやってんだろ?」っていうフレーズがあります。
実はこれ、村社会にしか通用しないワードだと思ってたんですよ。
だけど、お客さんでパンパンの会場はこれに大盛り上がり。お客さんの一人ひとりにも僕らの言ってることがわかっていたんですね。つまり、MCバトルのファンはこういうドラマまでをも楽しめるまでに成長したっていうこと。
そういった意味では、この試合とこの大会はMCバトルの分岐点だったと思いますね。
僕のライムとフローもキレてたと思います。
2ターン目の「玉手箱 当たり前だろう 俺にとっておまえは片手間だよ」や、3ターン目の「宮本武蔵のようなフロー しっかり思い出せ バトル 昔の」っていうのも自分のキャラに合ったテクニック。
観てるお客さんが聴いてて頭にイメージをしやすいところが自分の武器だと思ってます。
だけど、そんな風に自分の力を引き出してくれたのは対戦相手のGIL。
彼は正統派B-BOYで、真っ向勝負な姿勢が武器。そんな彼の意地が僕の内側にあるものをひきずり出してくれた。今振り返ってみても本当にいい試合だったと思います。
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