「ポケットモンスター」というカルチャー
「ポケモン」シリーズの歩んだ歴史がわかる「ポケモン 剣盾」のCM
1996年に家庭用ゲームソフトとして誕生した「ポケットモンスター」シリーズでは、ゲーム以外にもさまざまなメディアミックスが展開されている。1997年には、初作「ポケモン 赤・緑」の人気を受けて、テレビアニメ化。これにより、シリーズのファン層は少し年代を下げ、より低年齢の子どもたちが夢中になるカルチャーとなった。続編タイトルがリリースされるなかで、少しずつゲームカルチャーがメインターゲットとする年代に広がったものの、以後しばらくは「ポケモン=ティーンエイジのカルチャー」とされる時代が続く。
潮目が大きく変わったのは2016年。スマートフォン向けアプリ「Pokémon GO(ポケモンゴー)」のリリースだ。同アプリはリリース以降、幅広い世代に広がり、社会現象にもなった。大げさな表現ではなく、文字どおり老若男女に愛されるこのアプリの影響が、最新作「ポケモン 剣盾」の購買層にも表れているのではないだろうか。「ポケモンゴー」によってシリーズが世代を超えて愛されるカルチャーに成長したことは間違いないだろう。
また、初作「ポケモン 赤・緑」の発売当時は、純粋なRPGとしての楽しみ方が主だったが、近年の作品では楽しみ方も十人十色となっている。“遊びの宝石箱”のようなアプローチがいかにも任天堂カルチャーらしく、「ポケモン 剣盾」の実況配信を見ても、純粋な攻略、他のプレイヤーとの対戦、1点にこだわったプレイなど、さまざまな遊び方で楽しまれている状況だ。実況配信では、国内のプレイヤー以上に海外のプレイヤーも目立つ。「ポケットモンスター」シリーズは、世界から認められる、数少ない日本のゲームカルチャーとなっている。
ファミコンが発売したころに青春時代を過ごしてきた人たちがドラクエやFFのシリーズを振り返るように、昭和~平成に生まれた人たちがポケットモンスターを振り返る。「ポケットモンスター」シリーズは、すでにそのようなシリーズとなっている。人によって自身を構成する「ポケットモンスター」シリーズが違い、その違いから彼らの年代や、ゲームとの関わり方を推し量ることができる。同シリーズは、もはや“ものさし”のように機能するカルチャーとなっているのかもしれない。
ポケットモンスター
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