福岡での初個展「Kioku no Puzzle」をKYNE・矢入幸一に続きcassetteにて開催
日常的なものから独自のファンタジーの世界を創り出し、捨てられたものから魔法や新たな始まりを見出すコラージュアーティストのIchi Tashiroが福岡に位置するギャラリーcassetteにて7月14日(金)〜8月8日(火)の期間で個展を開催。福岡では初となる自らの個展を「Kioku no Puzzle」と題し、パリにて制作した作品と新作アートを30点以上展示予定となっており、同会場では自身初のエディション作品も販売予定なのだという。
■アーティストステイトメント
数十年にわたり探求し続けた新聞紙という媒体に潜む美術的な可能性を実現したものです。
金融新聞から創り出す独自のファンタジーのシーンは、新聞という世界の記憶をシュルレアリズム的に再構築しています。
事実に基づいたアーカイブ資料がフィクションのイメージや物語へと変化していく作品は、現実と非現実、記憶と想像、意識と潜在意識の境界を弄ぶ。
決定的な答えの追求を拒否し、無意識の底なしの空白に潜り込み、私たちの主観的と集合的な意識の中で常に変化するパズルのピースを組み立て、世界の新しい記憶と未来を作り上げる。
エディション作品では、本展の作品からモチーフを抜き出し、さらに再構成したものです。
パズルのピースをイメージした本作品は、薄いウッドパネルを何層にも重ねて作られており、最後のピースはアーティスト自身が配置しています。
このピースの位置は各エディションで異なっており、自分自身によるユニークな仕上げを施しています。
■Ichi Tashiroプロフィール
1984年生まれ。愛媛県出身。
18 歳の時に 2、3枚の洋服と画材が入ったリュックだけを持ってニューヨークに移住し独学で美術を学んだIchi Tashiroは、路上で作品を売ることからキャリアをスタートさせた。
新聞や雑誌の切れ端をゴミ箱から拾い、今では彼の代表的な美学となっているコラージュ作品を制作し始めた。
5年間ニューヨークのアートシーンで活躍した後、香港に拠点を移し9年間アジアとヨーロッパで積極的に展覧会とアートフェアに出展し存在感を確立し、現在は東京に拠点を移して活動してる。
幼い頃からスクラップブックを作ることに夢中だったTashiroは、漫画や雑誌の切り抜きを集めることが少年時代の癒しにもなっていた。
素材を集めて新しいイメージを作る作業は一見すると退屈で時間のかかる行為だが、それは厳しい家庭環境で自分の世界観を作り上げるための力となり、「脳と想像力を現在の息苦しさから解放する」ことを可能にした。
多くの人が廃れきている媒体と見なしている「新聞」という素材を介してノスタルジーを呼び起こし、意味と文脈と主観性の定義を弄び、未来における物語の話術とメディアの進化を問いかける。
静的で一方的な印刷物を可鍛性のある継続的な会話に引き込むことで、Tashiroは情報化社会の中で定義されてきた主体性や視点の概念に遊び心をもって挑み、ルールに縛られない自由で超現実的な世界を潜在意識が作り上げる。
香港、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、アムステルダム、ベルギー、デンマーク、シンガポール、東京などで個展やグループ展に出展されている。
また、アートバーゼル香港やTaipei Dangdaiなどのアートフェアでも作品を発表しています。
■展覧会概要
Ichi Tashiro solo show「Kioku no Puzzle」
会期:2023年7月14日(金)〜8月8日(火)
会場:cassette
住所:福岡県福岡市中央区唐人町1-2-8
時間:11:00〜19:00
定休日:水曜
HP:https://cassette-f.jp
Co sponsored by Gallery COMMON
※7/14(金)17:00〜20:00オープニングイベントをcassetteにて開催。
※どなたでもご入場可能。
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