2月度パーソナリティはナノ!
今年の1月より、FM FUJIで開始されたラジオ番組「Radio MEETIA」。ひと月ごとにパーソナリティを変えてお届けする本番組、大森莉緒(ラストアイドル)からバトンを受け取ったのは、アメリカ・ニューヨーク州出身のバイリンガル・シンガー「ナノ」。なんと、2020年の2月は、4年に一度の閏年が土曜日にあるスペシャルな月。初めてのラジオパーソナリティの仕事で、最終回(29日放送)が閏年という見事な強運ぶりである。ということで、今回は、15日、22日、29日放送分の収録現場へ、ミーティア編集部が潜入してきました!
↑前回の収録レポートはこちらからPhotography_Kiruke
Text_Ryutaro Kuroda
Edit:Miwo Tsuji
持っているアーティスト「ナノ」
打ち合わせの段階から和気あいあいとした空気が流れ、喋るのが好きだというナノは、「ほっとけば4時間くらい喋っちゃう!」とのこと。どうやら、緊張よりも興奮が勝っている様子だ。ディレクターも収録の合間に「非常に上手い」とこぼすなど、小気味良いテンポ感でぐんぐん進んでいく。ナノの快活な言葉に引っ張られるように、現場には気持ちのいい空気が流れていた。
『ロード・オブ・ザ・リング』や『タイタニック』から流れてきた、壮大な音楽で味わった感動を語っていた第3回放送。特に幼い頃から親しんできたエンヤが流れた時には、格別な思いがあったという。ナノの原点を改めて知れるエピソードである。また、ベストアルバムの話題から衣装やヴィジュアルのこだわりについても語った。やってみないとわからないから、挑戦する時はいつもワクワクするという、好奇心旺盛なナノの一面が伺えた。
第4回の収録では、「慣れてきました」という言葉が出てくるなど、さらに余裕が出てきたよう。公開日の2月22日が「猫の日」、「ヘッドフォンの日」、「おでんの日」、「世界友情の日」など、様々な記念日であることを紹介しながら、ここで偶然のサプライズがあった。なんと、ブースに入りこの記事に使う撮影を行っていたカメラマンは、以前からナノの音楽を聴いており、好きな曲は「Remember, My Friend」だという。「世界友情の日」に放送される収録で出会ったカメラマンの好きな曲が、「Remember, My Friend」。ナノは本当に「持ってる」アーティストだ。
運命的巡り合わせにテンションが上がり、そのまま当初流す予定だった楽曲を変更し、この日の放送では「Remember, My Friend」をセレクト。曲振りでは「記念日を祝し、カメラマンさんに感謝を込めてお届けしたいと思います」と語ったが、こうした出会いを引き寄せる運もナノの実力なのだろう。「これからもいろんな人と繋がって、絆を大切にしていこうじゃないですか」という言葉は、ナノの生き方を反映しているように思う。
「ラジオ」を通して伝わる、人柄と温度
そして、この日のもうひとつのメイントピックは、ズバリ食の話題である。「おでんの日」の話の中では、たまご、だいこん、こんにゃくが好きな具のトップ3だと語ったナノは、その後届いた「ここに来たら必ずこれが食べたいと思う食べ物はありますか」というメールに対し、母国アメリカに行った際には「マストでストリート・ピザ」と即答。「ワンスライス1ドル50とか2ドルで食べれる、デッカくて、びよーんって伸びて、油ギトギト、チーズとろんとろんのストリートピザです。皆さんにもオススメしたい」とのことだ。
日本のツアーでは各地のコンビニに売っているおにぎりを食べるのが楽しみで、好きな具は梅だという。実に王道、他にも“しゃけ”や“すじこ”など、「田舎のおばあちゃんが握ってくれたようなやつが好き」という庶民的な魅力も見せている。5月から始まるベストアルバム『I』に紐づけたツアーを観に行く方は、是非ナノに倣ってご当地おにぎりも楽しんではいかがだろうか。
それにしても、豊富な話題であっという間に1回分の収録が終わっていく。みんなに安心感を与えるような雰囲気も魅力的で、シンガー以外の「新たな可能性」を見出したようだった。ラジオは本人の顔が見えるわけではないが、語り手の人柄と温度が伝わるメディアである。それはパーソナリティの力量によるところも大きいが、語りかけるような言葉使いや、テンションの起伏が伝わってくる声色は、自然体なナノの姿をリスナーに思い浮かばせるだろう。きっと数々の舞台に立ってきた経験は、こういう場でも活きるのだ。ナノは人に何かを届ける、ということに関してプロなのだと改めて思う。また、毎回楽曲が3曲オンエアされてきたが、ナノの人柄を知ることで、何度も聴いてきた曲も新鮮に響くのがラジオの魅力である。
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