PopからAORへ。シンガーソングライターとして今なお支持される古内東子の軌跡を辿る
古内東子というシンガーソングライターを知っていますか?
多くの人は「名前は知っている、聞いたことがある」や「昔聴いていた」と答えるのではないかと想像します。なかには『「誰より好きなのに」を歌っている人でしょ?』という人もいるでしょう。
では、彼女が現在どのような活動をしているか知っているでしょうか?かつては「恋愛の神様」と謳われた彼女。1人のポップミュージシャンという情報をアップデートできていないのだとしたら、それは大きな損失かもしれません。
古内東子、これまでの軌跡を振り返る
古内東子は1972年、東京で生まれます。音楽好きの両親の影響もあり、幼い頃から音楽に触れて育った彼女。20歳のころ、姉との共作でオリジナル曲を作り始め、姉に内緒で送ったデモテープがきっかけで、1993年にメジャーデビューを果たしました。
1996年には彼女の代表曲ともなる7thシングル「誰より好きなのに」を発表。このシングルによりシンガーソングライターとして不動の地位を確立し、直後に発表した5thアルバム「Hourglass」は全国のCDショップにおいてチャートの1位を独占しました。さらに翌年の97年には6thアルバム「恋」を発表します。このアルバムの売上枚数はダブルプラチナ(50万枚)を記録し、彼女の音楽人生のなかでもっとも商業的に認められたオリジナルアルバムとなりました。
これまでに26枚のシングルと、16枚のオリジナルアルバムを発表しています。2018年10月17日には、6年ぶりとなる17thアルバム「After The Rain」の発表を予定。冒頭のYouTube動画は、そのリードトラックである「Enough is Enough」のミュージックビデオです。
古内東子の現在の活動は?
90年代当時はポップミュージシャンのイメージが強かった古内東子ですが、現在はAORなどのシティ・ポップへと音楽性を変えています。古内東子の音楽のアイデンティティともなっている歌詞の世界はいまだ健在。昔からのファンの支持はもちろん、当時を知らない世代にもファン層を拡大しています。
また、2000年代以降は商業的に少し落ち着き、徐々にマイペースな活動へと変わってきました。そのような状況を逆手に取り、現在はお客さんのリアクションがダイレクトに伝わるサイズのホールを中心にライブを続けています。
東京のCOTTON CLUB、横浜のMotion Blue YOKOHAMA、名古屋のBlue Note NAGOYA、大阪のbillboard LIVEなどでは、年に数回アコースティックの弾き語りツアーもおこなっており、会場では90年代当時の古内東子のイメージとは少し違う姿を見ることが可能です。
最新の情報は、公式サイトをはじめ、Twitterやブログでも発信されています。記事の最後に公式の関連リンクを記載するので、気になる方は覗いてみてはいかがでしょうか。
古内東子のおすすめ曲
2018年でメジャーデビュー25周年となった古内東子。長い音楽活動の歴史のなかには、多くの聴いておきたい曲があります。ここでは古内東子のおすすめ曲について紹介します。後半では筆者が聴いてほしいコアな楽曲も。
古内東子の誰もが知る名曲たち
誰より好きなのに
まずは古内東子の名刺がわりにもなっている「誰より好きなのに」。この曲を聴けば、彼女が「恋愛の神様」と呼ばれるようになった意味がわかります。
この曲は、90年代の名曲として徳永英明、JUJU、清水翔太など、錚々たるミュージシャンがカバー。この先もずっと歌い継がれていく曲になっていくことは疑いようがありません。
逢いたいから
親密な女友達への伝えられない恋心を、男性目線で描いた最初期の名曲。こういう切ない描写は、デビューから25年たった現在でも色褪せない彼女の魅力となっています。
歩き続けよう
彼女の曲のほとんどは、男女のパーソナルな関係性が聴きどころだったりするのですが、この曲「逢いたいから」は少し大きく昇華しています。ただセンチメンタルなものではなく、前向きな歌詞が印象的。
大丈夫
「大丈夫」は女性ファンに支持されている1曲。彼女のポジティブな片想いの楽曲の多くは、女性ファンから大きな支持を得ています。
Beautiful Days
パンテーンのCMソングとして大きな注目を集めたのが、この「Beautiful Days」。ウェディングソングにもぴったりです。
スロウビート
KICK THE CAN CREWのKREVAとコラボした曲。男女両方の目線から歌われる切ない歌詞は必聴。
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