心は既に苗場にある。
『FUJI ROCK FESTIVAL ’18』開催まで、残すところ1週間を切りました! 「もう私の魂は苗場。仕事がまったく手につかない」という心の声が聞こえてきそうな今日この頃です。歴戦のフジロッカーであれば既に準備を終えているかもしれません。マウンテンシューズと折りたたみ椅子はなる早でバックパックにツッコミましょう。
さて、皆さんも本格的に予習に勤しんでいると思いますが、いかがですか。公式プレイリスト(あるいはお手製のプレイリスト)を眺めながらタイムテーブルと格闘してますか。フェス全体を網羅するようなのは他に任せ、ミーティアでは部門別プレイリストを作ってみました。フジロックぐらい規模が大きく、かつ懐の深い音楽フェスは国内にはありませんから、そこに集まるアーティスト・オーディエンスは極めて多種多様。ここで表現できることなんてその極々一部ですが、それでもこの時期に苗場を覆い尽くす多様性に想像力を働かせてみたかったのです。
単なる予習でなく、「今年のフジロックにはこんなクラスタ(部門)があるのでは・・・?」という考察のもとに作成したプレイリストです。そしてこれを受け取った皆さんが、あわよくば全エリアを回って下さることを願っております。
ベッドルーム⇔ビッグルーム。空間を自在に操るエレクトロニック・ミュージック
ジェイムス・ブレイクやディスクロージャーなど、現行ダンスミュージックシーンには、仄暗い部屋で孤独に苛まれながら作曲しているようなアーティストが多いです。特筆すべきは、彼らの音楽がアリーナやスタジアムクラスの会場でも機能するという事実。ChvrchesやOdesza、そして日本のサカナクションはその好例と言えるでしょう。最新アルバム『I’m All Ears』が米Pitchforkにて「BEST NEW ALBUM」に選ばれたLet’s Eat Grandmaの勢いも見過ごせません。
音楽シーンの中枢、現行R&Bの止まらぬ快進撃
世界中のミュージシャンが現行R&Bからアイデアを引っ張ってきている昨今、やはりその中心にいるのはN.E.R.Dでありアンダーソン・パークであります。serpentwithfeetのようなエクスペリメンタルな要素を多く持つシンガーも台頭してきました。近頃は音楽とテクノロジーの関係もよろしいので、アーティストが表現できる幅も増えてきております。そのとき違いを生み出すのは、実はプリミティブな肉声ではないでしょうか。「最大の武器は自分の声」と言わんばかりの、たくましいヴォーカリストが大挙して押し寄せる今年のフジロック。
「インディー」とは結局なんなのか?①
本来の意味では「独立した」や「自主的な」などの意味を持つインディペンデント(=インディー)。ところが最近では(最近でもないですが)、かなり感覚的な言葉になっているような気がします。メジャーとインディーズの垣根は今も言葉としては存在していますが、果たしてその本質はどこにあるのでしょうか。“ヒップスター”や“サブカル系”と罵られながら、それでも音楽を漁り続けるコアなファンたちによって勝手に見つけられるサウンドが、限りなくそれに近いのでは。良い音楽を作ろうとする精神、そして良い音楽を見つけようとする精神。これらがぶつかり合うときに、「インディー」なる概念が発生するような、そんな気がします。(続く)
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