2017年も残すところあとわずか。毎日たくさんの情報をお届けしてきたミーティア編集部が「超個人的」な視点で選ぶ「BEST」企画をお届け! 第4弾は、BOOK編! 新刊に限らず、ミーティア編集部が今年読んで面白かった本をご紹介します。
デーヴ・グロスマン著 安原和見訳『戦争における「人殺し」の心理学』
初版が2004年に出版された古めの本です。かの国の動向が気になり、「もしWWW3が勃発したら…」と疑心暗鬼になった結果、読みました。著者が元軍人の方で、人間の同類を殺す際の心理が分かります。ちょっと難しめ。
坂元裕二『往復書簡 初恋と不倫』
ベストBOOK1冊選ぶのむずかしー! 又吉直樹『劇場』、花村萬月『日蝕えるまで』、小説以外なら『ラップは何を映しているのかーー「日本語ラップ」から「トランプ後の世界」まで』など超素晴らしい本にたくさん出会えた2017年。さんざん迷ったあげく、ドラマ『カルテット』との合わせ技で坂元裕二さんの小説にしました。胸を引き裂かれる作品。詳しくは参考記事をどうぞ!
永沢光雄『AV女優 (2)』
これは学生時代から読んでいるんですけど、いろんな人にあげちゃうので何度も買い直してます。今年で6冊目。永沢さんの熱量が凄まじい。だって、インタビュー中に永沢さんが号泣して、取材が中断しちゃうんですよ。森下くるみさんの回が一番好きです。
神林長平『ぼくらは都市を愛していた』
震災から6年経った今、ようやくこの作品に漂う違和感を咀嚼できた気がします。3.11により、明らかに「以前」と「以降」が断絶してしまった僕らの世界。その断絶をそのまま小説にしたのが本作『ぼくらは都市を愛していた』なのだと思います。本作が刊行されたのは2012年でしたから、その断絶を受け入れるのは僕らにはあまりに早すぎた。時間が経過した2017年、改めて読み返しましたが凄い小説です。
早稲田文学会『早稲田文学増刊 女性号』
川上未映子さんによる巻頭文から始まり、目次を読んでいるだけで心が躍るほどの豪華なラインナップの一冊。個人的には、岸本佐和子さん訳のルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き」、村田沙耶香さんの「満潮」、イ・ラン「韓国大衆音楽賞 トロフィー直売女」がたまらなく面白かった!
マリオ・リヴィオ著 斉藤 隆央訳『黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語』
本能的に美しさを感じられる黄金比と呼ばれる数字の秘密に迫る書。世の中にはこの黄金比を元に計算されたものがたくさんあるんですよね。
田渕義雄『森からの伝言』
つい最近買った本ですが。年間を通して積読ばかりのなか、これは届いたその日から読みはじめて、その日に読み切りました。すっかり忘れていたけど、たしかに自分のなかにあったソロー的思考がふつふつと蘇ってくる一冊です。
芦澤一洋『アウトドア・ものローグ』
この復刊がどれだけ嬉しかったことか。地球にお邪魔している人間として都会で暮らした芦澤一洋さんの真摯な言葉が体と心に染み入ります。芦澤一洋さんの著作物復刊を願って作り上げた特集。お時間あったら是非。「特集:芦澤一洋を知っているか?」
今年、みなさんの心に残ったのはどんな本だったでしょうか? 今回ピックアップした8冊はどれもおすすめのものばかり。ぜひ、年末年始をともにする本の参考にしてみてくださいね。ミーティアでは、これからもジャンルを問わずたくさんの本をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
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