OORONG MANAGEMENT所属のシンガーソングライター・桐嶋ノドカがキングレコードに移籍し、新たなスタートを切ることになった。桐嶋ノドカはいま、超大物プロデューサーたちがこぞって注目するなど、音楽業界や耳の早いリスナーの間でかなり話題になっている。そこで「桐嶋ノドカって誰?」な人のために、桐嶋ノドカとはどんなアーティストなのか。どんな魅力があるのかをまとめてみた。
Text_Sotaro Yamada
桐嶋ノドカとは?
桐嶋ノドカは、横浜出身のシンガーソングライター。
3歳の頃からピアノを始め、物心ついた頃には聖歌隊や合唱部に参加。その後も音楽大学へ進学するなど、常に歌とともに生きてきた。2012年夏、サザンオールスターズやMr.Childrenのプロデューサーとして、あるいはap bankの代表として知られる小林武史にデモテープを送ったことがきっかけとなり、小林武史のスタジオに通い始めることに。
2014年にリリースされた配信シングル『Wahの歌』がドラマの主題歌に起用されたことで話題となり、2015年7月にミニアルバム『round voice』でメジャーデビュー。同作品には小林武史の他、椎名林檎などの作品で知られる井上うにがエンジニアとして参加。井上は「一耳惚れなどほとんどしないのだが、桐嶋ノドカの声にやられた」とコメントしている。 ミニアルバムのタイトル『round voice』は、小林武史が桐嶋ノドカの声を「丸い声」だと表現したことに由来する。小林武史は桐嶋ノドカの強くしなやかに伸びる声を「こんな歌声の持ち主は今まで見たことがない」と評している。
同年11月には、映画『流れ星が消えないうちに』の挿入歌『柔らかな物体』を配信リリース。2016年には初となる東名阪ワンマンツアーを開催した。
そんな桐嶋ノドカの“ここがすごい!”を「歌声」「ライブ」「スタッフ」の3つに注目してみた。
歌声がすごい:生命そのものの力
桐嶋ノドカと言えば、まずは何よりも小林武史や井上うにが認める力強くて伸びのある歌声が特徴。どこまでも広がっていき、それでいて丸みを感じさせる「round voice」が聴く人の心にダイレクトに響く。「round」には「丸い」という意味の他に「朗々と響く」とう意味もあるが、桐嶋ノドカの歌声はまさに、丸く広がり朗々と響き、そこにいる人々をいつの間にか温かい心地にさせる。
桐嶋ノドカはいくつかのインタビューで「瞬間の自分を残して生き様をレコーディングしている」という旨の発言をしているが、この言葉の通り、桐嶋ノドカの歌声には「生きている感じ」が強く刻み込まれている。それはまさに、「生命そのものの力」と呼んでもいい。強い生命力を含んだ歌声は、聴く者の感情に直接訴えかけてくる。ある時はアコースティックな、またある時はエレクトロニカルな音を背景にしながら、聴き手の心に爪痕を残す。
(桐嶋ノドカ『柔らかな物体』MV)
桐嶋ノドカの歌声には透明感がある。力強い歌声の持ち主は他にもたくさんいるかもしれないが、そこにこれほど純度の高い透明感が合わさる歌い手は珍しい。力強さと透明感の同居は、独特の厳かさを感じさせる。これは聖歌隊というルーツが影響しているのかもしれない。何かが浄化されるような、まるで歌という形の長い祈りを聴いているような感覚になる。
これは冗談半分だが、その歌声と桐嶋という名字から、キリストを連想する人もいるかもしれない。
ライブがすごい:モノノフたちをざわつかせる
桐嶋ノドカのライブを見た者は、口を揃えて「圧倒的」という感想を述べる。華奢で小柄な体格やおっとりした表情からは想像できない歌声には相当なギャップがあり、ナマで見るとオーディエンスは言葉を失ってしまう。ライブ映像からでも感じてもらえると思うが、パフォーマンス中の桐嶋ノドカには何かが憑依している。音楽と一体化して、オーディエンスを別の世界に引きずり込むかのようだ。
(桐嶋ノドカ『風』ライブ映像@渋谷WWW 2016.4.2)
桐嶋ノドカのパフォーマンスの凄さは、ファン以外の人々にも感染しつつある。
たとえば2017年7月13日、THE ALFEEの坂崎幸之助とももいろクローバーZが司会をつとめる音楽番組『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』(CSフジテレビNEXT、生放送。第73夜『坂崎幸之助のももいろフォーク村ちょいデラックス 百田夏菜子生誕後夜祭×加藤いづみ生誕前週祭』)に出演した時のこと。桐嶋ノドカは有安杏果とともにBank Bandの『to U』を歌ったのだが、そのステージにおける桐嶋ノドカの圧倒的なパフォーマンスはモノノフ(ももいろクローバーZのファンのこと)たちの度肝を抜き、ざわつかせた。数ヶ月前のことにもかかわらず、現場のZepp Diiver Cityに居合わせた人はもちろん、CSで見ていた人の間でも伝説として語られている。
プロデューサー陣がすごい:小林武史×ryo (supercell)
桐嶋ノドカの才能に惚れ込んだのは、小林武史や井上うにだけではない。コンポーザー、イラストレーター、デザイナーが集うアーティストグループsupercellのryoもその一人である。
ボーカロイド「初音ミク」が歌唱するオリジナル楽曲をニコニコ動画に投稿したことから人気に火がつき、2009年に発表した1stアルバム『supercell』はボーカロイド関連の作品の中では最も高いセールスを記録。以降もゲストボーカルを呼んで制作を続け、また音楽グループEGOISTなどのプロデューサーとしても活躍。
そんな世界中にファンを持つryo (supercell)と小林武史による桐嶋ノドカ・ダブルプロデュース・プロジェクトが始動。その第一弾が、マンガ・ノベルアプリ『comico』(コミコ)で連載中の人気公式マンガ『爪先の宇宙』実写映画化作品の主題歌となる『言葉にしたくてできない言葉を』。本作は11月22日(水)にシングルとして発売される。小林武史とryo (supercell)というジャンルを超えたコラボに、桐嶋ノドカの歌がどのようにフィットするのか注目だ。
(桐嶋ノドカ『言葉にしたくてできない言葉を』)
ブレイク直前の多才な桐嶋ノドカに注目
小林武史とryo (supercell)という実力者が惚れ込んだ才能の持ち主である桐嶋ノドカは、要チェックすべきアーティストであることは間違いない。今後その才能の片鱗を次々と世の中に放っていくことになるだろうが、早くも新たな才能の一面を披露することになった。なんと、映画『爪先の宇宙』に主題歌だけでなく、役者としても出演することになったのだ。しかも主演という大抜擢である。演技経験のない歌手に映画の主演とは少し唐突なように聞こえるかもしれないが、ステージでの圧倒的なパフォーマンスと表現力を見れば、桐嶋ノドカに役者としてオファーしてみたくなる気持ちも理解できる。
各方面に活躍していく兆しのある桐嶋ノドカ。まずは小林武史×ryo (supercell)プロデュース第一弾シングルの『言葉にしたくてできない言葉を』(11月22日発売)を楽しみに待とう。
(桐嶋ノドカ×小林武史×ryo(supercell)ティザー映像)
桐嶋ノドカ 1st Single 「言葉にしたくてできない言葉を」
発売日:2017年11月22日(水)
【TYPE-A(CD+Blu-ray)】KIZM 509/10 ¥1,800+税
【TYPE-B(CD Only)】KICM 1816 ¥1,200+税
(TYPE-A(CD+Blu-ray) 収録内容)
1.「言葉にしたくてできない言葉を」 映画「爪先の宇宙」主題歌
2.「夜を歩いて」 -映画「爪先の宇宙」挿入歌
3.How do you feel about me ?
(Blu-ray収録内容)
「言葉にしたくてできない言葉を」Music Video
「言葉にしたくてできない言葉を」Making of Music Video
桐嶋ノドカ×爪先の宇宙 Collaboration Movie
「言葉にしたくてできない言葉を」「夜を歩いて」「How do you feel about me ?」
(TYPE-B(CD Only) 収録内容)
1.「言葉にしたくてできない言葉を」 -映画「爪先の宇宙」主題歌
2.「夜を歩いて」 -映画「爪先の宇宙」挿入歌
3.How do you feel about me ?
4.言葉にしたくてできない言葉を -桐嶋ノドカ×小林武史 Studio Session
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