3月17日(金)、代官山 UNICEで数年ぶりとなる『BASIC KITCHEN』が開催。この日のLIVEにはBASI & THE BASIC BANDに加え、WATT a.k.a ヨッテルブッテル、熊井吾郎×ISSEIという旧知の仲によるメンバーが集まった。
BASI & THE BASIC BANDの登場予定は21時過ぎ。来ている観客にはカップルや女性客も多く、見渡してみてわかりやすいB-BOY&B-GIRLを探す方が難しかった。DJのSEX山口がかける『決戦は金曜日』や『LA・LA・LA LOVE SONG』といったJ-POPメドレーも、“花金”の夜には心地よい。
(DJ:SEX山口氏)
(花金のフロア)
21時15分ごろ、BASI & THE BASIC BANDのメンバーがステージに登場。ライブの幕開けは、2014年に発売されたBASIの4thアルバム『MELLOW』の収録曲『Juliet』だ。シンプルにユルくリラックスできる…前作のアルバムのコンセプトは、そのまま『BASIC KITCHEN』にも当てはまる。「忘れられない〜いつまでも〜」…観客がiPhoneを向けると、それに向けてポーズを決めるBASI。ゆらりゆらり、曲に合わせてフロアの観客は身体を揺らし始めた。
続く2曲目も同じく『MELLOW』から『果てない』。イントロが鳴り響くとフロアが一気に沸く。「みんなもやり続けることね、好きなことを」とBASIは観客に語りかけた。『Juliet』も『果てない』もMVの舞台が台湾だったからかノスタルジックな曲の印象を持っていたが、BASI & THE BASIC BANDの手にかかるとそこにジャジーな音色が加わり、新たな魅力の『果てない』が披露された。
“針落としたら 夢に身ゆだねて 雨にさらされても 褪せない
聴かせておくれ 止まないあの歌を いついつまでも 果てない”
「最高っすね」、サビ終わりにBASIがそうつぶやく。確かにサビの合唱も含め、2曲目の段階ですでに会場には一体感があった。
「小気味よく進めていくライブもいいんですけど、いまはちょっとでもみんなとおる時間を、5分、10分でも増やしたいなと思ってて。今日はライブゆっくり運んでっていいっすか?」
観客はもちろんそのつもりだっただろう。そしてそこからBASIは、『BASIC KITCHEN』が始まったキッカケについても話し始めた。
「風営法という法律があって、大阪はあるときから夜中の遊びっていうのがなくなって。それでも俺らはその中で生きてるから、ミュージシャンとしての戦い方や表現の仕方を考えていかなきゃいけないと思って始めたのがこのイベントです。コンセプトは…とにかく“リラックス”」
(GOODS “BASIC KITCHENカップ”)
(GOODS “BASIC ステッカー&缶バッジ”)
そんなメッセージを受けた上での3曲目。それは4月5日(水)にリリースされる待望の5thアルバム『LOVEBUM』から『BLUE』。Trackは今宵同じステージに立ったISSEIが手がけている。しっとりと歌い上げるサビを始め、一言一言しっかりと伝わってくるリリック。身振り手振りも含めて観客一人ひとりにしっかりとメッセージを届けようとするBASIのステージングが印象的で、否が応でも観客の心と身体は“リラックス”へと持っていかれる。
続く『たゆたう』への流れも自然で、観客が聞き惚れる時間が続く。そして「振り返ればいつも 曖昧に誤魔化している」で始まるサビを観客も口ずさみ、最終的にBASIはマイクスタンドごと観客に向け、フロアには観客の歌う『たゆたう』が響き渡った。BASIの曲はライブで歌いたくなる曲が多い。それは曲として聞きやすい&歌いやすいというのがあるのはもちろんだが、自分のことを歌っているような気がする…というリリックの共感度が大きい。
5曲目は5thアルバム発売に先駆けて、このイベントの前日にMVが公開された『みたせど』。TrackはWATT a.k.a ヨッテルブッテル、VideoはISSEIというこちらも今回の出演者で作り上げられた一曲だ。もうすでにMVをチェックしたBASIファンも多かったのだろう。観客の「待ってました!」感の中、ただこの曲に関しては新曲ということもあってか、観客の“しっかり聴き込もう”という雰囲気があった。
ここで間奏が入る。BASIは共演者について「俺の中での流行りがWATT a.k.a ヨッテルブッテルであり、熊井吾郎×ISSEIであり、SEX山口だから」と語る。そんな言葉ひとつ取っても、BASIという人間が仲間との繋がりを大切にしてここまでやってきたことがわかる。と思いきや「ちょっとリアルなことします」と言いながら、バンドのメンバーに耳打ちするBASI。
「次の曲、何か聞きました」
爆笑に包まれる会場。ふたつ候補があって決め切れなかったらしい。そんな人間味もBASIの魅力のひとつだ。
「ライブは後半戦へ、まだまだ続く“GOOD MUSIC”は「一体感」や、ともに感じる「高揚感」を大切にしているように思える」
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