2017年1月27日、生誕五周年を迎えるバーチャルアーティスト・IA(イア)。
1月25日に初のライブDVD/Blu-ray、『PARTY A GO-GO』を発売するなど、波に乗るIA。
1月27日には生誕二周年のONEと共に、ニコニコ生放送、ビリビリ動画、Facebook Liveを通じたアニヴァーサリー特番の世界同時配信が予定されています。
(【IA & ONE】 Into Starlight -anniversary special ver.-)
ミーティアではアニヴァーサリー特番の放映に先駆け、IA、<stONEのARライブ収録現場を突撃!
1月27日に放映される、ARライブによる五曲の収録の様子を取材してきました。
IA、ONEのライブの最大の魅力の一つでもあるARと人間の「セッション」、その裏側をお届け!
ヴァーチャルとリアルの融合~AR最前線
AR(Augmented Reality)とは、日本語では「拡張現実」のことを指します。「Augment」というのは、何かを増やす、増強する、付け加えるといったような意味です。
ARの何がどうすごいのか。
そして、何故ARがいま注目なのかを知っていただくには下の映像を見ていただくのが一番です。
(『Microsoft HoloLens Review, mind blowing Augmented Reality!』)
上の動画は、Microsoftが12月2日よりプレオーダー受付を開始、1月18日より順次発送を開始した『Microsoft HoloLens』のレビューに関するものです。
HoloLensはAR対応のヘッドマウントディスプレイで、別途PC等を用意すること無く単体で、自分の部屋や街など現実の空間に映像や情報、3DCG等を重ねて表示する拡張現実体験を提供するものです。
上のHoloLensのレビュー動画の中で、男性は自分の部屋に幾つものブラウザを立ち上げたり、惑星やサメを出現させたりしています。ヴァーチャル空間と現実の空間が重なり合いながらも、シームレスに存在している。
それが拡張現実の面白みの一つです。
(『Windows Holographic: Enabling a World of Mixed Reality (Narrated)』現実空間とホログラムの世界を行き来しながら作業をする人の姿が描かれています)
最先端のAR技術や、『Microsoft HoloLens』と言うと「それって、海外の話でしょ?」と思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、最先端のARは海外にとどまらず日本でも普及が始まっています!
今回、ミーティアでライブ収録に潜入したIA、ONEもその最良の事例の一つと言えるでしょう。
(IAの1stライブ『PARTY A GO GO』の様子。ステージ上に置かれた特殊な透明の板に、背後からプロジェクターで映像を投影している。今回のARライブとはまた異なる仕組みのライブだが、客席の観客からはIAがあたかもその場にいるように見えている。)
ヒトと3DCG、共演の裏側
収録が行われた1月21日、ARライブの会場の恵比寿CreAtoには膨大な数のカメラとクレーン、Unityを立ち上げたPCに大量のHDDがずらっと運び込まれていました。
(AR映像チームの機材の様子。HDDの数も多いし、何より配線の数がとっても多い!)
(カメラの向こう側、実際にはIAとONEの影が見えるのみ。ステージの上は空っぽ…!)
(モニターを介すると、ステージにIAが居る様子が分かります)
IA、ONEに息が吹き込まれていく
この日、収録された楽曲は五曲。
IAとONE、それぞれの代表曲、ソロ曲の他、1月25日にダウンロード配信/定額配信にてリリースされたIA & ONEのコラボ曲『Into Starlight』、そして忍者をモチーフにした新ビジュアルが話題となっている新曲が披露されました。
今回のARライブ収録で、圧巻だったのは「影」です。
ステージ上で踊るIA、ONEの背後のLEDには影が投影されています。
肉眼では、ステージには影が映っているだけのように見えますが、カメラ、モニターの上では3DCGと影が折り重なって表示されます。
IA、ONEの3Dと影が綺麗に折り重なり、その二つが音楽と合わせて動き出したのをモニターで見た瞬間には、ヴァーチャルな存在がまさに命を宿したものに感じられます。
とても不思議で、それでいて感動的な体験です。
影を描写する際、ARは「IA、ONEがステージの何処に立ち、どの位置からライトが当たるから、ここに影が生じないとおかしい」といった具合に綿密に計算した上で、CGに影を重ねなくてはいけません。
この影の描写を省いてしまうと、ARライブの最大の魅力である3DCGの「立体感」は損なわれてしまいます。
とは言え、言葉で言うのは簡単なようで実際のステージ上で3DCGと背後の影をうまく重ね、なおかつきっちりと音とCGの動きも合わせていくというのはやすやすと出来るものではありません。
AR技術を用いたライブに発生しがちな問題の一つに、「映像の遅延」があります。
PCからリアルタイムに映像を出力し、ステージに投影するとどうしても微妙なラグが発生しがちなのです。
音と映像、AR、それぞれがほとんど合っているのに微妙に合わない――では、どうすればいいのか?
収録現場では、IA開発元である1st PLACE社の村山社長、3DCGのモデリングの担当の方、エンジニア、ダンサー、そして『東京リアルワールド』収録の際には、IAとステージ上でセッションを披露したout of serviceの二人も交えて、活発な意見交換が行われました。
(カメラの位置、IA & ONEのARの動きスピードの調整中のシーン。)
(ステージ上のONEの位置を調整。ベテランの映像チームの方々が微調整をしていく辺りはまさに職人芸でした。)
(東京リアルワールド / out of service)
(ステージに登場した、out of serviceの二人)
(ARのIAとのセッションを披露!この曲でのIAの振りは、非常にキュート!今回のライブの見どころの一つです)
ライブ収録終了後、ミーティアではIA、ONEのモーションキャプチャー、及びARのバックダンサーの振り付けを担当するMASAMI(Rock Steady Crew)、及びダンサーのRUNA、SAKURA、YOUTEE(Rock Steady Crew)に取材を敢行!
ARとセッションをするというのは、「人間」にとってはどのような感覚があるものなのか。
3DCGの振り付けを考える上では、どういったことに気を配っているのか。
今回のライブの見どころと合わせて、お話を伺ってきました。
次のページは「ARだからといって、意識が変わることはない」
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