近年、コミックマーケット(以下、コミケ)の人気が高まっている。
2016年8月12~14日に東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット90」の来場者数は53万人、経済効果は約180億円とも言われ、海外からの来場者も増えている。
また、有名アーティストの出展も増えてきており、2014年夏と2015年冬には小林幸子が、2016年夏にはT.M.Revolutionこと西川貴教が出展して、それぞれ話題を呼んだ。
【小林幸子最新情報】コミックマーケット86に参加させていただきます。 http://t.co/qQMvaoXOmB #小林幸子 @Sachiko_5884さんから
— 小林幸子オフィシャル (@Sachiko_5884) 2014年7月13日
コミケ準備なう。1日目西a-56「T年M組&レボ八先生」で遂に貴教サークルでコミケ念願の初参加でございます!午前中には僕も皆さんと同じく参加者として登場予定!当日は熱中症に気を付けて、スタッフさんの指示に従い最後まで楽しみましょう! pic.twitter.com/5P7jufHMCE
— 西川貴教 (@TMR15) 2016年8月10日
もともと二次創作漫画をメインに扱うイベントであったコミケは、かつては「オタク」という文脈の中で語られることが多かった。
しかし、上記したように、「オタク」という限定された特殊な文脈でコミケを説明することは、もはや不可能だと言っていい。
こういった状況の中、近年、音楽に特化した同人イベントが注目を集めているのをご存知だろうか?
それがM3である。
http://www.m3net.jp
M3とは、「Multi Media-mix Market」の略のことで、正式名称を「音系・メディアミックス同人即売会」という。
コミケのように出展者ごとにブースがあてがわれており、来場者は出展者と交流したり、アーティストの生演奏を楽しんだり、作品を視聴・購入したりできる。
要するにコミケの音楽版だと考えてそれほど差し支えないが(そもそもM3の始まりは、コミケに音楽のカテゴリーがなかったことがきっかけだそうだ)、MEETIAが行ったとあるインタビューによると、コミケとM3の大きな違いのひとつに、「出展者と来場者の距離の近さ」があるという(巷で注目されつつある”同人音楽”の魅力とは? ファン歴10年のAさんの場合)。
つまり、「コミケではアーティストとそんなに喋れないけど、M3だと結構喋れるので、お得感がある」ということである。
振り返れば、リスナーと音楽の関係は、古くはウォークマンやCDプレイヤーの登場によって「聴く・観る」ものから「持ち歩く」ものへと変化し、近年ではSNSやサブスクリプションサービスの発達によって「二次元上で交流する・シェアする」ものへと変化してきた。
そういった中、次の変化として注目されているのが「立体的に交流する・出会う」である。
立体的に出会うとは、三次元的に、物理的・身体的に出会うこと、つまり、顔と顔をつきあわせて文字通り出会うことである。音楽における立体的な出会いとは、リスナーと音楽の作り手が、アナログに出会うことを意味するだろう。そのひとつとして、ライブビジネスの市場規模が伸び続けていることは、周知の事実である。
さて、前置きが長くなったが、MEETIAでは、ライブよりもいっそう立体的な音楽との出会いの場として、「音系・メディアミックス同人即売会M3」に注目し、運営者(準備会、という)である副代表の永尾大地氏にメールインタビューを行った。
10/30(日曜)に開催される「M3-2016秋」を直前に控え、突っ込んだ質問にも快く応えていただいた。
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