同業者・音楽好きリスナーを唸らせるペトロールズサウンドは必聴すべき音楽の一つ
”誰もが知るアーティスト”というわけではないけれど、プロや本当の音楽好きたちから愛されているバンド”ペトロールズ”。神出鬼没なギターリスト長岡亮介を中心に現在、最注目のアーティストであるKID FRESINOのバンドセットでは欠かすことのできないベーシスト三浦淳悟、さまざまなアーティストのサポートを務めるドラマー河村俊秀の3人のメンバーで結成されたペトロールズは結成から10余年経ちますが、発売した全国流通版のアルバムはフルアルバムの「Renaissance」のみ。(シングル・ミニアルバムもカウントすると全国流通盤は3枚)
ルーツの違う3人がなぜここまで、本物の耳をもった人間に好かれることができるのか、それは作詞・作曲を務めるギター長岡の音楽的センスが影響しています。
これまでに東京事変や椎名林檎、星野源など名だたるアーティストのバックでギターを弾く彼。カントリーやブルーグラス、ジャズ、ソウルなど多彩なサウンドを咀嚼した彼の作るサウンドにはグルーヴや色気を感じることができ、その卓越した技術が”本物の耳”に響くんです!
今回はそんなペトロールズのオススメ曲にフォーカスし、彼らの魅力についてご紹介していこうと思います!!
雨
ペトロールズ―雨
2008年にライブ会場・タワレコオンライン限定で発売されたミニアルバム「EVE2009」に収録されるこの楽曲は、ペトロールズの代表曲と言っても過言ではありません。これまでにマイナーチェンジを繰り返し、さまざまなアルバムに収録されるこの「雨」は2017年発売のトリビュートアルバム「WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?」でSuchmosにもカバーされています。
3ピースのシンプルな編成ながら、3人の卓越した技術が全面に出たサウンドはペトロールズの良いところをすべて詰め込んだ楽曲ともいえ、特にラストサビが終わった瞬間からスタートする長岡のギターソロは圧巻。雨の憂鬱な印象を払拭するサウンドは流石です。ペトロールズを知らない人はこの曲から聴いてほしい!!
ホロウェイ
ペトロールズ―ホロウェイ
2010年の会場限定シングル「Idol」に収録される、ホロウェイは楽曲というよりかは、セッションに近いそんな曲。なかなか始まらないAメロは音楽好きにはたまらないと思います。「いつ始まるんだろう?」「え、また転調した!」など曲が終わるまでに、ここまで何度も楽しみがある楽曲は他にはないのではないでしょうか。
イントロから転調を繰り返す楽曲はメジャーコードを多用したものとコード譜を見れば理解はできますが、いざ演奏するとなるとここまで難しいのかと実感します。それを涼しい顔で弾き、なおかつ歌う長岡亮介は正直化け物…(笑)。彼のギター技術は日本でもNO.1なのではないかと思うほど秀逸なものなのです。
アンバー
ペトロールズ―amber @ 森、道、市場 2016
2009年発売のシングル「amber」に収録されるこのアンバーもまた会場限定盤として販売されたもの。雨同様、マイナーチェンジを繰り返し、今もなおライブで歌い続ける名曲の一つです。森、道、市場の映像を観ていただければ分かるかと思いますが、オーディエンスの気持ちよさそうな横ノリは3人のグルーヴがあってこそのもの。ライブやフェスに合わせて音色を変え、同じ曲なのに聴くたび、表情の違う音楽の数々はペトロールズにしかできないものだと思います。
アンバーも彼らを語る上で欠かせない楽曲なので、必聴していただきたい!!
ASB
ペトロールズ―”ASB” – SLEEPERS FILM
2012年発売のミニアルバム「Problems」に収録されるASB。聴くだけで遊びに行きたくなるこの楽曲は、3つの楽器しか使用していないはずなのに、いろいろな場所から音が聴こえてくる不思議な楽曲。(特にライブでの演奏)
音の出どころが全く分からないのも彼らの魅力の一つであり、ライブハウス全体を異空間に変えてしまうサウンドマジックは遊びのように楽しみながら演奏するベテラン3人だからできるもので、余裕で難しい演奏をこなすいい意味で”憎たらしい”グループだと筆者は思っています。
ちなみにこのミニアルバム「Problems」のCDジャケットは3人が体育座りをしているもので、3人とも可愛らしいので、そこにも注目してみてくださいね!
FUEL
ペトロールズ―FUEL @ 頂 -ITADAKI- 2015
2015年に発売されたフルアルバム「Renaissance」に収録されるFUELはトリビュートアルバム「WHERE, WHO, WHAT IS PETROLZ?」ではオリジナル・ラブがカバーをし、長岡と田島貴男とのライブ「ふたりソウルショウ」でも演奏された、大人の色気全開の楽曲です。
燃料を意味する「FUEL」は車好きでもある長岡の遊び心が感じられ、ガソリンを意味する「ペトロールズ」がこの曲を歌っているっていうのが、うまく言えないけどなんか面白い。サウンドもシンプルながら音は分厚く感じられ聴き流すだけで楽しめるはずですよ!
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