王舟(おうしゅう)は、上海で生まれ、そして日本で育ったミュージシャン。音楽通から注目されるアーティストの一人で、現在はライブ活動の他にもCM楽曲提供やプロデュースなど、その活動の幅は多岐に渡る。セカンドアルバム「picture」がリリースされ、じわじわとその名を着実に広めつつある彼の今までの軌跡と、音楽性を解説。
セカンドアルバム「picture」リリースまでの軌跡と、人物について。
2014年7月に、彼がリリースしたデビューアルバムは、多くの音楽好きの話題をさらっていった。ゲストミュージシャンを多数迎えてのバンド編成で作り出したデビューアルバム「Wang」。その製作にいたるまで、彼の活動の拠点であったのは八丁堀の「七針」というライブハウスである。その場から、世界を舞台に活躍するミュージシャンである「トクマルシューゴ」に一目置かれる存在であった王舟は、彼の主宰する音楽フェスに出演し、無名であったにも関わらず、その音楽性が評価されCDが完売する、という偉業を成し遂げたのだ。そんな彼の才能に目をつけ、バックアップを申し出たミュージシャンにより完成したのが「Wang」であった。
セカンドアルバムは、すべてをたったひとりで担当し、注目を集める。
その音楽性が高く評価され、2015年には12インチシングル「ディスコブラジル」をリリースすると、2016年には、話題のセカンドアルバムである「picture」をリリース。このアルバムは、前作である「Wang」とは全く異なり、なんとたったひとりで制作を行った。たったひとりで、すべてを自宅で制作したというセカンドアルバムでは、驚くほど伸び伸びとした音が、彼の秘めた才能を感じさせる作品となっている。アルバムリリースを記念したツアーも決定しており、名古屋が皮切りとなったツアーでは、京都・広島・福岡・札幌・そして仙台をソロでまわり、大阪・東京ではビックバンド編成でのワンマンライブを敢行。見事成功に導いた。
カントリーミュージックのようで、ポップスのような聴きやすさ。
彼の音楽の魅力を、人々は「難しくない音楽」と語る。ゆったりと時と共に流れるカントリーミュージックは、ノスタルジックな雰囲気である一方で、野暮ったくなりすぎず、スマートで無駄がない都会というもののエッセンスも盛り込まれている。要は、聴きやすく人々に受け入れられやすい音楽なのである。どこかキャッチーでポップな、まさしく「うた」なのであり、耳に心地よいサウンドが王舟の音楽の魅力の一つなのだそう。音楽好きが集い、彼の音楽をきっかけに生み出されていく楽曲の数々は、何か新しい音楽を探している人や、耳に馴染む音楽を求めている人にもおすすめだ。音楽通ならずとも必聴だ。
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