LEXの多彩なサウンドにのせて繰り出されるインパクト強なMVとオリジナリティー溢れる歌詞
LEXは湘南出身のラッパーでエレクトロなフューチャーサウンドと日本語と英語を織り混ぜた独特な歌詞が魅力的です。バラエティーに富んだ音楽性を持ちながらも、年齢現在まだ17歳。モッシュなどもある激しいライブも話題となり、ティーンを中心にして爆発的に人気を確立しています。
LEXは現在2枚のアルバムをリリースしているヒップホップアーティストです。
2019年4月に発表したファーストアルバム「LEX DAY GAMES 4」はApple Musicの「今週の新人」にピックアップされ注目を集めました。アルバム発表後にはRed Bull主催のサイファー「RASEN」へ参加し更に話題に。
その後わずか8ヶ月の短い期間を経てセカンドアルバム「!!!」が12月11日に配信されました。
主にSoundCloudから曲を発表し、17歳という若さにして曲のストック数は400曲以上あるとも話しています。
同年9月10日にはLEXの私生活を描いたドキュメンタリー「“LEX”」がluteにて公開されました。17分間の映像にはありのままラフに楽曲制作を行う様子とLEXの抱えたダークでセンチメンタルな部分が吐露される様子が収録されています。
また、Tohjiを擁するMall BoyzのMV「Higher」に出演するなど2020年は更に大きな飛躍が期待されます。
母親が音楽好きだったこともあり、幼い頃から音楽が近くにある生活を送っていたLEX。幼い頃から歌うことが好きだったり、ヒップホップダンスをしていたりと幼くして現在のアーティスト活動の片鱗が垣間見れます。ジャスティン・ビーバーや海外のトレンドミュージックに触れながら成長しビートを作りはじめたのは14歳の頃で、当時はKID FRESINOやC.O.S.A.を良く聴いていたそうです。
LEXのオススメ曲
LEX のストロングポイントはメロウな歌声と耳馴染みの良いエレクトロなサウンドにあります。新しいのにどこか懐かしい浮遊感のあるメロディーは聴く人の心をしっかり掴みます。
英語と日本語を独自のバランスで散りばめた歌詞はメロディーとも相性が良く、ポエムとしてリズム感優先の言葉選びをしつつ、HIPHOPならではの過激な一面もありLEXならではのオリジナリティーを感じられます。
STREET FIGHTER 888 (feat. Only U,Sleet Mage)
この曲が収録されているアルバムは映画「レディ・プレイヤー1」にインスパイアされたジャケットになっています。未来的でゲームっぽいピコピコとしたメロディーが耳馴染み良く、音につられて体が動き出してしまう曲です。
Only Uによるアニメーションも可愛げがあって曲のカラフルさを更に演出しています。
UPDATE feat. who28
メロウなメロディーとオートチューンのかかった声が気持ちよく、クールな曲。
「STREET FIGHTER 888」と同じファーストアルバムに収録されており、LEXの持つ音楽性の振り幅が伺えます。いつか死ぬことを受け入れながら、変化していくことを恐れない覚悟が伺えます。
PiNK MOLLY (feat. Saru jr.Fool)
妖艶なサウンドは徐々に体を蝕んでいくよう。
ずっと同じシーンを繰り返していくミステリアスな映像も恋の苦悩を表しているようで、見終えた後にも映像と音が頭のなかでループし続け、いつの間にか「PiNK MOLLY」を再生してしまうドラック的中毒性があります。
MVの真ん中に写っている自由の女神のような銅像(?)は、近づいていくと横向きの女性に見え、彼女はこっちを向いていなかったのかとセンチメンタルな気持ちになります。
STAR
前作は自主制作でしたが、セカンドアルバム「!!!」はゆるふわギャングや田我流などが所属するレーベル「Mary Joy Recordings」からリリースされました。
「STAR」はそのアルバムのメインを担う曲で、過去のイメージとは一転、ダークでヘヴィーな雰囲気を纏っています。革命をテーマにインパクトの強いMVとドープなサウンドがクセになります。
GUESS WHAT? feat. XakiMichele
「2001年宇宙の旅」へのオマージュを交え、ティーンの間で流行しているドラックを風刺的に描いているMV。サウンドの持つ妖しさを映像の節々で出てくる人工的なネオンカラーが加速させます。日本語離れした独特なフローは真新しく、ここではないどこかへ連れて行ってもらえるような感覚に陥ります。フィーチャリングで参加している夜猫族に所属のXakiMicheleのハードなボイスが曲に対して良いスパイスになっています。音だけでなく映像作品として鑑賞しても楽しめる作品です。
ゲームの世界のようなトリップ感や重厚感のあるビートに加え、日本語と英語を織り混ぜた独特なスタンスの歌詞はLEXならではの武器。
彼の持っている多くの引き出しはおそらくこの先も増えるでしょうし、あの手この手でファンを楽しませてくれるはずです。
LEX自身も17歳で、リアルを作品に落とし込むラッパーという表現者だからこそ、自分と他者との関係性に悩みもがくティーンに最も寄り添うことができるアーティストではないでしょうか。
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