メンバーの個々が映える、メロウな楽曲も必聴
また、ミーティアは今作が、より各人の実力や魅力を引き上げている面に着目。そのあたりを各人に聞くと……。
「ここまでやってきて、みんなの得意な部分が分かったので、あえて今回はみんなが得意じゃないところも多くいれてみた。このバンドは他と違い、“みんなで上手くなっていこう”“ここが苦手だから克服していこう”と成長していくバンドでもあるので、今回はあえてそこに挑んだ。結果、自分の予想もつかないものが生まれたのが面白かった」(川谷)
「かなりのスパルタでした(笑)。そのおかげもあり、かなり成長できた実感があります」(くっきー!)
「終始大変で、楽なところは全くなかった。エンディングをむかえて毎度ホッとする状態で。スパルタといえば去年の5月ごろにいきなり新曲5曲を2ヵ月ほどで覚えなくちゃならなくて本当に大変でした。いつもは2ヵ月かけて1曲をかたちにするペースで習得していたんですが、そのころは吉本新喜劇の全国ツアーとも重なってほぼぎっくり腰状態でした(笑)。でも、それらを経て一皮剥けた感は非常にあります」(小籔)
「前作を経てだいぶ肩の力を抜いて歌えるようになりました。前より確実に自分を歌に出せるようになったかなと。ただ指導通りに歌うのではなく、きちんと自分で理解し咀嚼して歌にいどめたので、そのあたりの反映を感じてもらえたら嬉しいです」(中嶋)
「ほかもいろいろとやっている中、これだけの曲を提供してくれて、川谷さんの自分たちにかけてくれるエネルギーや情熱が嬉しくて。なるべく応えようと各曲挑みました」(新垣)
基本的にはキャッチーさや覚えやすさ、がゆえの親しみやすさと多少の毒々しさやエモさも含んでいる彼らの楽曲だが、逆にしっかりと聴かせ、浸らせるメロウな曲もいくつか今作では目立った。中でも1曲目の「シャミナミ」やラストの「まるで幸せ」からは、そのあたりが強く感じられる。ほかにもアイナ・ジ・エンド(BiSH)をまじえた切なくてメロウなデュオ曲「不便な可愛げ」、くっきー!や小籔を試すかのような変拍子と哀愁漂うメロウさも印象的な「プリマドンナ」、ゲスの極み乙女。を彷彿とさせる切なさとメロウとの同居とグータラを問う、くっきー!のスラップも聴きどころな「グータラ節」もその類い。
そんななか、「まるで幸せ」に関しては、「ラストは真面目に終わらせたかった。超どバラードにして、これもジェニーハイだからできたし作れた。今後が見えたし、また違ったことにも挑戦したくなった更なる幅を広げられた、より人柄も出たアルバムになった」と川谷。「特に真面目にやった」と小籔、「途中で泣いちゃって練習どこじゃなかったいい曲」とくっきー!が続け、「最後にストレートなバラードができてよかった」(新垣)、「ファンの方も一緒に歌いたくなる。ここまでのどラブソングは歌ったことがない」と中嶋が締めた。
バンドとして確立し「60歳までやりたい」
年末には大型カウントダウンイベントにもすでに出演が決定している彼ら。ここでは疾走感とドライヴ感溢れるサウンドの上、ダイエットの哀しい誓いがなされる今作収録の「ダイエッター典子」も映え盛り上がりそうだ。目標のひとつでもあった「ミュージックステーション」への出演も早々に叶い、次にどのような目標や方向性に向かっていくのか? それには、彼らの以下の力強くもユーモラスな言葉たちを参照して欲しい。
「喧嘩ぜず60歳までやりたい。その際は“15年続けたらここまで上達するものなんだな……”と感心してもらえるようになりたい(笑)」(小籔)
「今後はP(川谷)が楽曲制作に疲れたり煮詰まったら自分が作る。次は2曲程は自分の曲を入れたい(笑)」(くっきー!)
新垣は「ラップを上達させますから見ていてください!!」と力強く語れば、中島が「集まるだけで楽しい。目標は長く続けること。そして“中島イッキュウ 彼氏”で検索されること(笑)」と告げ、最後は川谷が「色メガネではなく、ちゃんとしたバンドとして認められるようにしたい!!」との気概を改めて力強く誓った。
その言葉を裏付けるように、この日の「ミュージックステーション」をはじめ11月27日の今作リリース、同日晩には、リリース記念フリーライブが東京・六本木ヒルズアリーナにて行われ、年末のCOUNTDOWN JAPANでもその雄姿や実力を魅せてくれる彼ら。今作を機に、より「バンドとしての真剣さと本格さ」を感じさせ、それを今後ますます確立し私たちに確信させてくれることだろう。各人多忙がゆえにその進みはマイペースかもしれない。しかし、今後ますますのその活動の活発化と充実化を期待したい。
<ジェニーハイ>
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<1stアルバム「ジェニーハイストーリー」>
1. シャミナミ
2. ダイエッター典子
3. 不便な可愛げ feat アイナ・ジ・エンド(BiSH)
4. ジェニーハイラプソディー
5. プリマドンナ
6. ヘチマラップ
7. グータラ節
8. 愛しのジェニー
9. バレンタイン泥棒
10. まるで幸せ
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