いきものがかり、初の単独配信ライブを開催。15年の歴史と未来が詰まったステージに

いきものがかり

映像は横浜アリーナへと戻り、15年の感謝を伝えるかのように名曲「ありがとう」が歌われる。普遍的なメッセージはいつまでも色褪せない楽曲であることを改めて感じさせられた。そして昨年8月にリリースされ、テレビ朝日系木曜ドラマ『未解決の女警視庁文書捜査官』第2シリーズの主題歌としても話題の「きらきらにひかる」、疾走感のあるメロディとブラスサウンドが印象的な「BAKU」と、最新曲が続く。「BAKU」はライブ初披露だったのだが、メロディに合わせて次々と切り替わるカメラワークの演出が、ライブの臨場感を非常に良く伝えていた。

「タオルを回して行くぞ！」と吉岡が煽るように呼びかけた後に披露されたのはもちろん「じょいふる」。本来であれば会場でその一体感を味わいたかったが、あいにくの無観客。だが、恒例のタオルを振り回すように掛け合う姿は無観客であることを忘れさせてしまうほどの歓喜と熱気に包まれていた。曲の最後には15周年にちなみ15回のジャンプを呼びかけ、画面越しのファンとともに地元神奈川の横浜アリーナの地で歴史を踏みしめた。

「最後はやっぱり自分たちの15年の始まりの曲を。この曲を歌うと当時のあたたかい空気を思い出すし、これから頑張ろうという気持ちになれるから、またこの曲を歌って次に進みたいと思います」と語り披露されたのは本ライブ2度目となる「SAKURA」。15年前に思いを馳せ深い余韻を場内に残したままメンバーは横浜アリーナのステージを去っていく。

画面はそのまま舞台裏で談笑するサポートメンバーの姿を捉えると、しばらくして3人もその場に合流。舞台裏の映像もシームレスで差し込むというオンラインライブらしい演出がここでは見られた。チャット欄がアンコールのコメントで埋め尽くされるなかで、再びステージへと戻るメンバー。そこでメンバーから「いきものがかりのみなさん、こんにつあー!! THE LIVE 2021!!!」の追加公演の開催と、新曲「TSUZUKU」が映画『100日間生きたワニ』の主題歌に決定という2つの大きなトピックが発表された。

さっそく本邦初公開となる新曲「TSUZUKU」を披露。未来に向けた力強いメッセージが込められた同曲は、いきものがかりのこれまでの楽曲たちように聴き手の背中を押してくれることだろう。

つかの間の暗転を経て、暗闇のなか一筋の光が差し込むと吉岡の力強いボーカルが響き渡る。ライブのクライマックを担うのは2012年のロンドンオリンピックのテーマソングでもあった「風が吹いている」。歌詞が2番へと差し掛かると、MVを彷彿とさせるカメラワークへと切り替わり、メンバーは横浜アリーナの中央へと歩き出す。無観客だからこそできたセンセーショナルな演出は本ライブのハイライトではなかったのではないだろうか。

ラストサビにかけて徐々に吉岡の声には感情が帯び始め、少しだけ涙を浮かべているようにも見えた。ステージ上には「次は、会おう！　みんな、元気でね！」というメンバーからのメッセージが大きく映し出され、15曲にも及ぶオンラインライブは幕を閉じた。

「いきものがかりデビュー15周年だよ!!! 〜会いにいくよ〜特別配信ライブ」3月14日公演　セットリスト

1.会いにいくよ
2.笑顔
3.茜色の約束
4.気まぐれロマンティック
5.アイデンティティ
6.KIRA★KIRA★TRAIN
7.YELL
8.夏・コイ
9.ありがとう
10.きらきらにひかる
11.BAKU
12.じょいふる
13.SAKURA
14.TSUZUKU
15.風が吹いている

「いきものがかりのみなさん、こんにつあー!! THE LIVE 2021!!!」

2021年4月14日（水）大阪・大阪城ホール
2021年4月15日（木）大阪・大阪城ホール
2021年4月24日（土）愛知・日本ガイシホール
2021年4月25日（日）愛知・日本ガイシホール
2021年5月07日（金）千葉・幕張メッセ国際展示場1〜3ホール
2021年5月08日（土）千葉・幕張メッセ国際展示場1〜3ホール
2021年6月10日（木）神奈川・横浜アリーナ
2021年6月11日（金）神奈川・横浜アリーナ