I Don’t Like Mondays.は何故愛されるのか?
今回のツアーファイナルが、I Don’t Like Mondays.のライブ初参戦だった私の印象では、彼らが幅広い客層に愛される魅力は大きくわけて3つある。
1、メンバー全員がイケメンであること。(笑)
2、キング・オブ・ポップの継承者であること
彼らの楽曲はいわゆるポップスである。ブルーマンに所属していたという秋気(Dr.)が繰り出す、踊り出さずにいられなくなるリズムや、悠(Vo.)が発揮する27歳成人男性と思えないほどのハイトーンボイスは突き抜けるように心地よく、キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンを連想させる。悠の客を引っ張る力がハンパなく、声や拍手を使ったコールアンドレスポンスが楽しい。彼らの音楽がはじまれば現実がふっとび、一瞬にしてその場はパーティ会場となる。そのリズムは客を酩酊状態に陥らせ、フライパンの上で爆ぜるポップコーンのように会場が盛り上がる。4曲目のBADMANなんかはMJへの明確なオマージュと悪役バットマンのダブルミーニングだと思えてきて、私はニヤニヤしてしまう。
3、アンチ月曜日を体現する存在であること
SNSを開くと、月曜日だというだけで憂鬱なひとは全世界に6億人いるといわれている(?)。社会の歯車である我々にはきっと浮き世をまったく考えないでいい時間・空間が必要なのだ。
I Don’t Like Mondays.の各曲のテーマはわりとふつうの日常的恋愛や生き方の話であり現実とそれほどかけ離れていないのだが、ライブでは自分がひとつの音符になったかのような非現実感を味わえる。夢みたいなシンセのサウンドがとどろいたり、兆志(Gt.)のメタリックなギターソロが響いたり。女の子なら誰でも大好きな重たいサウンドを放つ謙二(Ba.)はファンキーなスラップも披露してくれる。音楽的なテクニックで非現実空間へ誘いかける。
(謙二(Ba.)の弾くベースの重低音はダンサブル。女の子の心をぐっと掴む)
音楽でなにかを伝えたいと訴えるアーティストやバンドは結構多いが、ここまでしっかりとコンセプトが確立しているバンドはレアなのではないか。歌詞は変にカッコつけず、素朴に純粋に、思っていることを歌にしているみたいなシンプルさがある。どこにでもありそうなシンプルさなのにどうしてここまでひきつけられるのか。それはひとえに、メンバー全員が、観る者を楽しませようと誘ってくれている感じがするから。
SEから楽曲の一つ一つ、ファッションショーからMC、ライブグッズ(『FASHION』の名に違わない、格好いいものばかり)に至るまで『FASHION』の世界が凝縮された、多幸感たっぷりな空間。
リーダーである秋気(Dr.)が、「アルバムも、ツアーも、通して一つのもの」と言っていたように、全体を通して伝わる彼らのコンセプトがこのひとつのライブでしっかりと伝わってくる夜だった。
(横ノリの曲でゆったり体を揺らしたり、縦ノリの曲で飛び跳ねたり。観客の一体感は、彼等のライブならでは。)
『I Don’t Like Mondays. “FASHION” 1st Tour』ファイナル セットリスト
1. Fashion
2. STAR DRIVE
3. Perfect Night
4. BADMAN
5. MEMORIES
6. Sorry
7. Super Special
8. Stranger
9. Marry me
10. Crazy
11. Freaky boy
12. Game over
13. Girlfriend
14. LOVE YOURSELF
15. TOKYO BROTHERS
16. FIRE
17. Don’t look back
18. Right before sunset
19. Tonight
En1. Life
En2. WE ARE YOUNG
Text_USUI YUI & KUJU ARATO
I Don’t Like Mondays. / 2012年、表参道で結成。2014年、日本コロムビアよりメジャーデビュー。略記は「IDLMs」、愛称は「アイドラ」。とことんポップでキャッチーなメロディをベースに、ROCK・EDM・FUNK・ディスコミュージック・80’sをミックスさせたIDLMsの音楽。彼らの奏でるサウンドは、まさに”最先端のJ-POP”!!
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