ダンスボーカルフェス「FabFes.2016 SPRING」が2016年3月13日にZeppダイバーシティ東京で開催された。毎年定期的に開催され好評を博している「FabFes」、毎回参加のDA PUMPを始め、MYNAME、SOLIDEMO、SELLOUT、THE HOOPERS、ブレイク☆スルー、FlowBack、Beat Buddy Boi、の全8組が今回パフォーマンスを披露した。
オープニングアクトとして勢いよく登場したのはSELLOUT。SELLOUTはまだ結成して7ヶ月というフレッシュなユニットだ。「Road to FabFes!」でファンの人気投票を集め、見事今回のオープニングアクトを勝ち取った彼ら。ステージで映える赤の衣装に身を包み、結成したてとは思えない情熱あふれるパフォーマンスを披露した。「僕たちがSELLOUTです、良かったら覚えて帰ってください」とフレッシュなMCもありつつ、見事な歌声・ダンスで多くの観客を魅了していた。今回ファンになったという人も多かっただろう。
2番手はブレイク☆スルー。今回の出演陣の中でもとりわけ元気があった印象のブレイク☆スルー、そのポップな親しみやすいキャラクターでリスナーの気持ちをがっちり掴んでいた。今回のフェスでは、4月26日にリリースされるニューシングル「ワンパン!!」を披露。さまざまに曲調が変化するジェットコースターのような楽曲で思わず楽しくなってしまう。また、ラストの楽曲では、この日のために来日したというマーク・パンサーを交え「MONEY on the GAME」のパフォーマンスも。「この場で楽曲のMV撮影します!」という突然の発表もあり、パワフルで楽しいパフォーマンスを見せてくれた。MVの出来上がりも楽しみにしよう。
続いて登場したのはFlowBack。FlowBackは、作詞・作曲、振付構成、グッズデザインなど全てを自分たちでプロデュースするユニット。ブロステップ風のクールなSEで登場した彼ら、まず目を引くのは白と青のセンスフルな衣装だ。カラーリングのみならず造形までこだわっているようで、ダンスの際に映えるように設計されている。ベースラインがクールな楽曲が多く、シンセを中心にしたトラックも気持ちいい。「A.N.L」ではEDM調のトラックに乗せて観客を大いに盛り上げていた。
4番手はBeat Buddy Boi。彼らは8人組のダンスボーカルグループで、圧倒的なラップ、ダンスパフォーマンスが魅力のアーティスト。彼らのトラックは日本の名曲をサンプリング・カバーしているのが特徴だ。1曲目は、m-floの楽曲をベースにしてトラックを仕上げたメジャー第一弾シングル「come again」。ラッパー・SHUNの変幻自在なラップとメンバーのダンスが会場を盛り上げる。ラストは宇多田ヒカルの名曲「traveling」を大胆にアレンジしたキャッチーなナンバーを披露。飛び跳ねたり手を振ったり楽しそうな観客の姿が印象的だった。
前半戦ラストはメンバー全員が身長180cm以上の音楽グループユニット・SOLIDEMO。黒の衣装でばっちりとキメてきた彼らは、今回のステージでも伸びやかで心に染みる歌声を聴かせてくれた。ドラマ「戦う!書店ガール」の挿入歌「Girlfriend」や、ドラマ「ファースト・クラス」のテーマソング主題歌「Heroine」などテレビでもよく聴かれた人気ナンバーに加え、さらに新曲「Landscape」まで披露するなど贅沢なパフォーマンスを見せてくれた。また、バックストリートボーイズの名曲「I Want It That Way」のアカペラバージョンのパフォーマンスも! 一体感のある素晴らしいパフォーマンスに気持ちよく酔いしれることができた。
MCを務めるまーくん、木本夕貴のトークを挟み、後半戦のトップバッターは8人組ボーイッシュガールズグループ・THE HOOPERS。男子顔負けのパワフルなステージングと、女子ならではのセクシーなパフォーマンスが魅力の彼女たち。ボーカロイドP・梅とらのカバー曲「虎視眈々」や、ブラスアレンジがクールなせつないナンバー「雨を追いかけて」、盛り上がること間違いなしの「GO!GO!ダンスが止まらナイ」などさまざまな楽曲を披露。他にあまりないスタイルを持つこのユニットの今後にも要注目だ。
終盤戦となってきた「FabFes」のトリ前を務めたのは人気K-POPアーティスト・MYNAMEだ。まずそのトラックのクオリティの高さに驚かされ、そのトラックに見事にマッチしたキレのあるダンスにさらに驚かされた。腕をくるくると回すパフォーマンスが特徴的な「Miracle」からライブはスタート。「Hello & Goodbye」「HELLO AGAIN」「Stop the time」とキレッキレの楽曲が続き、特に素晴らしいなと思ったのが「too very so MUCH」だ。ピッチシフトしたボイスやラップがとてもかっこよく、ハイセンスな楽曲とダンスに心奪われた。ラストは「Just tell me」で会場をさらに大きく盛り上げ、大歓声を背にステージを後にした。
今回のトリは、もはやダンスボーカルユニット好きでその名を知らない人はいないだろうDA PUMP。ステージのモニターにその名が映し出されると会場から黄色い声が轟いた。彼らのデビューシングルでもある「Feelin’ Good ~It’s PARADISE~」から空気をばっちりと掴むと、続くのは2001年にリリースされたシングル「Purple The Orion」「CORAZON」の2曲。MCではボーカルのISSAが「FabFesは可愛い子が多いね」「盛り上がってるか?調子はどうだ?」と観客とコミュニケーションを交わし暖かなムードが流れていた。MC後、各メンバーをフィーチャーしたダンスパフォーマンスナンバー「New Position」、DA PUMPの代表曲でもある「if…」が続き、ラストは「We can’t stop the music」で観客総動員の大合唱。トリにふさわしい素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
その後は、今回出演したアーティスト8組が全員集合して大円団。それぞれのアーティストがサイン入りのカラーボールを投げる一幕もあり、それをキャッチしようとするファンの姿はとても楽しげな様子だった。全8組、多種多彩なグループが出演した今回の「FabFes」、その名の通りお気に入りのアーティストを”ファボ”することができただろうか? お目当てのアーティスト以外にも、今回新たなアーティストのファンになるきっかけとなるような素晴らしいフェスだったように思う。ダンスボーカルユニットの人気はさらに高まっている状況だが、今後トラックのクオリティも、ダンスのクオリティも、歌唱力もどんどん上昇していくことだろう。今回”ファボ”したアーティストをきっかけに、さらに多くのアーティストをチェックしていこう。
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