瑛人を構成する5つの楽曲。多様に広がるシンガーソングライター・瑛人の音楽性
“ある曲”の大ヒットをきっかけに、いまや日本で知らない人はいないと言い切れるほどの知名度を獲得した一人のシンガーソングライターがいる。
彼の名は、瑛人(えいと)。今年6月で24歳となる期待の若手アーティストだ。
その名前を聞いて、代表曲である『香水』をイメージする人は少なくない。けれど、『香水』と同等、またはそれ以上に魅力的な楽曲を、まさにいまも歌い続けているのが、瑛人というミュージシャンである。あなたは『香水』以外の彼の楽曲をどれくらい知っているだろうか。
「瑛人」はどのようにして「瑛人」となったのか
瑛人は1997年6月3日、神奈川県横浜市に生まれた。男3人の兄弟の末っ子だった彼は、運動が好きだったこともあり、野球少年として育ったが、その一方で物心がついた頃には、音楽や歌うことの楽しさにも惹かれていたという。
「ミュージシャンになりたい。」
そんな気持ちを抱えつつも、自分には難しいと心の奥にしまい込んでいた小学生時代だった。
小学校・中学校で野球部に、高校でダンス部に所属した瑛人は、大学受験の失敗をきっかけにフリーターの道を選び、「自分のやりたいこと」「自分にできること」を模索し始める。そんなとき触れたのが、友人のダンサー・KANの表現だ。そのアーティスティックさに圧倒された彼は、「昔から好きだった音楽や歌で、自分の世界を表現したい」という気持ちに気づき、19歳になってようやく音楽活動をスタートした。知識不足・技術不足を補うために入学した音楽学校では、現在も師匠として敬愛するシンガーソングライターのルンヒャン(TOKYO CRITTERSなどとしても活動)と出会っている。
5番目につくった楽曲『香水』が、リリースから1年の時を経て爆発的ヒット
小学生のとき、兄の影響で出会い、瑛人がいまも思い出深い1曲として名前を挙げる清水翔太の『HOME』。
その後、瑛人は、いくつかの楽曲を制作したあと、1st EP『香水』をリリースした。リードトラックとなる同名ナンバーを作詞・作曲したのは、彼が21歳のとき。2019年3月のことだ。まだ自分の活動に自信が持てないなかで世に送り出された同曲は、リリース当初こそ大きな注目を浴びなかったが、約1年後の2020年春に状況が一変。TikTok上に投稿されたカバー動画をきっかけに、話題の1曲として広がりを見せ始めた。
当時1日1,000回でも多い方だったストリーミングの再生回数は、4月に入ったころから急激に伸び始め、同月中旬には、本人がブレイクを予感するほどの数字となっていた。5月ごろには、Apple MusicやLINE MUSIC、Spotifyなどのチャートで1位を独占。話題性がさらなる注目を呼び、『香水』は瞬く間にシーンを席巻した。YouTube上にアップされた同曲のMVは、約1億4,000万回(2021年1月現在)も再生されている。こうして瑛人は、時のアーティストとなっていった。
今年1月1日には、満を持して1stフルアルバム『すっからかん』をリリース。2020年の大ブレイクと、一区切りとなるオリジナルアルバムのリリースを経て、また新たなステージへと踏み出しつつあるのが、シンガーソングライター・瑛人である。
香水だけじゃない!瑛人の絶対聴いて欲しい曲&MV5選
ハッピーになれよ
1stアルバム『すっからかん』で初収録となったこの曲『ハッピーになれよ』は、レゲエアレンジの楽曲にあわせて家族の幸せを歌った、瑛人ならではのメッセージソング。MVには、父・母・兄2人・自分の5役に瑛人自身が扮した。
作詞・作曲に共作として名を連ねるのは、音楽学校時代の師であり、瑛人のプロデューサーでもあるルンヒャン。「瑛人=香水の人」というイメージを持っている人からしたら、彼がこの楽曲で見せる音楽性の広さは少し意外なのかもしれない。
HIPHOPは歌えない (韻シストver.)
『HIPHOPは歌えない (韻シストver.)』は、2020年1月リリースの同名デジタルシングルを、韻シストを客演に迎え、セルフカバーした1曲。どことなく懐かしさの漂うアレンジとなっていた原曲とは違い、にぎやかさを感じられる楽しいナンバーへと仕上がっている。
瑛人の声には、歌詞をとてもまっすぐにリスナーの耳へと届ける力がある。この楽曲からは、彼のボーカリストとしての資質も感じ取ることができる。
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