リンキン・パーク チェスター・ベニントンが死去。死因は……。
朝起きていつも通りネットを開くと、こんな文字列が飛び込んできた。
「リンキン・パークのフロントマン チェスター・ベニントンが死亡、自殺か」
マイケル・ジャクソンが亡くなったニュースを聞いたのも朝だった気がする、とにかく呆然としてしまった。現実感が今でもない。
リンキン・パークの絶対的なフロントマン チェスター・ベニントン
チェスター・ベニントン(リンキン・パーク)
中学・高校の多感な時期にリンキン・パークを熱心に聴いていたリスナーはかなりの数いるんじゃないだろうか。筆者も『Hybrid Theory』、『Meteora』、この2枚のアルバムは擦り切れるほど聴いた思い出がある。
リンキン・パークは、メタル、ロック、ヒップホップなどをミックスしたサウンドが特徴のアメリカ出身のバンドだ。特にフロントマンのチェスター・ベニントンの存在感は絶対的で、彼の口から放たれるシャウトとマイク・シノダのラップのコンビネーションは抜群だった。ONE OK ROCKをはじめ、彼らから影響を受けた国内バンドの数は計り知れない。
今年5月にロックバンド、サウンドガーデンのボーカリストとして著名なクリス・コーネルが首をつって自殺したが、彼を敬愛していたチェスターが選んだ死に方も同じ方法だった。チェスターが死亡しているのが発見されたのはコーネルの誕生日の7月20日。真相はわからないが、もしかしたらコーネルの死がひとつのきっかけになってしまったのかもしれない。チェスターが彼の死後「あなたのいない世界など想像できない」とコメントを出していたことが頭をよぎる。
With all of my love @chriscornell. pic.twitter.com/NFz0dnxfp8
— Chester Bennington (@ChesterBe) 2017年5月18日
クリス・コーネル(サウンドガーデン)
デビュー作にして名盤の『Hybrid Theory』からチェスター最後の参加アルバムとなった『One More Light』まで
リンキン・パーク
リンキン・パークがこれまでにリリースしたオリジナルアルバムは、リミックスアルバム、企画盤などを除くと『Hybrid Theory』、『Meteora』、『Minutes to Midnight』、『A Thousand Suns』、『Living Things』、『The Hunting Party』、『One More Light』の全7枚。
この中でも特に知られているのが『Hybrid Theory』、『Meteora』の初期2作品だ。『Papercut』、『One Step Closer』、『In The End』、『Dont’s Stay』、『Faint』、『Numb』など名曲の数々が溢れんばかりに収録されている。この初期2作品はヘヴィーで、キャッチーなアルバムだ。初期衝動が詰め込まれていると表現してもいいかもしれない。メロディーがとにかく素晴らしいし、ゴリゴリなギター、キレッキレのラップ、エモーショナルなシャウト、重厚なベース・ドラムのコンビネーション、どこを切り取っても心を振るわせてくれる。誰もが納得の名盤といえるだろう。
リンキン・パーク『Faint』(Official Video)
リンキン・パーク『In The End』(Official Video)
3rdアルバム『Minutes to Midnight』、4thアルバム『A Thousand Suns』は方向転換の時期のアルバムだ。
『Minutes to Midnight』では、『Given Up』や『Bleed It Out』、『No More Sorrow』など、ヘヴィーなサウンドも聴けるが、全体的には哀愁に包まれたメロディアスなナンバーが多くなり、ファンを驚かせた。4thアルバム『A Thousand Suns』ではエレクトロニカ的な要素も取り入れ、より実験的な方向に進んだ印象だ。1st、2nd期が好きなファンと3rd、4th期が好きなファンで大きく分かれるくらい、この2つの時期のサウンドには違いが見られる。
リンキン・パーク『Leave Out All The Rest』(Official Video)
リンキン・パーク『Waiting For The End』(Official Video)
5枚目の『Living Things』は1st、2nd期と3rd、4th期の良さをうまく織り交ぜたようなアルバムだ。初期のファンでこのアルバムが好きだという人はかなり多い。そこから、6枚目の『The Hunting Party』ではパンク寄りのハードコア路線に、7枚目の『One More Light』ではクラブミュージック寄りになったりと、近年では新たな方向性を模索していたように思える。
リンキン・パーク『Guilty All The Same』(Official Video)
リンキン・パーク『Nobody Can Save Me』(Official Video)
そして、今年7月20日、チェスター・ベニントンが亡くなった。
Fun day with @kenjeong @CarpoolKaraoke @AppleMusic – stay tuned. pic.twitter.com/v8tSBG1cwF
— LINKIN PARK (@linkinpark) 2017年7月14日
亡くなるほんの5日前、Apple Musicで配信される「カープール・カラオケ」の撮影を俳優のケン・チョンと行っていたが、そのときの画像がこれ。満面の笑みだ。とても5日後に自殺をするようには見えない…。
今年11月には千葉・幕張メッセでONE OK ROCKとの対バンライブ開催を発表していたが、チェスターがその場にいないのが本当に悲しい。もうあの力強いエモーショナルなシャウト、美しい歌声を聴くことができないなんて。
RIP Chester. Tragic ending. Condolences his family and friends and Linkin Park
— Lil Chano From 79th (@chancetherapper) 2017年7月20日
Gracious, kind & humble. A rare combination in Rock & Roll. Deeply saddened… pic.twitter.com/cVtNEzrjHD
— Lars Ulrich (@larsulrich) 2017年7月20日
既にONE OK ROCKのTakaや、メタリカのラーズ、チャンス・ザ・ラッパーなど数多くのアーティストから数多くの追悼メッセージがSNSに投稿されており、彼の影響力の強さを思わせる。
チェスター亡き後のリンキン・パークの今後の活動についてはまだ公式なアナウンスが発表されていない。圧倒的カリスマを失った空虚感はかなりあるだろうが、バンドを存続していってくれることを祈りたい。リンキン・パークがいないロックシーンはあまりにも寂しいから。
— LINKIN PARK (@linkinpark) 2017年7月20日
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