東京生まれ東京育ち。ハロヲタで、ルーツはロックバンド。代表曲や知れば知るほど惹き込まれる個性についてまとめました
2018年6月27日にコンセプト・ミニアルバム『東京』をリリースした瀧川ありさ。先日ミーティアで公開したインタビューでは、自身のパーソナリティや新作『東京』の制作背景について語っていただきました。
今回は、もっともっと「瀧川ありさ」のことを知りたい!気になる!という方に向けて、そもそもどんなアーティストなの?といった来歴や、代表曲、推しポイントについてまとめてみました。
瀧川ありさとは?
瀧川ありさは、東京出身のシンガーソングライター。季節や風景の移ろいを描いた歌詞やバンドサウンド、ポップさと憂いのあるメロディ、そしてつやのある声に特徴がある(グロッシーヴォイスと呼ばれる)。
音楽の原体験は松任谷由実や山下達郎など。THE BLUE HEARTSやNUMBER GIRLを聴いたことがきっかけでバンドサウンドに憧れ、中学2年生の時にロックバンドを結成。高校卒業を前後に解散、1年のブランクを経て、ソロアーティストとして活動を再開。
2015年、テレビアニメ『七つの大罪』エンディングテーマに起用されたシングル『Season』でメジャーデビュー。同年、シングル『夏の花』や、アニメ『終物語』エンディングテーマの『さよならのゆくえ』などをリリース。第30回日本ゴールドディスク賞新人賞獲得。
ストイックなサウンドときれいでカッコ良いビジュアルに注目が集まりがちだが、モーニング娘。結成時からのハロヲタという側面もある。元ハロプロメンバーで女優の真野恵里菜とは公私ともに仲が良い。
初見の方はとりあえずここから:瀧川ありさの代表曲3選
(瀧川ありさ『Season』MV)
デビュー曲で人気アニメのエンディングテーマに抜擢された『Season』
デビュー曲『Season』は、前述した通りテレビアニメ『七つの大罪』のエンディングテーマに起用された。ユニコーンやCHEMISTRY、ゴスペラーズ、西野カナといった人気アーティストを発掘してきた名スカウトが惚れた衝撃新人としてデビューし、いきなり大型タイアップを任された。
曲調はザクザクとしたギターが特徴のロック。疾走感があるが、ボーカルには抑制が効いていてベタつきがない。音に溶けていくような声が、絶妙なバランスでほのかな感傷を誘う。かなりバンド寄りのサウンドで、シンガーソングライターというよりも瀧川ありさ(Vo. & Gt.)と表記した方がしっくりくるかもしれない。
(瀧川ありさ『さよならのゆくえ』MV)
神曲との呼び声も多数!『さよならのゆくえ』
3rdシングル『さよならのゆくえ』は、テレビアニメ『終物語』エンディングテーマに起用され、ロングヒット。名曲が多いと言われている物語シリーズのなかでも、『さよならのゆくえ』は「神曲」との声が特に多い。YouTube再生回数もキャリア最多(2018年7月現在)。
爽快なギターロックにピアノやストリングスが合わさり、よりエモーショナルな仕上がりに。メロディはポップだが、そこはかとない悲しみが歌詞に落とし込まれ、アニメの雰囲気とマッチする。
『Season』や『さよならのゆくえ』を聴くと、瀧川ありさというアーティストはタイアップに強いアーティストなのだとわかる。対象に憑依することが得意で、ある程度の不自由さがあると才能を発揮するタイプなのだろう。
(瀧川ありさ『Again』MV)
初のバラード!すべての「君」を肯定する『Again』
4thシングル『Again』は、瀧川ありさ初のバラードシングル。『Season』のロックサウンドとは異なり、ピアノやストリングス、アコースティックギターを入れてしっとりと仕上げた。すべての「君」を肯定する瀧川ありさ流応援歌。
瞳を輝かせ 笑顔で語る夢
それがやがて君を 何よりも苦しめて
眩しすぎる君に 敵は増え孤独になり
いつかきっとという 想いだけ胸にして
引用したのは、『Again』の歌詞冒頭部。この曲には裏テーマのようなものがあって、実は元モーニング娘。の鞘師里保(さやし・りほ)をモデルにしている。
そのつもりで聴いてみると、歌詞のどの部分を抜き出しても、納得。
クールかと思いきや、知れば知るほどチャーミングなパーソナリティ
(瀧川ありさ『ありさんぽ vol.1(千葉県市原市周辺)』)
紹介した3つのMVを観ると、瀧川ありさに対してクールなイメージを持つかもしれない。確かにミュージシャンとしての彼女にはそういった面があるだろうが、人間としての瀧川ありさは非常にフランクで話好き。よく笑い、親近感を抱きやすい。
bayfmレギュラーラジオ番組『ありサークル』連動企画の『ありさんぽ』を見ると、そのことがよくわかる。
上に貼り付けたのはその第一回。両手をパッと広げて「あいっ、どーも、フフフ……」と笑う最初の数秒から、彼女の人柄の良さが伝わってくるだろう。その1分後には鉄塔を「クマ」「ペンギン」「神」と呼んでいる。……どういうこと?
気になった人はぜひ『ありさんぽ』見てほしい。約8分の動画を見たあと、すでに彼女のことを好きになっている自分に気づくだろう。
最新作『東京』は、彼女の感性や思考がにじみ出ている私小説的作品
(瀧川ありさ『東京』)
6曲入りのコンセプト・ミニアルバム『東京』は、東京生まれ東京育ちの彼女が自分の出自にフォーカスした作品。
表題曲『東京』は、アコースティックギターを弾きながら歌うシンプルな曲で、瀧川ありさにとって初めての私小説的作品でもある。これまで数々のタイアップ作品をつくり、タイアップ先の作品や対象に寄り添って楽曲をリリースしてきた彼女が、自分自身と深く向き合い、初めてみずからの素を出した作品。
インタビューでは「心の話」という印象的な言葉で表現していたが、現時点での最新作であるこの曲が、瀧川ありさにとって今後の分岐点になるような気がする。
ほかにも、夜に溶けていくようなギターリフが印象的な『night light』、ダンスミュージックとしても聴けそうな『Gentle rain』、瀧川ありさ初のファンクチューン『FRIENDS』など名曲ぞろい。東京の夜にぴったりで、トレンディさも感じさせる。
東京に特化したこれらの6曲は、具体的できわめて個人的な作品でありながら、同時に普遍的な作品でもある。
もっとも個人的な作品がもっとも強く人の心を打つ、という芸術におけるセオリーのようなものが、ミニアルバム『東京』にはある。瀧川ありさ入門としておすすめの一作だ。
<最新アルバムリリース情報>
瀧川ありさ
コンセプト・ミニ・アルバム『東京』
2018.06.27 ON SALE
【初回生産限定盤】(CD+DVD+リリック・ポストカード)
SECL-2182~3/¥2,315(税別)
※トール・サイズ・ジャケット仕様
【通常盤】(CD)
SECL-2184/¥1,667(税別)
1. night light
2. Gentle rain
3. snow train
4. FRIENDS
5. only one
6. 東京
[DVD] ※初回生産限定盤のみ
1. 「night light」レコーディング・ドキュメンタリー映像
2. ジャケット写真撮影、MusicVideo撮影 ドキュメンタリー映像
3. 「東京」Music Video Lip Scene Only ver.
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